2025年09月29日更新

こんなに月が蒼い夜は

  • 難易度:★★★|
  • 人数:3人~4人|
  • プレイ時間:

ソード・ワールド2.5
推奨LV3
注意:オリジナルエネミー/データ
参考:月のワルツ

ユーシズ魔導公国周りのココロポッカの森を散策していたPC達。夜も更け、休息をとる所に壊れた魔動機が抱える小さな箱に惹かれた。それに手を伸ばして見ると...

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ストック

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見出し2【概要】

使用ルールブック
SW2.5基本ルールブック1、2、3

見出し2【あらすじ】

 こんなに月が蒼い夜は不思議なことが起きるよ。

見出し2【導入】

 魔力の満ち満ちるココロポッカの森を歩き、PC達はユーシズ魔導公国へと向かっている。公国へ向かう傍ら、軽く魔物狩りに勤しんでいたのだ。しかしもうじき夜が来る。朝昼勇むPC達も、夜の寒さと暗さ、身体の疲れには抗わないものだ。こうしてPC達は月の蒼いこんな夜に、明日の朝を思って野宿をしている。
 夜を過ごすPCは、遺物となった機械兵を見つける。魔導機と呼ばれるその古代の残骸は、コケやら蔦やらに覆われて動く調子はない。それよりも、それらの束縛から逃れた小さな金属の小箱に目がいった。
 その小箱は今なお生きている簡素なオルゴールで、値打ちがあるかはさておき、アンティーク品だ。
 そのオルゴールを回すと、ポロポロと耳に馴染む高温を軽やかに呟きだす。そしてPC達はそのオルゴールの音に囲まれるような感覚に陥ると、辺りは真っ暗に変化しており、PC達はその真っ暗な世界へと飲み込まれてしまった。

見出し2【依頼】

 不思議な奈落の魔域(シャロウアビス)に巻き込まれたらしい。ここから抜け出す方法を探そう。
 悪運にも、直前まで森を散策して物資は確保しなおした。心許ないが、これで脱出まで繋ごう。

前報酬:パーティ全体で救命草×4 魔香草×2

見出し3【依頼•簡潔】

 シャロウアビスから脱出しよう。

見出し2【依頼報酬】

 奈落の入口を顕現させたオルゴールは残っている。これに大層な価値でもなきゃ、やってられない。

見出し2【道中】

見出し3【オルゴールに連れられて】

 シャロウアビスの中には森が広がっている。蒼い月の光が木々を塗って降り注ぐ。それでも、まだ明かりはたりない。
※行動判定(生死、生命•精神抵抗以外の判定)にマイナス3のペナルティ。視野の確保でペナルティ解除

 この森はシャロウアビスの中のようだが、踏みしめられた道がある。シャロウアビスから出るためには進むしかないが、その道は2つに分かれている。
→古道(古い道)。判定無用。
→険路(険しい道)。「軽業判定(スカレン•運動)」目標値9の成功。一人以上の成功を求める。

見出し3【古道】

 古く使われた跡が遺る道。未だに草木に覆われ道が死んでいないのは誰かが利用しているからだろうか?
 しばらく進むと小屋を発見した。木造の小屋で、木こりの休憩所といった様相だ。中に誰かがいるかはわからない。入らずに先にも進めるが...どうしようか?

→小屋に入る
 寂れた小屋だ。...物資は多い。ここで必要な物を回収したり、休んだりしたらいいだろう。もしPCが名指しで物品を欲しがった場合、木こりの山小屋にあるものなら与えてよし。GMの匙加減。
「探索判定(スカレン•観察)」目標値11に成功すると「ミノタウロスアックス(ルルブ1P303)」を発見する。
→小屋から出る(小屋に入らなかった場合は起こらない)
 用は済んだ。小屋から出て、探索を進めようとするPC達は扉ののぶに手をかけ、そしてふと動きを止めた。...何か聞こえないだろうか。
 「聞き耳判定(スカレン・知力)」目標値11に失敗すると、小屋の外にいたエネミーに不意をうたれて、先行を奪われて戦闘に入る。

前線:ゾンビ×PC人数-1

 戦闘後、道なりに進む。【深い森】へ

見出し3【険路】

 隣の古道よりも前に使われていた道なのだろう。険しく、そして整備も進んでいない。草木にも覆われ、もはやこの道は忘れられている。
 しばらくすると打ち捨てられた教会を発見した。殆ど廃墟同然であり、大したものもないかもしれない。入らずに先に進めるが...どうしようか?

