2019年08月29日更新

【モノトーンミュージアム】正義なき秩序

  • 難易度:★★|
  • 人数:4人~5人|
  • プレイ時間:5~6時間(ボイスセッション)

"法と秩序の国"という歪んだ正義が蔓延る国で、本当の正義を求める物語。
PC①がシナリオ中に紡ぎ手に覚醒するので、主人公ロールがしたい方にオススメのシナリオ。
推奨人数:4~5人 想定時間:4~6時間(※オフセの場合)

◆ 今回予告 ◆

御標によって平和が保たれた"法と秩序の国"。

"聖都"と"商いの国"の間に位置するこの国は、
御標によって定められた法により秩序が保たれている。

法を尊守する国民は、平和で幸福な日々を過ごしていた。

偽りの秩序から目を背けてーー。

モノトーンミュージアム
『正義なき秩序』
           ーーこれは、正義を見定める物語。

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◆◆◆モノトーンミュージアムTRPG演目「正義なき秩序」◆◆◆


◆ プリプレイ ◆

■演目データ

 プレイヤー:4~5人
 演者レベル:3
 プレイ時間:4~6時間(※オフセにおける想定時間)

※本演目は、GMが『モノトーンミュージアムRPG(以降MMと記載)』及び『モノトーンミュージアム リプレイ&データブック インカルツァンド(以降IZと記載)』を所持している必要がある。

■本演目について

 本演目は、法と言う形で御標が下りた国で、本当の正しさとは何かを求める物語である。
 御標の扱いが独特なため、本演目での「御標に背く行為」とはどんなものかはGMに一任している。予め『MM』及び『IZ』の御標に関する解説を読み込んでおくことを推奨する。
 また本演目の舞台となる"法と秩序の国"では、紡ぎ手は異形と同一視される。進行の妨げにならないよう、GMはその事実をPLに伝えておくことを推奨する。


◆ 今回予告 ◆

御標によって平和が保たれた"法と秩序の国"。

"聖都"と"商いの国"の間に位置するこの国は、
御標によって定められた法により秩序が保たれている。

法を尊守する国民は、平和で幸福な日々を過ごしていた。

偽りの秩序から目を背けてーー。

モノトーンミュージアム
『正義なき秩序』
           ーーこれは、正義を見定める物語。


■演目背景
 御標によって法が定められた"法と秩序の国"。国内にはほつれが広がっており、異形が潜んでいる事が分かる。国を守護する存在である聖騎士隊。その一員であるPC①は、異形に襲われそうなところを、この国では違法な存在である紡ぎ手に助けられる。
 一方他のPC達は、それぞれの思惑を胸にこの国に訪れる。国内で知り合ったマリーという女性に誘われ、夕食を共にするPC達を異形が襲う。
 その結果マリーは、自分の意志とは関係なく法を破ったことになり、理不尽にも処刑を言い渡されてしまう。
 このような偽りの法を作っているのは、聖騎士隊隊長のジャック・ダルクである。彼はこの国の秩序を保つことに執着し伽藍となった。無意識のうちに様々な法を作り、国民を縛っている。
 彼を倒したらこの演目は終幕となる。

■舞台設定:"法と秩序の国(ほうとちつじょのくに)"
"聖都"と"商いの国"の間に位置する国。
【秩序の書】と呼ばれる本に様々な御標が下り、それらが国の法となって秩序を保っている事から、この国の名前がついた。
 少し前から国内にほつれが現れ始め、国民に不安が立ち込めている。

【NPC】
■ジャック・ダルク
 戦人/異形
 聖教会所属の騎士。20代・男性。
"法と秩序の国"の聖教会にある組織"聖騎士隊"の隊長を担っている。
 国民の事を"大切な守るべきもの"と考えており、不幸な事故や自殺、病などで亡くなる人々を見て、自分の力不足を嘆いている。そうしたことが積もり積もって、法や秩序、正義などに固執するようになった。

■マリー・ダンジュー
 旅人/商人
 雑貨店を営む女店主。30代・女性。
"法と秩序の国"にあるシャルル雑貨店を営む女主人。数か月前に、元雑貨店の店主であり夫であるシャルル・ダンジューを亡くしている。
 夫を亡くした彼女は、シャルル雑貨店の経営を女手一つで切り盛りしている。
 現在はPC⑤と定期的な取引を行っている。

■カトリーナ・ダンジュー
 童子/商人
"法と秩序の国"に住む少女。10代・女性。
"法と秩序の国"にあるシャルル雑貨店を営む女主人マリー・ダンジューの娘。PC①とは仲が良い。どのような中かはPC①の設定に合わせる。

■イザベル・ロメ
 裁縫師/術者/賢者
"裁縫師組合"所属で"法と秩序の国"担当の裁縫師。20代・女性。
"裁縫師組合"に所属している裁縫師。紡ぎ手に対して否定的である"法と秩序の国"に、ひっそりと仕立て屋を構えて活動している。

■シャルル・ダンジュー
 旅人/商人
 雑貨店を営んでいた店主。すでに亡くなっている。故40代・男性。
 とても優しく気が回り、しっかり者だけど偶に抜けている。そんな誰からも愛される男だった。周りの人から、マリーとはお似合いの夫婦だと言われていた。
 馬車の積み荷を降ろす際に無理をした結果後ろに転んでしまい、そこに運悪く馬車が走ってきて轢かれてしまい命を落とす。

■フェーヴェ
 戦人
 聖教会所属の騎士。30代・男性。
"法と秩序の国"の聖教会にある組織"聖騎士隊"に所属している年老いた騎士。


◆ ハンドアウト ◆
 各PCには以下の設定がつく。セッション開始時にPLとよく相談すること。
 PLが4人の場合は、PC⑤を除くこと。

PC①:"法と秩序の国"の"聖騎士隊"の新米騎士。紡ぎ手未覚醒。パートナーのカトリーナ・ダンジューと仲が良い。
PC②:"裁縫師組合"の一員。どこかの国に留まっていない。パートナーのイザベル・ロメとは初対面。
PC③:犯罪者連合"赤銅の鈴"の一員。
PC④:左の地の南の方を旅していた旅人。
PC⑤:"商いの国"で店を経営している商人。パートナーの経営する"シャルル雑貨店"とは定期取引をしており仲が良い。

