イクナーリ大平原にかつて存在した都ヴェルニクの廃墟を舞台とした渦型シナリオ。
中原を旅するPC達は土鬼(ローグル)の群れに追われ、荒野の廃墟へと逃げ込みます。
そうして逃げ込んだ先の廃墟でPC達は赤い目をした女に出会います。女は妖精王国は邪悪な欺瞞であると言いますが……?
プレイヤー人数は3人~5人を想定しています。
飛行可能なキャラクター(風の公子、沈黙の女魔道師など)は禁止。また、妖精王の密使も使用不可とします。
ルールブックにも記載されているように、ルールや世界観の習熟度と魔法知識の技能値が対応するように配慮すべきでしょう。初心者には非・魔法系のテンプレートを推奨すべきです。
当シナリオでは魔法系キャラクターが必須でないため、魔法を扱えるキャラクターがいなくても構いません。
全員でイクナーリ大平原を旅している。
全員に共通の旅の目的を設定してもいいし、それぞれが個別の目的を持って旅をしていても構わない。ただし、土鬼やマイオス大公国(妖精王国に従わない独立国)を警戒し、固まって旅をしているものとする。必要であれば、商人の護衛ということにして、商人(テンプレートNo.39)をNPCとして同行させてもよい。
旅の同行者としてPC同士に簡単な自己紹介の挨拶などをさせておくとよいかもしれない。
道中で土鬼の群れ(4体)の襲撃に遭う。土鬼は人の2倍程の大きさの鬼。大きな牙と双角を持つ。
戦闘を行っても良いが、周囲は土鬼のテリトリーであり、戦闘中に他の土鬼が駆けつけてくる危険性を示唆しておくこと。実際、戦闘を行い、PCが余裕を持って土鬼の群れを突破してしまいそうな時は追加の土鬼を戦闘に介入させよう。
逃げる場合、PC達は街一つ分程ある巨大な廃墟へ迷い込むことになる。
廃墟へ足を踏み入れたPC達は夢歩きを行う。他に優先して見せる光景のあるPCを除いて、成功者にはこの廃墟に封印されている赤い目の侯爵スゴンの姿を幻視させる。幻視する人によって、都を滅ぼしている光景を見せる、龍と殺し合いをする光景を見せる等、違ったスゴンの姿を見せるべきだろう。
廃墟から出ようとするPCには、廃墟からはいくつもの土鬼の群れが確認できることを伝える。それらの土鬼に見付からずに廃墟を脱することは不可能であろう。群がる土鬼と戦いながらでも脱出を試みる場合は、命を覚悟してもらう。
廃墟に留まるか、奥へ歩を進めるなら、PC達の前に女魔道師が姿を現す。ローブ姿のその女性の目は爛々と赤く輝いている。女性のそばには、女性を守るようにして土鬼が控えている。この女魔道師が赤き瞳の巫女ドレンダルである。
ドレンダルを目撃したPCは夢歩きを行う。まだ人間だった頃のドレンダル、ドレンダルがスゴンを召喚する光景、スゴンの精を受けるドレンダル、というふうに達成値に応じて見せるものを変える。
ドレンダルは「ここに人間とは珍しいですね」と話しかけ、「ここに私がいることを外に知られるのは困ります。見られてしまったからには選んで頂かねばなりません。すなわち、私に協力するか、死ぬか、です」と選択を迫ります。PCが何に協力するのか、詳細な情報を求めれば、ドレンダルはこの世界の神々は邪悪であると説く。その邪悪な神の遣わした妖精騎士も邪悪な存在であり、妖精王国の治世は欺瞞である。神々は、神々から人を救わんとした魔族を恐れ、封印をしたのだと。魔族の封印を解き、妖精王国の欺瞞を晴らし、真なる人の時代をはじめねばならない。そのための協力である、とドレンダルは語る。
土鬼達は妖精王国を打倒し、土鬼の時代を築くことを目標としているが、原則としてドレンダルに従う。統率者がおらず、妖精王国の倒し方を知る者はいない。
ドレンダルはスゴンの復活と妖精王国の滅亡を目指す。更には神々の殺害をも目標としているかもしれない。禁断の知識を有しており、正しい歴史を知っている。ただし、正しい判断ができるわけではない。
スゴンは龍との戦いを求めている。スゴンと直接、意思の疎通を行ったPCはドレンダルとスゴンの意志がすれ違っていることに気付くだろう。スゴンは龍と戦おうとする者に協力を惜しまない。協力を惜しみはしないが、それは代償を求めないという意味ではない。
ルールブックP.150
赤い目の侯爵スゴン
ルールブックP.182
赤き瞳の巫女ドレンダル
護衛として杖の土鬼1体を連れている。
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