2019年07月23日更新

【MM】わりと無慈悲な夜の女王

  • 難易度:★★★|
  • 人数:3人~4人|
  • プレイ時間:3~4時間(ボイスセッション)

「夜の国」
罪人が死の先に落とされると言われている死の国。
「悪い子は夜の国の女王が拐いに来るよ」としつけの際によく名前が挙がる国。
そこの統治者は、わりと無慈悲な女王でした。
迷いこんだ稀人は、そこで不思議な体験をするのです。

170

0

ストック

0

コメント

舞台の紹介

夜の国

女王ティターニアが治める国。
といっても地図にあるわけではなく、罪を犯した人間が、知らず知らずに迷い込む国。
ここで罪人は、自らの罪を贖うために、夜の国に奉仕する。具体的には住人として生活し、真っ当な商売をする。
この国で生まれた子供は、この国で生きるか、外に出ていくかを選択できる。

NPC紹介

夜の女王 ティターニア

夜の国を総べる女王。伽藍である。
伽藍であるが、夜の国にいるが故、彼女は世界に害をなさない。
夜の国は左の地から隔絶した世界。彼女の、伽藍の持つ歪みが生み出した、切れ落ちそうになっている一葉の頁。
歪んでいるがために存在する、かくり世の国。
この国において彼女はただ唯一の女王である。
※ここに書かれている内容は全て裏設定のため、シナリオ上で開示されるタイミングはありません。
GMがティターニアをロールプレイする時の参考にしてください。

レギュレーション

シナリオ上、歪みが発生しづらい(しない)ので、データブック「フィオリトゥーラ」で規定された、少人数セッションでの逸脱能力の取得ルールを適用してください。

ハンドアウト

PC1 迷い人

推奨クラス 稀人
とある隠れ里に住む貴方は、幼いころ記憶を無くしてさまよっていたところを拾われた。
貴方を大事に育ててくれた里に貴方は恩義を感じている。
ある日、里の重要な使いを頼まれた貴方は、ひょんなことから夜の国に迷いこんだ。

PC2 女王の耳

推奨種族 二足歩行するウサギ
常世と夜の国を行き来し、女王の耳を楽しませる。それが貴方の使命だ。
常世からの帰り、女王からの召喚に何か巻き込んでしまった。おや、常世の住人ではないか。これはマズイ、怒られる。

PC3 判官

「女王の耳」がやらかして、ヨソモノが国にやって来た。敬愛する女王から直々に世話役を仰せつかった。
栄誉ではあるが、女王のそばにいる時間が減るではないか。やれやれ、とっとと女王に殺されていただけないものか。

PC4 自由枠

自由に設定ください。

シナリオ

オープニング

マスター

「記憶を失った人物。まぶしい光に目をしかめる。手を伸ばす大人の影。逆光で顔は見えない」
以下、GMの視点
ここは、PC1が拾われた時のシーンであることを匂わせる。
記憶を失った人物を、PC1よりの描写で説明すること。
実際は、本シナリオ中に夜の国から追放された子供。

PC1

用事を仰せつかったPC1。用事は、PC1の設定に合わせる。
拾ってくれた両親が病気になり、街まで薬をもらいに行った帰り、くらいが良い。
その道すがら、PC2とぶつかり、夜の国に迷いこむ。

PC2

用事の帰り道、夜の国に戻るところをPC1を巻き込んでしまう。
食パンとか、くわえながらPC1とぶつかるといいと思う。
不思議の国のアリスっぽく、木のうろかうさぎの巣穴に逃げ込むのも良い。

PC3

PC2に会いに来た女王のお供をする。
PC1を巻き込んで夜の国に連れてくるという、大ヘマやらかしたPC2に、女王はご立腹だ。
PC2と一緒にいたPC1と出会う。
「女王はPC1を見ると、目を細め、何か考えるように口を閉ざした。
そしてPC3からすると、女王なら絶対言わない言葉をPC1に掛けた
「よう参られた。夜の国へようこそ」
PC2が叱責されないことに、不気味ささえ感じた」
この後、女王から、PC2と一緒にPC1のお目付け役を任命される。
以下、GMの視点
PC1がかつて夜の国で生まれた子供であると、女王が気づくシーンです。
以下はプレイヤーに説明しても構いません。
女王は夜の国に住人が増えることを望みません。犯罪者が世界に増えた証拠なので。
まして無実の人を巻き込むなどという事態は、PC2の命が危ういほどの一大事と言えます。

PC間コネクトの設定

ここでPC間コネクトを設定。オープニングでどんなロールプレイをしたかで、自由に決めてもらう。
以降のロールプレイを助けるためのフレーバーと思ってください。

ミドル1

情報収集

難易度等はマスターが適宜設定。
・夜の国
月の満ち欠けで1日が決まる常闇の国。罪人は死ぬと夜の国に行く。悪いこは夜の国につれてかれる。
犯罪者は死罪よりもつらい苦役。女王の側仕えを命じられる。
外の世界に出ていこうとしてはならない。
・帰り道
帰り道はない。門をくぐるとなぜかまた国に入っている。
・女王(自ら語る、というかノリノリで自己紹介)
ティターニア。伽藍。
外の世界に行きたいなら吾を殺すしかないのう。
ここでイベント発生。
子供を連れて王城に来る親子。あるいは路上など、女王とPCが話をしている場所で良い。
「「この子が、外の世界に行きたいと言うのです」
我が子をかばうように懇願する母。外の世界を願うこと自体が罪である。
子を諭す女王。いいのかい、親と会えなくなるんだよ。
それでも子供の意思は固そうだ。女王はその子を王城で一時的に預かることにする。
PC1に、「住むところが決まるまで、王城を使うと良い。部屋は用意しておこう」」
以下、GM視点
ここの子供はPC1と特徴が似ている描写をすると良いです。オープニングのマスターシーンはこの子です。
夜の国に堕ちた犯罪者が外の世界に出ようとすることに対しては、女王は厳しいですが、この国で生まれた子供は別です。
親が罪人でも、生まれた子供には関係ない。それが女王の考えです。
ただ、子供好きなので、できれば夜の国にいて欲しいというのも、女王の本音です。そこは伽藍であることのワガママさだと思ってください。