PC①以外の各PC:"法と秩序の国"に訪れたことが無い。もしくはここ最近は訪れたことが無い。


演目「正義なき秩序」【PC①用ハンドアウト】
■パートナー:カトリーナ・ダンジュー 推奨感情:庇護
■PC間パートナー:PC②
■クイックスタート:守護の騎士(MMp41)

 君は"法と秩序の国"にある聖教会の組織"聖騎士隊"に所属したばかりの新米騎士だ。この国の秩序と平和を守るため、そして早く一人前の騎士になるために、日々の任務を熱心にこなしている。
 
 ある日の夜に、先輩騎士と深夜の巡回任務をしていると、二人は異形に襲われてしまう。そんな二人を救ったのはーー。

ーー法で"処刑すること"を定められた紡ぎ手の少女だった。

補足:"法と秩序の国"の"聖騎士隊"に入隊したばかりの新米騎士。
 紡ぎ手に覚醒していないPC。シナリオ中に覚醒タイミングがある。
 覚醒するまでは"歪みの引き受け"と"逸脱能力の使用"、"縫製判定"ができないので注意。
 現在"法と秩序の国"で聖騎士をやっているだけで、出身がこの国でなくてもいい。但し、パートナーのカトリーナ・ダンジューとはある程度仲が良い。


演目「正義なき秩序」【PC②用ハンドアウト】
■パートナー:イザベル・ロメ 推奨感情:友愛
■PC間パートナー:PC④
■クイックスタート:針の魔女(MMp37)

 君は裁縫師組合に所属する紡ぎ手だ。組織からの指令で様々な国に赴き、ほつれを繕う日々を過ごしている。
 そんな君の元に、"裁縫師組合"の組合長である"夜の女王"アリア・B・コロラトゥーラ(MMp211)から指令が届く。

 指令の内容は、"法と秩序の国"で秘密裏に活動している"イザベル・ロメ"という裁縫師の手助けだった。
 曰く、彼女が担当する"法と秩序の国"は現在ほつれが急激に増えているらしい。

"夜の女王"から指令を受けた君は、件の国へ向かうのだった。

補足:裁縫師組合所属の紡ぎ手。
 パートナーである"イザベル・ロメ"とは面識が無い。
 オープニングフェイズで"夜の女王"から、女性であることと仕立て屋を営んでいる事だけ教えてもらえる。


演目「正義なき秩序」【PC③用ハンドアウト】
■パートナー:ジャック・ダルク 推奨感情:欺瞞
■PC間パートナー:PC①
■クイックスタート:宵闇の怪盗(MMp49)

 君は犯罪者連合"赤銅の鈴"に所属する犯罪者だ。
 いつも通りの日々を過ごす君に一つの御標が下る。

『偽りの法による偽りの秩序。
 それらを焼くは鳴らない鈴。
 正しき法と正しき秩序で、
 ならない鈴は正義を成す。
           ーーめでたしめでたし。』

 犯罪者である自分が正義を成すとは滑稽だと、そう感じ興味を持った君は御標の示す国に向かった。

補足:犯罪者連合"赤銅の鈴"の一員。
"赤銅の鈴"のボスであるプラトー(MMp215)と直接話ができる程度には地位がある。


演目「正義なき秩序」【PC④用ハンドアウト】
■パートナー:PC① 推奨感情:有為
■PC間パートナー:PC⑤
■クイックスタート:名もなき旅人(MMp35)

 君は気の向くままに左の地を旅する旅人だ。
 今日はどこへ行こうかと考えている君の元に一つの御標が下る。

『旅人は北へと向かった。ひたすら北へと。
 一つの国に辿り着いた。国の秩序を守る素敵な騎士様がいる国に。
 旅人は騎士様に助言をした。正しい助言を。
 正しき助言は騎士様を導いた。正しき方へと。
                   ーーめでたしめでたし。』

 君は折角なので、この御標に従ってみることにした。
 そうして向かった先には、厳格な佇まいをした"法と秩序の国"があった。

補足:左の地を自由に旅する旅人。
 ハンドアウトにある通り、シナリオ開始時点では左の地の南側にいる、もしくはいた事になる。


演目「正義なき秩序」【PC⑤用ハンドアウト】
■パートナー:マリー・ダンジュー 推奨感情:信頼
■PC間パートナー:PC③
■クイックスタート:御標の守護者(MMp39)

 君は"商いの国"に居を構える信心深い商人だ。神の御標に従い、日々慎ましやかに生きている。

"法と秩序の国"で"シャルル雑貨店"という店を経営している女主人マリー・ダンジューとは、定期的な取引をしている。

 今日もいつも通り取引をし、いつも通り在庫整理をして一日を終えようとしたとき、取引したはずの商品が何故か倉庫に置いてあった。

 取引先に失礼があってはならないと考えた君は、店主である君自身が商品を直接持って行き謝罪することにした。

 補足:"商いの国"で店を営む店主。
 ハンドアウトで「"商いの国"に居を構える」とあるが、シャルル雑貨店と定期的な取引をしてある程度仲が良ければ、定住していなくてもよい。重要なのは「定期取引」と「シャルル雑貨店と仲が良い」事である。


オープニングフェイズ


■シーン1 崩壊の先触れ シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 PC①のオープニング。"法と秩序の国"で深夜の巡回任務を、年老いた先輩騎士と一緒に行っているシーン。
 PC①やフェーヴェを助けたり、国内のほつれを繕っている紡ぎ手が、正義の味方のような存在である事を強調できるとよいだろう。