→教会に入る
 教会の中は外から分かるとおり荒れ果てており、もはや誰を信仰していた教会かも分からない。また、頭をかち割られた骸骨が床に倒れ伏している。無残なことだ。
「探索判定(スカレン・観察)」目標値9に成功すると「500G×1d3+1」を発見した。
→教会から出る
 用は済んだ。教会から出て、探索を進めようとするPC達は外へ向かおうとする。
「聞き耳判定(スカレン•知力)」目標値11に失敗すると森の中で敵に襲われる。成功すると一直線に教会に向かう敵を見つける。ここで撃退しよう。3ラウンドの猶予期間中に戦闘の準備を行え。

前線:ゾンビ×PC人数+1

 罠の設置(スカレン•器用:達成値が被害者の回避を上回れば達成値分のダメージ)や教会の要塞化(2D6をふり、その出目を教会のHPとする。要塞化を行った教会は戦闘中前線に配置され、HPが0になるまで前線の味方の回避+1、後方の味方の命中力+1)

 戦闘後、道なりに進む。【深い森】へ

見出し3【深い森】

 PC達はどんどんと道を進んでいき、気づけば森もかなり深くなってきた。常識の通用しないシャロウアビスにおいて、これは進路を間違っているとは言い切れない。さしてくる月の蒼い明かりも、ここへは殆ど届いていない。
※行動判定(生死、生命•精神抵抗以外の判定)にマイナス4のペナルティ。視野の確保でペナルティ解除
 PC達は延々と続くように歩き続け、そこへ黒い球体を発見した。ちょうど、伝え聞くシャロウアビスの入口そのものである。...しかし、現にPC達はシャロウアビスの中におり、シャロウアビスからの脱出にはアビスコアの破壊以外はない。そして、そのアビスコアは漆黒の剣の見た目をしていると伝え聞く。さて、この球体はなんなのだろう。
「真偽判定(LV•知力)」目標値13に成功すると正体を見破れる。成功すると、シャロウアビスへの入口は消え失せ、空間を切り裂いたような穴へと変貌する。穴の中は森の入口といった様相で、覗く位置によっては村の入口らしきものが見える。
 また、幻覚のはれた入口には目に見えて罠が設置されている。何らかの魔力を持つものがこの罠を目視すると、この罠が魔法の罠であることを理解し、スカウト•レンジャーによる通常の解除では罠を不発にできないことを悟る。「魔力をボーナスとする判定」を行い、目標値13に成功すると罠の種類を理解する。この罠は、「魔力を持つものが通過することで、ダメージ7のスパークを発動する」仕掛けだ。或いは、ディスペル•マジックを使用する場合、PCは能動側で目標値12の対抗ロールに勝利して罠を無効化できる。MP消費以外のデメリットなしで、何度でも挑戦が可能。

見出し3【パレード】

 通り抜けた先は、森の出入口、あるいは村の入口といった場所である。まだ、夜だ。月の蒼さは建材で、今夜のうちで最も強く光を浴びている。
 村は夜だというのに、白昼のように明るい。蝋燭を灯し、村の中央では祭事の火が天を焦がしている。また遠目からでも村人が見え、実に楽しそうに仕事に励んでいる。