PC3

PC2も登場。
「女王から命令が下る。
「PC1をもてなせ。あれが悪い子なら外の世界に帰りたくなくなるように」
PC3には、PC2が怠けないよう監視を言い付ける。
女王は嬉しそうだが少し寂しげだ」
以下、GM視点
PC1はかつて夜の国で生まれた子だった。そして先ほどの子供のように、外の世界に行きたいと願った。
外に出る条件として、PC1は記憶を失った。
女王は過去を懐かしみ、覚えがないであろうPC1の姿に寂しさを感じた。

PC2

PC1をもてなす。町の案内。
ガラワルイマンばかりだが、みなさん親切。犯罪者だが、贖罪したくて仕方ない。

PC1

もてなされる途中で悪漢に絡まれる。夜の国の新人さんらしい。ミドル戦闘へ。

ミドル戦闘

ルールブックから適当に。戦闘の練習。

ミドル2

PC2

PC1を王城へ案内する。ゴージャスな感じを適当に説明する。
PC3もお目付役として同伴する。特に何もなければ、次は朝のシーンとなる。
PCから要望があれば、ここで自由にシーンを作っても良い。
想定は、女王やこの国に関しての情報収集。あるいは昼間の子供との会話。
ここは判定ではなくロールプレイで進める。

PC1

「次の日の朝。女王と子供が王宮の庭で話をしているところを見かける。
女王は子供に最後に念を押す。親と二度と会えなくなるんだよ。
それでも外の世界へ行きたいという子供。意思は固いようだ。
「・・・そうか」
何かを諦めるように、ため息をつく女王。
「ではおぬしはこの国の住人ではないな」おもむろに手刀を形づくり、振り上げる。
そして子供の頭を吹き飛ばす。
やがて首のない子供の身体も黒い霧となって消失する」
以下GM視点
これは子供の記憶を消して外の世界へ追放する儀式。なので頭を吹き飛ばす。
この後、オープニングのマスターシーンにつながり、PC1のエンディングフェーズへとつづく。
ただし、プレイヤーには、無慈悲な女王が反抗する子供を弑したと思わせるよう、極力残酷な描写を心がけること。

PC3

女王のお召し。PC1のことを聞かれる。
「PC1はあれを、見たか?」
あれとは今朝の王城の庭での出来事を指す。PC3はPC1が見ていたことを知っいても良いし、知らなくても良い。
「PC1をどう思う。あれは夜の国にいるべきものか?(犯罪者もしくは悪い人間か)」
答えはPC3に任せます。PC1のロールプレイから納得のいく回答をお願いしてください(笑)。
「PC1をここへ呼べ」
クライマックスへ

クライマックス

女王の質問。PC1へ。外の世界を望むかい? 望まない場合はバッドエンド(笑)。
PC1には、自分が恩義のある村からのお使いの途中であることを思い出してもらおう。
「では、吾に殺されるか、吾を殺すしかないのう」女王が無慈悲な笑みを浮かべる。
ここで、女王はPC2とPC3に、PC1に助力することを命じる。
「PC1ひとりでは勝負にならんからのう」
PC3は手加減しても、命に背いてPC1を攻撃しても良いです。

女王ティターニア:サンプルシナリオのボスから適当に。
勝利条件 PC1が止めを刺す
女王が倒された時、「大きくなったのう。もうこっちに来るんではないぞ」ここでPC1の意識が途切れる。

エンディング

マスター

あの子は無事に帰ったかの。
寂しそうに、夜の女王ががつぶやく。ティターニアは夜の国にいる限り死ぬことはない。
吾に殺されたものは記憶を失う。最初の時のことは覚えてはおるまいて。
「今ならちょうど今朝がた送ってやった子供と合流できるやもしれん」

PC1

里に帰る。記憶を無くして拾われた子供が新たに増えた。お前の時と同じだな。
元気になった両親(育ての親)が笑顔で話しかける。お前を拾った時は、と昔話が始まる。
明らかにオープニングと違う拾われ方を演出することを推奨。

他PC

プレイヤーと相談して自由に演出ください。

夜の国にはわりと慈悲のある女王がいるという話でした。 エンドマーク。

⚫️最後に 〜定型文〜

本文書の著作権は、著者であるのみすけに帰属します。
私的かつ非商業目的で使用する場合を除き、事前に著者の書面による許可を受けずに、複製、公衆送信、改変、切除、ウェブサイトへの転載等の行為は著作権法により禁止されています。
身内で、コンベンションで、楽しんで頂く分には、何ら問題ありません。2次利用(リプレイ、動画等)も同様です。

Default dc97b68ac5e45fe6e796100df0104bd212cb6cb56de14e1772ab29062c337ef0

のみすけです。 とある御縁により、いいシナリオ保管場所を見つけられたと感謝しきり。 シナリオコンテストとか以外は、ほぼシナリオフック的なメモを保管します。 しばらくは過去のシナリオのサルベージをのんびり。 非公開のものは新作です。どこかのコンベンションで開示するまでは非公開になります。ご容赦を。 連絡先は一時的な提示です。

discord アカウント: のみすけ#5024

Post Comment

ログインするとコメントできます。