▼描写1
 法と秩序の番人であり、皆が憧れる存在。"聖騎士隊"。先日、そこに入隊したばかりの君は、先輩騎士と深夜の巡回任務に就いていた。
 すこし前からほつれが現れ始めているこの国内では、町中にもちらほらと虚無へと通じる穴が見て取れる。
 今にも、この国はほつれに呑まれてしまうんじゃないかーーそんな不安を抱えたまま、君は任務を続けている。

□セリフ:フェーヴェ
「なんだ新米、不安そうな顔をしておるな。」
「安心せい。ベテラン騎士であるこのフェーヴェが共におるのだ!大船に乗ったつもりでおればいい!」
「と言っても、この国で何か問題が起こることはそうそう無いんじゃがな。」

(国内の情勢)「最近、国内でほつれが見て取れるようになった。現に今も、そこかしこにほつれがある。」
「これは、国内に異形が潜んでいる証拠に他ならん!我々は、一刻も早く異形を捕らえ、国内の秩序を保たねばならんのだ!」

▼描写2
 話しに夢中になっているフェーヴェの背後に、小さなほつれが開いた。そのほつれから、影のように黒い、獣のような異形が這い出てきた。
 異形は獣のようなその手を肥大化させ、まだ存在に気付いていないフェーヴェを後ろから鷲掴み、その手に力を加えた。

□セリフ:フェーヴェ
(異形に掴まれる)「な、なんじゃ!一体何が起こって (力を加えられる) ぐ、あああああ!」
「くっ!まさか異形が現れるとは!」
「新米!早く逃げろ!わしに構わず早く!他の騎士を呼んでくるのじゃ!こいつはわしが抑え (さらに力が加わる) うぐっ! (気絶する)」

(立ち尽くす以外の行動をする場合、異形に壁にたたきつけられる)
 君がなすすべなく動けずにいると、建物の陰から一人の女性が飛び出てきた。
 その女性が、手に持った待ち針の様なものを空中で躍らせると、異形は瞬く間に赤い不思議な糸に縛られていく。
 女性が止めとばかりに待ち針を地面に刺すと、異形は赤い糸に絞め切られて霧散した。

 女性は君を一瞥すると、周囲のほつれを縫い付けてその場を去っていった。
(話しかけても無視される。追おうとすると傷が痛んで動けない)

◆結末
 フェーヴェは気を失っているだけで、大きな怪我は無いようだ。
 遠くの方から他の騎士が駆けつけて来るのを目にして、君は気を失った。
 PC①が気を失ったところでシーンは終了となる。


■シーン2 些細な失敗 シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
 PC⑤のオープニング。
 シーンの前半は商いの国の昼での出来事。後半はその日の夜の出来事となる。マリー・ダンジューがPC⑤にとって良い取引先であることを演出すると良い。取引の内容などはPC⑤の設定に合わせて演出するといいだろう。

▼描写1
 左の地最大の流通都市"商いの国"。多種多様な取引がなされているこの国では、今日も多くの人や品が行き交っている。

 マリー・ダンジューは、君が複数抱える取引先の一人だ。
 元々は彼女の夫であるシャルル・ダンジューという男と取引をしていたのだが、最近彼が亡くなったらしく、現在は妻であった彼女がお店を切り盛りしている。商品の買い付けなどの取引も彼女一人で行っている。

□セリフ:マリー・ダンジュー
「(馬車の荷物をチェックして)はい、商品の確認が済みました。これで問題ありません。」
「すみません、時間がかかってしまって。この仕事にも慣れてきたと思っていましたが、まだまだですね。」

「(亡くなった旦那について聞かれた)彼のことは・・・すみません。もう何か月も前の事なのですが。まだ心の整理がついてないみたいで。」
「また今度、お酒の席などで一緒になった時にでも、聞いてください。その時にはきっと、心の整理ができていると思いますから。」

「あの、ありがとうございます。取引をしてくれて。」
「彼が、シャルルが亡くなってから、うちとの取引をしてくれなくなった方も多くいらっしゃいました。」
「そんな中PC⑤さんは、変わらずに取引をしてくれて、感謝してもしきれません。本当に、ありがとうございます!」
「どうか今後も、シャルル雑貨店をよろしくお願いします。」
「ではすみませんが、そろそろ失礼いたしますね。残っている仕事を娘一人に任せて来てしまいましたので。(お辞儀をして立ち去る)」

▼描写2
 その日の夜、君がいつものように商品のチェックをしていると、あるはずのないものがそこにはあった。
 昼間の取引で、マリー・ダンジューの馬車に積んだはずの荷物だ。代わりに、別の取引先に納品予定の品が無いことにも気付いた。
 どうやら彼女の馬車に、間違えて別の品を積んでしまったらしい。その事実に、君も彼女も気付かなかったようだ。

◆結末
 PC⑤が商品を交換しに、"法と秩序の国"へ向かうことを決めたらシーンは終了となる。

※別の取引先に納品予定の荷物は、納品までまだ期間があり、君の手元には彼女に渡す筈だったものしか無い。


■シーン3 導きの御標 シーンプレイヤー:PC④
◆解説
 PC④のオープニング。
 旅をしているPC④に御標が下り、"法と秩序の国"へ向かうきっかけを作る。
 PC④がどこで何をしているのか明確に設定されてない場合は、左の地の南側にある小さな村に一泊している事にする。
 紡ぎ手であるPC④が、御標以外の何かで"法と秩序の国"へ向かうように仕向けられると良い。

▼描写
 左の地は美しい。そして面白い。君がこの地を旅する理由には、きっとこれらも含まれているだろう。
 君は現在、名も無き小さな村に宿泊している。もちろん、長期滞在しているわけじゃない。日が暮れ始めた頃に見かけたこの村で、一泊させてもらっているに過ぎない。
 旅の住人である君は、次の日の朝にはまた別の地へと旅立っているだろう。
 君が夜、まだ寝静まらない村を散策していると、茂みがからガサガサと音がする。
 飛び出してきたのは、一匹の鹿だった。その鹿は、君の方を見つめ口を開いた。