→村に入る
 村の中に入る。村人は肥えた家畜を潰したり、溢れんばかりの麦を一所に集めたり、窯のパンの出来を喜んだりしている。シャロウアビスの中だというのに、実に無邪気なものだ。
 話しかけると返事をくれるが、実にシステマチックな応答しかしない。機械仕掛け、といった感じだ。
「今宵は祭事だ。宴に酒に、準備が足りない。明日も明後日も、サーカスの道化を見て笑うんだ」
 奥にはサーカスのアリーナがある。サーカスの入口近くを通ると、笑顔のピエロが道案内をしてくれる。
 道案内をうけると、そこは観客席ではなく、サーカスの舞台だ。観客席は満席であり、君たちの入場を拍手で迎える。困惑する君たちの前に、サーカスの団員達が姿を現した。様々な大道芸を持った彼らは、実に楽しそうにPCたちに狂気と刃物を向ける。PC達を囲む円形の歓声に、常軌を逸する異常の質量の重苦しさを体感するところとなった。

前線:玉乗りゾンビ×PC人数-2
後方:ナイフ投げスケルトン×1

 戦闘後、観客たちからは嬉々とした歓声が響き渡り、動かなくなったピエロ達のことを大したことにように見てはいない。居心地の悪い空間がPCを襲う。PC達はアリーナから速やかに撤退した。

見出し2【クライマックス】

見出し3【夢を見たまま】

 シャロウアビスからの脱出を目論むPC達は、ついに漆黒の剣、すなわち奈落の核(アビスコア)を発見することができた。しかし、アビスコアの目前には非常によく似た二人の少年少女が眠っていた。背をもたれ合い座ったままの彼らは、痩せた体と傷跡が目立った。
 哀れなシャロウアビスの犠牲者に同情をかけつつ、脱出を図るPC達。だが、ポロリポロリと素朴な音色が懐から鳴り響いた。それは、シャロウアビスの入口を顕現させた、あのオルゴールから鳴っている。
 その音に呼応するように哀れな二人は目を閉じたまま突如立ち上がり、PC達の前に躍り出る。そして閉じた瞼の下からPC達の顔を覗き見る。そこに彼らの声はない、意思はない、感情はない。しかし身動ぐ音がある。
 そしてまるで立ち塞がるように手を横に広げた。たちどころに彼らの腕は引き裂かれ、骨のように腕に埋まる武器を露わにさせた。彼らはその武器を握りしめ、互いにぶつけ合って嫌に響き渡る金属の音を鳴らした。
 するとその金属音の振動が合図であったかのように、正に悪魔にような形相の、六本足の怪物が姿を現れだした。三体は非常に穏やかな気迫と共にPC達に敵意を向ける。この悪意のない敵意こそが、この奈落のガーディアンなのだろう。

前線:眠ったままの---×2
後方:パペッティア×1

パペッティアには剣の欠片がPC人数+2個取り込まれている。
眠ったままの---はレヴナントのデータを用い、下記参照

見出し2【生還報酬】

 パペッティアを撃破すると、レヴナント二体からスッと魔力が浮き出てオルゴールに吸い込まれていく。また、レヴナントから通常のドロップの他、体に埋め込まれた武器2つを入手できる。

 オルゴールは〈特殊楽器〉、「おてんば兄妹の夢」へと変転する。用法1H、取引額2000G。主動作で、高揚か鎮静の楽素のどちらかを4点消費することにより、【眠ったままの---】を1体召喚することができる。2体まで召喚可能で、HPが0になるとオルゴールに召還される。1日に2回まで使用可能。
 レヴナントの武器、「傀儡使いの改造趣味」を2つ獲得する。この武器は、すでに武器としての用途を果たすことはできないが装飾品を取り出して売却することが可能。2つ合わせて10,000G。

見出し2【エンディング】

 シャロウアビスの番人を倒すことができた。
 困難極めた戦闘と、一抹の後味の悪さに君たちは疲弊するだろう。そしてこれは恐らくの話でしかないのだが、このシャロウアビスの風景はあの少年少女の理想だったのだろう。何が彼らを番人にさせたのだろうか。既に息のない彼らの理想はこのシャロウアビスからどれほど近いものだったのだろうか。
 崩れ去り、ゆるやかな崩壊を始めたシャロウアビスの空間は真っ暗で、入ってきたときのことを思い出す。ここを抜ければもとの世界へと脱する。
 ああ、今宵の月のように、かくも不思議な夜だった。