『旅人は北へと向かった。ひたすら北へと。
 一つの国に辿り着いた。国の秩序を守る素敵な騎士様がいる国に。
 旅人は騎士様に助言をした。正しい助言を。
 正しき助言は騎士様を導いた。正しき方へと。
                   ーーめでたしめでたし。』

 その鹿から放たれた言葉は、鹿が君に話しているのではなく、神が君に囁いた様に感じ取れた。つまりこれはーー御標だ。

□近くにいた村の子供たちが、「鹿が喋った!」「今のって御標?」「御標だよ!」「鹿が御標喋った!」などと騒いでいる。
 御標はあくまで君に下ったものであり、子供たちには鹿が喋っているようにしか感じなかった。
 同じように近くにいた老人がPC④に話しかける。

□セリフ:老人
「旅のお方。もしや今のは御標では?いや、何も言わずとも分かります。あの鹿はきっと、神の遣わした御使い。そして今の御言葉こそ神の御標。」
「恐らく先ほどの御標にあった"北にある国"とは、"法と秩序の国"の事でしょう。ここから北へ向かったところにある大きな門がある国ですじゃ。」
「今日はもう遅いですからな。この村でゆっくりと休んで、明日の朝向かわれると良いでしょう。」
「("法と秩序の国"について聞いた)ワシも行ったことがありませぬので、詳しいことは知らんのですが。・・・ああ!そう言えば、あの国には御標の記された法律書があるとか。確か、【秩序の書】と呼ばれていたはずですじゃ。」

▼結末
 PC④が"法と秩序の国"へ向かうことを決めたらシーンは終了となる。

※もしもPC④がどこで何をしているのかを明確に設定している場合は、
「御標をPC④に下す」
「"法と秩序の国"の場所を教える」
「"法と秩序の国"へ向かうように促す」
 以上の三点を満たせるように、PC④の設定に合わせて演出すると良い。


■シーン4 裁縫師の仕事 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
 PC②のオープニング。
 裁縫師組合の組合長である"夜の女王"から指示を受け、"法と秩序の国"へと向かうシーン。
"夜の女王"からの指示を受け、PC②が国へ向かう。というだけのシーンなので、短くなってしまう可能性がある。PC②のキャラ設定を交えた演出をして、淡泊なシーンにならないようにすると良い。

▼描写
 ほつれが現れ、異形を倒し、ほつれを繕う。裁縫師の仕事とは、ひとえにこれの繰り返しである。
 命をかけて異形という化物と戦い、世界に空いたほつれという穴を繕い、世界が崩壊しないよう縫い止める世界の守護者。

 そんな彼らに対する世界の対応は様々だ。
 敬う者、協力する者、恐れる者。そして、蔑み、化物と呼ぶ者。

 今回君が"夜の女王"から受けた指示は、まさしく紡ぎ手を断罪する者達のいる国だった。

□セリフ:"夜の女王"アリア・B・コロラトゥーラ(MMp211)
「というわけで、今回あなたには"法と秩序の国"に向かってもらうわ。」
「あら?話を聞いていなかったのかしら?しょうがないわね、もう一度説明するから、ちゃんと聞いてなさいよ?」

「組合の紡ぎ手であるイザベル・ロメという子が、"図書の国"の近くにある"法と秩序の国"で仕事をしているのだけれど、彼女からの報告で、最近その国にほつれが急増しているらしいの。彼女一人の手じゃ足りないほどに。」
「あの国は紡ぎ手を異形と同一視している国だから、あまり大きく動けないみたいでね。国内に現れたほつれを繕うのも一苦労なのよ。」

「そこで、今手が空いてるあなたに、彼女の手助けをしてほしいってわけ!」
「今度はちゃんと聞いてたかしら?」

「さっきも言ったけれど、"法と秩序の国"では紡ぎ手は異形と同一視されている。正体がばれないように細心の注意を払って事に当たってちょうだい。」
「(イザベル・ロメについて聞いた)彼女?実は、私も直接の面識は無いの。彼女は、私が組合長になる前から居た裁縫師だから。」
「ただ、彼女は紡ぎ手であることを隠すために、"法と秩序の国"では仕立て屋を営んでいるわ。仕立て屋を探せば、彼女に会えるでしょう。」

◆結末
 PC②が"法と秩序の国"へ向かうことを決めたらシーンは終了となる。


■シーン5 神様の皮肉 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
 PC③のオープニング。
 酒場で飲んでいるPC③に御標が下り、"法と秩序の国"へ向かうきっかけを作るシーン。
 PC③が御標に従わなかったり、"法と秩序の国"に行くのを渋った場合は、彼の上司であるプラトーに命令させるといいだろう。

▼描写1
 左の地最大の流通都市である"商いの国"の中でも、特に危険な地区である夜の区の一つ。第21地区"夜露の街"の酒場に君は居る。
 表立って取り扱えないような酒や料理、嗜好品などを提供しているこの酒場では、今夜も怒号や下卑た笑い声が飛び交う。
 仲間と共に酒を飲んでいる君の元に、バーテンダーから「当店からのサービスです。」と一杯のワインが差し出された。

(ワインを手に取った)差し出されたワインのコースターには、よく見ると文字が書いてある。そこにはこう書かれていた。

『偽りの法による偽りの秩序。
 それらを焼くは鳴らない鈴。
 正しき法と正しき秩序で、
 ならない鈴は正義を成す。
           ーーめでたしめでたし。』

□一緒に呑んでいた仲間から御標の内容を茶化される。
「(皮肉めいた笑みを浮かべて)犯罪者の俺らが正義とはね」
「秩序を焼き払うのは得意だけどな(声を上げて笑う)」など。
 その後仲間から、「それ、プラトーさんに報告しねぇとな」と言われプラトーの元へ行くことを促される。

※もしPC③が行くのを渋ったり断った場合、プラトーに消されるかもしれないという脅しをかけるといいだろう。

▼描写2
 酒場を出た君は、プラトーのいる第24地区"常闇の街"へ向かった。道中、明らかに違法な其達や薬を取り扱う商人、珍しい其達や人間の人身売買などを目にする。
 もちろんこれらの光景は、ここいらの地区では日常茶飯事だ。まともな商人や店を見つける方が難しい。そして君が今から会いに行くプラトーは、そうした日陰者たちの元締めだ。

"常闇の街"の最奥に位置するプラトーの部屋の前に着くと、君が扉に手をかける前に声をかけられた。

□セリフ:プラトー(MMp215)
「ノックは無くていい。遠慮せず入って来いPC③。」
「(部屋に入る)よく来たな!ちょうど美味い酒が入ったんだ。お前も一緒にどうだ?」

「それで?俺に話があってきたんだろ?わざわざ時間を割いたんだ。多少は俺に得のある話なんだろうな?」

「(御標について話した)なるほど。偽りの法に偽りの秩序ね。」
「そいつは多分、この国から"聖都"までの間にある"法と秩序の国"の事だな。【秩序の書】って法律書と"聖騎士"っつー妙な組織のある国だ。」
「あの国の法は、全部御標で決められている。そのせいで俺達の組織も、あの国には手出しできねーんだ。」
「しかし、お前に下りた御標が確かなら、その国の法はお前が焼き払ってくれるって事だ。」
「(楽しそうな笑みを浮かべて)いいねぇ!神様は俺達日陰者にも、幸せな物語ってやつをくれるみてぇだな!」
「PC③!お前"法と秩序の国"行って、ちょっくら御標達成してこい。」
「んでもって全部済んだら、俺に報告しろ。いいな?」

◆結末
 PC③が"法と秩序の国"へ向かったらシーンは終了となる。


ミドルフェイズ


シーン6 旅の道連れ シーンプレイヤー:PC④
◆解説
 PC②も冒頭で登場する。PC②とPC④の合流シーン。
 PC②がシーン4で、"法と秩序の国"よりも北に居た場合は、「道に迷った」「其達に悪戯された」などの理由でPC④の道程にいることにすること。

▼描写
 御標に従い、または君の興味により、君が"法と秩序の国"へ向かっていると、突然雨が降ってきた。かなり強い雨で視界が遮られる。
 急な豪雨により悪くなる視界の中、君は辛うじて雨宿りができそうな大きな樹を見つける事ができた。その樹の下には、一人分の人影があった。

そこに居た先客は(PC②の風体)な恰好をした人物だ。
(ここでPC②はシーンに登場する。)

 旅をしている君には分かる。この雨はすぐには止まないだろう事を。

◆結末
 PC②とPC④が合流し、共に"法と秩序の国"へ向かうことを決めたらシーンは終了となる。


シーン7 馬車に揺られて シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
 PC③も登場。PC⑤とPC③の合流シーン。
 聖職者や聖教会に対して嫌なイメージを与えるように演出すると良い。

▼描写
"商いの国"からはいろんな国や地域行きの馬車が出ている。君がこれから向かう"法と秩序の国"へは"聖都"行きの馬車に乗る必要がある。馬車には君を含め6人ほど乗っており、殆どが聖職者の様な恰好をしている。

 君の前に座る人物だけ風貌が違った。(PC③の風体)な恰好をした人物は、どうやら聖職者ではなさそうだ。
(ここでPC③はシーンに登場する。)
(PC③がもしも聖職者だった場合は、「一人だけ雰囲気が違った」とする)

 御者が出発の合図をすると、馬車が軋む音を上げながら動き出した。暫く進んだ頃、君の隣の男が話しかけてきた。

□セリフ:聖職者風の男
「あなた方も、"聖都"に向かわれるのですかな?いやぁ、楽しみですなぁ!」
「あそこは聖職者にとっては、一度は訪れるべき場所。私も生まれ故郷で聖書を読んで以来、彼の地へ訪れることを夢に見ていました。」

「("法と秩序の国"へ向かう事を言う)え?"聖都"ではなく、途中にある"あの国"にですか?いやぁ、それは・・・。(苦笑いを浮かべて)」
「これから向かう方に言うのは失礼かと思いますが、今あの国に向かうのはよした方が良いですよ?今"あの国"には、ほつれが広がっているらしいですからね。」
「異形がいるかもしれない国に向かうなど、死にに行くようなもの。そんな国へ向かうよりも、私たちと一緒に"聖都"へ巡礼しませんか?その方が有益ですよ!」

「まぁ、あなた方が"あの国"へどうしても向かうと言うのなら、無理には止めません。どんな道を進もうとそれは人の自由というもの。」
「・・・そう言えば、近々"法と秩序の国"に御神槌衆が派遣されるという噂もありますね。」

◆結末
 男との会話が終わったら、御者が"法と秩序の国"に着いた事を告げてシーンは終了となる。


シーン8 "法と秩序の国" シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 他の全PCも登場。全PCの合流シーン。
 PCが何か調べたがったら、「シーン11は情報収集シーンになる」という事を伝えて少し待ってもらおう。

▼描写1
 時刻は昼前、君は先輩騎士であるフェーヴェと共に国門前まで来ている。今日の任務は国門の警備だ。
 ほつれが広がりつつあるこの国は、商人や旅人に避けられており、訪問者は殆どいない。

□セリフ:フェーヴェ
「今日の任務は国門の警備じゃ。不法入国しようとする者や、入国審査官を襲うような輩を捕縛するんじゃ。」
「まぁ最近のこの国はほつれが広がっておる。訪れる者などそう多くは無かろう。」