見出し2【オリジナルデータ】

【玉乗りゾンビ】
アンデッド:LV3
知能:低い
知覚:魔法
反応:敵対的 穢れ:5
言語:なし
生息地:不明
情報:
知名度/弱点値:7/12 弱点:回復効果ダメージ+3
先制値:12 移動速度:12(玉)/- 生命抵抗力:4 精神抵抗力:5
攻撃方法:突進
命中力:4 打撃点:2d+4 回避力:4 防護点:1 HP:28 MP:0
備考:
剣の欠片:なし
特殊能力:
「精神効果無効」「全力攻撃Ⅰ」「チャージ」
戦利品:
ゾンビ引用
備考:

【ナイフ投げスケルトン】
アンデッド:LV3
知能:低い
知覚:魔法
反応:敵対的 穢れ:5
言語:なし
生息地:不明
情報:
知名度/弱点値:7/12 弱点:回復効果ダメージ+3
先制値:8 移動速度:10(二足)/- 生命抵抗力:3 精神抵抗力:6
攻撃方法:武器
命中力:4 打撃点:2d+3 回避力:4 防護点:4 HP:22 MP:0
備考:
剣の欠片:なし
特殊能力:
「精神効果無効」「骨の身体」「ナイフ投げ」「毒ナイフ」
ナイフ投げ 射程1(10m)でナイフによる射撃攻撃。命中力と攻撃は通常同様。
毒ナイフ 宣言。打撃点の+ボーナスを1で固定する。この1ダメージは防護点を無視する。
戦利品:
2-3 なし 4-10頑丈な骨(30G/赤B) 11-魔力を帯びた骨(250G/赤A)
備考:フェンサーみたいに使って

【眠ったままの--- レヴナントLV3】
アンデッド:LV3
知能:低い
知覚:魔法
反応:敵対的 穢れ:5
言語:なし
生息地:さまざま
情報:
知名度/弱点値:8/14 弱点:回復効果ダメージ+3
先制値:10 移動速度:12(二足)/- 生命抵抗力:4 精神抵抗力:4
攻撃方法:武器
命中力:6 打撃点:2d+6 回避力:2 防護点:2 HP:26 MP:7
剣の欠片:なし
特殊能力:
「精神効果無効」「再生=3点」「かばう」「契約:傀儡化」
契約:傀儡化 パペッティアによって「契約:傀儡化」状態にある。パペッティア参照
戦利品:
レヴナント引用
備考:パペッティアの契約:傀儡化を受けている

【パペッティア】
魔神:LV5
知能:人間並み
知覚:五感(暗視)
反応:敵対的 穢れ:なし
言語:魔神語、交易共通語
生息地:不明
情報:
知名度/弱点値:13/16 弱点:断空+3
先制値:12 移動速度:12(六足)/- 生命抵抗力:7 精神抵抗力:7
攻撃方法:爪
命中力:6 打撃点:2d+5 回避力:6 防護点:4 HP:50 MP:25
剣の欠片:PC人数+2
特殊能力:
▶基本呪歌LV1/8/全エリア(半径40m)
▶特殊呪歌【ララバイ】/8/全エリア(半径40m)
 →直前の手番に「▶基本呪歌」を使用していた時かつ、戦場にHP1以上の「◯契約:傀儡化」の支配下にあるキャラクターが存在している時のみ
▶終律【冬の寒風】/8/全エリア(半径40m)
 →射程2(40m)、対象1体に2D+4点の水•氷魔法ダメージ。直前の手番に「▶基本呪歌」または「▶特殊呪歌」を使用していた時のみ。
〇契約:傀儡化
 →パペッティアが契約者の願いに尽力する代わりに、契約者をレヴナントにさせる。契約者一体のHPを0にして、他の契約者のHP•MPを最大にする。
戦利品:
自動 悪魔の血(100G/赤A)
2~10 悪魔の操糸(150G/赤A)
11~ アビスシャード(200G/-)
備考:

少年少女
【険路・古道】突然の来訪者
【深い森】森へ逃げる
【パレード】歪んだ理想の世界
【夢を見たまま】成れの果て

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SW2.5のシナリオ。固有のギミック等を使用しないシンプルなシナリオ多め。

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