▼描写2
 フェーヴェの言葉に反して、4人の訪問者が入国審査室に入っていく様が見てとれる。
 二人は"商いの国"からの馬車に乗ってきたようで、二人は歩いてこの国に来たようだ。
(PC②~⑤はここでシーンに登場する。)

□入国審査官から「この国は御標によって法が定められてる」「法に従わないと異形化する」など諸々の注意を受け、入国手続きの書類を記入させられる。

□セリフ:フェーヴェ
「(PC①以外に向けて)ようこそ!"法と秩序の国"へ。ワシはこの国の"聖騎士隊"に所属するフェーヴェという者じゃ。」
「そしてこっちが新米騎士のPC①じゃ。ワシら聖騎士は、この国の秩序を守っておる。」

「貴殿らはこの国は初めてかの?であれば、案内が必要じゃろう。」
「PC①よ、この国を案内してやりなさい。先程も言った通り、今日はもう訪問者は殆どおらんじゃろう。居てもワシ一人で何とかできる。」
「この国の見所といったら、この大通りに面している"露天街"と突き当たりにある"記念広場"。その先にある"大教会"とその左手にある"図書館"じゃな。そこら辺を案内してやりなさい。」

◆結末
 PC①に他のPCが付いて行くことを決めたらシーンは終了なる。

※PC②が別行動を希望する場合は、PC②はシーン11まで登場しない。他のPCは何か理由を付けてPC①に同行させる。


シーン9 シャルル雑貨店 シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
 全員登場。マリー・ダンジューとカトリーナ・ダンジューの登場シーン。
 マリー・ダンジューが経営している商店の名前は"シャルル雑貨店"という。PC達に「心優しい幸せな親子」という印象を与えるよう意識して演出すること。
 もしもシーン8でPC②が同行していない場合は、PC②のみ登場しない。

▼描写
"法と秩序の国"にある"露店街"とは、国門から続く大通り沿いにズラリと並んでいる、様々な露店や商店の事を指す。
 様々な品が売られている露店や商店を眺めていると、PC⑤は一つの店に目が留まる。そこには見覚えのある人物が立っていた。君がこの国に来た目的であるマリー・ダンジューだ。

□セリフ:マリー・ダンジュー
「あら?PC⑤さん?どうしてこの国に・・・。」
「(PC⑤から事情を聞く)え?先日お取引した荷物に違う商品が?」
「確認してまいりますので、少々お待ちいただいてよろしいですか?(店の奥に消える)」

(店の奥から品を持って戻ってきて)「確かに、荷物の中に違う物が混じっていました。こちらはお返しさせていただきますね。」

「PC⑤さん、もしまだ宿が決まっていないようでしたら、今夜は我が家に泊まっていきませんか?」
「せっかくご足労頂いたのですから、それなりのお礼をさせて頂きたいのです。それに今回の件は、確認をキチンとしなかった私の不手際でもありますので。」
「もしよろしければ、他の方もご一緒にいかがですか?」

「そうと決まれば、さっそく部屋のご用意をしてきますね!少々お待ちください。」

□マリー・ダンジューが店の奥に入っていくと、少し後に小さな女の子が出てくる。マリー・ダンジューの娘であるカトリーナ・ダンジューだ。

□セリフ:カトリーナ・ダンジュー
「ママから話は聞きました。皆さんが今夜泊まっていく旅の方ですね。」
「この国の法で20歳未満は国の外に出られないから、私国の外の話にスッゴク興味があるんです!」
「今夜は是非旅の話を聞かせてください!(目を輝かせて)」

「(PC①を見て)あれ?PC①じゃん。あんたも泊まってくの?」
「まぁウチのママの料理は絶品だからね!あんたもうちに泊まることを許可してあげる。感謝しなさいよね!(笑顔で)」

□カトリーナから、「まだ準備に時間がかかるから適当に時間を潰して欲しい」といった内容を伝えられる。

◆結末
 PCが"シャルル雑貨店"を離れたらシーンを終了する。


シーン10 聖騎士隊隊長 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 全員登場。ジャック・ダルクの登場シーン。
 聖騎士隊の隊長であるジャックが、大教会前の記念広場で各隊に指示をしているところから始まる。PC達には、ジャックの厳しさと誠実さが強く印象付けられると良い。
 もしもシーン8でPC②が同行していない場合は、PC②のみ登場しない。

▼描写
 大通りを抜けた先には大教会と記念広場がある。記念広場の中央には誰かの像が建ててあり、その像と大教会との間の空間には、何人もの騎士が整列していた。大教会の扉の前には一人の男が立っており、騎士たちに指示を飛ばしているようだ。最近聖騎士になったばかりのPC①でも知っている。彼こそ聖騎士隊の隊長ジャック・ダルクだ。

□ジャックが騎士たちに向かって、「3番隊は西の居住区を担当。4番隊は・・・」などの指示を飛ばした後、騎士たちが動き出してからこちらに気付き近づいてくる。

□セリフ:ジャック・ダルク
「そこに居るのは新米騎士のPC①卿か。なぜこんなところにいる?今日は国門警備の担当だったはずだが・・・。」
「それと一緒にいる者達は何者だ?見ない顔だが・・・。説明したまえPC①卿。」

「(PC①の説明を受ける)なるほどフェーヴェ卿が。まったく、彼には困ったものだ(呆れ顔で)。国民の規範である聖騎士が、そう適当では困るというのに。彼には相応の処罰を与えねばな。」
「ともかく事情は理解した。お客人に失礼の無いよう、引き続き任務を遂行したまえ。」

「(他のPCに向き直り)見苦しいところを見せていしまい申し訳無い。改めて名乗らせていただく。」
「私はこの国の聖騎士隊の隊長を務めている。ジャック・ダルクという者だ。何か国内で困ったことがあれば、すぐに聖騎士を呼んでくれ。我々が迅速に対応しよう。」
「それと、お客人に一つ忠告しておく。この国の法は全て御標で定められたものだ。例え国外から来たものだろうと、法に従わねば異形と成り果てる。」
「そうなった場合は、例え他国の国王だろうと我々は容赦なく処刑する。法を破らぬよう気を付けてくれたまえ。」
「・・・法に従い、異形は火あぶりに処する必要がある。」
「そうならない為にも、一度はこの国の法律書である【秩序の書】に目を通しておくといい。」

「少し物言いが厳しくなってしまいすまない。だが私は聖騎士隊の隊長。この国の正義を執行する者。私は、厳しくあらねばならないのだ。」
「ではすまないが、私はここで失礼する。色々と忙しい身でね。」

◆結末
 ジャック・ダルクがその場を立ち去ったらシーンを終了する。


シーン11 国の現状 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
 全員登場。情報収集シーンその1。
 情報収集は2回あり、このシーンでは主に国についての情報が知れる。
 シーンの終了条件を満たせなかった場合は、シーンを一つ追加しもう一度情報収集をする。この追加シーンは最後の戦闘に影響が出るので、シーンを追加した数は記録しておくこと。また「■この国の仕立て屋について」の情報項目はPC②しか挑戦できないので、それらの事実を予めPLに伝えておくこと。

▼描写
 大教会の左手にあるこの国の図書館には、様々な本が保管されていた。
 歴史書や技術書、絵本や小説などがある。そして図書館の中央には、【秩序の書】が専用の台座に置かれていた。

 こうして一通り国内を見て回った君たちは、日が落ちるにはまだ時間があるように感じた。


情報項目

■【秩序の書】について 【社会】難易度:8、12
8□"法と秩序の国"に下りた様々な御標が書かれている本。
 国の図書館や教会に複製本が置いてあり、誰でも閲覧できるようになっている。国民の中には、個人的に複製本を持っている者もいるようだ。

12□【秩序の書】の原本は、現在は聖騎士隊隊長のジャック・ダルクが携帯している。ほつれが広がりつつあるこの国の現状では、最も信頼できる人物が持ち歩くのが一番安全であるとの考えからだ。

→この情報項目の判定に成功した場合(8でも12でもいい)、新たな情報項目"法としての御標について"が出現する。


※この情報項目はPC②のみ挑戦できる。
※どちらの判定で成功したかによって描写を変える。
■この国の仕立て屋について 【社会】【縫製】難易度:10
【社会】□街行く人にこの国の仕立て屋について聞いても、殆どが「この国に仕立て屋なんてあったかなぁ?」という答えばかりだ。それでも根気よく聞き込みを続けると、知る人ぞ知る"秘密の仕立て屋"の場所を教えてもらえた。

【縫製】□街で聞き込みをしても満足のいく答えが得られなかった君は、裁縫師の力で「この国の理がずれている場所」を探した。
 紡ぎ手の存在が許されないこの国で、裁縫師として活動するならば隠れ家が必要だ。なるべく人の目に触れ無いようにするために、裁縫師の力で存在を隠した隠れ家が。
 君の考えは的中した。大通りから続く路地を行った先に、人の認識から外れるように理を弄った場所がある。

※この情報項目の判定に成功した場合は、シーン12に進めるようになる。


■シャルル雑貨店について 【社会】難易度:8
□"法と秩序の国"にある雑貨店。生活に必要な様々なものを取り扱っている。
 元々はシャルル・ダンジューという男性が経営する店だったが、数ヵ月前に不幸な事故に遭い命を落とす。その後は妻であったマリー・ダンジューという女性がお店を経営している。

※この情報項目の判定に成功したPCは、購入判定をする際に一度だけ、達成値を+4する。


■ジャック・ダルクについて 【社会】難易度:8
□"法と秩序の国"の聖騎士隊隊長を務める男性。
 国の秩序の維持に命を懸けるほど、この国を大事に思っている。
 誠実かつ厳格な性格をしており、法を守らない者は勿論、法を破りそうな者にも厳しくする。
 騎士としての実力は確かなもので、国民や他の騎士に恐れられてはいるが、尊敬や信頼もされている。実質的なこの国の代表である。
 普段から国内を東奔西走しており、一所(ひとところ)に留まらない。


■新たな情報項目:法としての御標について 【知覚】【縫製】難易度:10
□この国に下りる御標は、原本の【秩序の書】に文字の形で現れる。
 それらは全て「~。新たな法によって秩序は保たれました。--めでたしめでたし。」という文の形を取っている。
 この国に住む者は、例え御標を目にしていなくてもこの御標に縛られ、故に国民は【秩序の書】が更新されるたびに目を通す様にしている。

 そしてよく読んでみると、新しい方のページにある御標には、先ほどの文の形を取っていないモノもあるようだ。

●設定補足※【秩序の書】に書かれている法の一部をここに記載する。もしPCにどんな法があるか聞かれたら、ここに書かれているモノを教えてもよい。またGMはここに書かれていない法を自由に設定してもよい。

『12歳以上は働かなければならない。新たな法によって秩序は保たれました。ーーめでたしめでたし。』
『人のものを盗んではならない。新たな法によって秩序は保たれました。ーーめでたしめでたし。』
『人を悪意を持って傷つけてはならない。新たな法によって秩序は保たれました。ーーめでたしめでたし。』
『深夜に聖騎士以外は外出してはならない。』
『20歳未満は国外に出てはならない。』
『異形は火によって罰せよ。』
『紡ぎ手は火によって罰せよ。』
『悪意が無くとも人を殺めてはならない。』


◆結末
「■この国の仕立て屋について」の情報項目の判定が成功していた場合は、全員の判定終了後にシーンを終了する。
※もしも成功していなかった場合は、このシーンを追加してもう一度情報収集を行う。その際シーンを追加した数をGMは記録しておくこと。


シーン12 秘密の仕立て屋 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
 NPCであるイザベル・ロメの登場シーン。他のPCは登場不可能。
 このシーンと次のシーンは同じ時間帯のシーンとなる。

▼描写
 大通りから伸びる路地に少し入ると、賑やかな喧騒はなりを潜め静かな住宅街が続いていた。開けた場所が少ないため、路地には日が当たらず薄暗い。お店の様なものはほとんどなく、有るのはさびれたからくり工房や酒場位だ。そうした路地を進んでいくと、お店の様な建物が見えてくる。
 看板は出ておらず、開閉店を知らせるプレートも無い。ただ住宅よりもお店に近い見た目の建物だった。

□PC2がノックをすると、とても小さい声で「・・・どうぞ。」とだけ聞こえてくる。
(声の主は、聞こえた声の感じから小さな女の子であることが分かる。)

□セリフ:イザベル・ロメ
「い、いらっしゃいませ。ここは、その、一応仕立て屋、です。(自信無さげに)」
「本日は、その、どのようなご用件で?」
(裁縫師について話される)「あ!じゃ、じゃああなたが、その、"夜の女王"の言ってた、裁縫師、ですか?」
「よ、よかった!もう、私ひとりじゃ、抑え、きれなくて。あなたが、その、力を貸して、くれたら、多分、この国も、なんとかなる、と思います。」

「今、この国は、ほつれが広がりつつ、あります。多分、異形が、居るから、だと思うんです。でも、その、歪められた御標が、分からなくて・・・。」
「ほつれは、歪められた御標が、紡がれると発生する。そして、歪められた御標は、異形が、自分の望みの為に、紡ぐもの。」
「でも、それらしい御標は、まだ確認、できてなくて。だから、異形の特定が、難しいんです。」
「だから、あなたには、この国の異形を、探して欲しいんです!」
「お願いです。力を貸して!・・・下さい。(自信無さげに)」

◆結末
 PC②が力を貸すことを決めたらシーンは終了となる。
※もしPC②がシーン9に登場していない場合は、シャルル雑貨店には泊まれないので、イザベル・ロメの家に泊まることになる。
 そうなった場合PC②は、シーン14には登場できず、シーン15からの登場となる。


シーン13 聖騎士の使命 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 ジャック・ダルクがPC①に任務を与えるシーン。他のPCは登場不可能。
 このシーンでは歪められた御標が下るが、それによって発生する歪み表のROCは次のシーンで処理する。

▼描写1
「この国に来たお客人を案内する」という使命を全うした君は、聖騎士隊隊長であるジャック・ダルクに呼び出されていた。
 皆と分かれて、君は一人でジャックの元へと向かう。

□セリフ:ジャック・ダルク
「来たか。PC①卿よ。他のものは、ついて来てはいないな?」
「まずは、彼らの案内ご苦労だった。フェーヴェ卿の勝手な指示とは言え、一度就いた任務は最後までやり遂げなければならん。」
「さて、任務を終えてすぐで申し訳ないが、君には新たに任務を与える。」
「今日この国に来た者たちを監視しろ。」
「国の外から来た者たちは、我が国の法に明るくない。いつ法を犯し異形となるか分からん。」

(難色を示された)「これは隊長命令だ!私は、この国の秩序を保たねばならん!その為には、少しでも不安の種を摘んでおく必要があるのだ!」

(了承された)「君ならそう言ってくれると思っていた。任務に対するその思い、既に一人前の聖騎士だな。安心したまえ、君以外にも何人か騎士を付ける。それほど大変な任務にはならないだろう。」

▼描写2
 君がジャックと話していると、ジャックの腰に括り付けられた【秩序の書】が震えだした。
 ジャックが留め金を外すと、本は宙に浮き、パラパラとページがめくられていく。そうして一番新しいページが開くと、何も書かれていないその空白に、文字が浮かんできた。

『国の外から来た者は監視せよ。』

 これを目にした君もジャックも瞬時に理解する。これは御標だと。そして、新たな法が生まれたのだと。

□セリフ:ジャック・ダルク
「(本を手にし)おお、おお!見よ!御標だ!新たなる法だ!」
「神は我々を、私を肯定してくれている!」
「やはり私の考えは正しいものだった。私の行いは、正しく秩序を保つものだった!」
「こうしてはいられない。急いで教会にこの法を伝え、国中に布告せねば!(走り出す)」

◆結末
 ジャック・ダルクが去るとシーンは終了となる。


シーン14 最後の晩餐 シーンプレイヤー:PC④
◆解説
 シャルル雑貨店での夕食のシーン。PC③とPC⑤は強制登場。PC①とPC②は任意登場。但しPC②がシーン9に登場していない場合は登場できない。今シナリオ初の戦闘シーンとなる。

▼描写1
 時刻は21時過ぎ。君たちは昼間の約束通り、マリー達と夕食を共にしている。大きなお皿に盛られた山盛りのパスタと、人数分の小皿に分けられた色鮮やかなサラダが君達の食欲をくすぐる。

□カトリーナが旅の話や国の外の話をPCにせがむ。GMはPC達に好きな話をしてもらってもいいし、「楽しい会話を交えつつ食事を楽しみました」と演出してもいい。
 食事を終えると、マリーがとっておきのワインを出してくれる。もちろんカトリーナや未成年のPCにはジュースを出している。

□セリフ:マリー・ダンジュー
「こんなに賑やかな食事は久々です。(笑顔で)」
「(寂しそうな笑顔で)彼が、シャルルが生きていた頃に戻ったみたい。」

「私の夫は・・・何ヵ月も前に事故で亡くなりました。」
「シャルルは、いつもはしっかりしてるのに、偶に抜けてて。」
「あの日も、馬車から積み荷を降ろすときに無理をして。」
「あの人、荷物を持ったまま後ろに転んじゃったんです。・・・タイミングが、悪かったんですよ。」
「彼が転んだところに、ちょうど馬車が走ってきて・・・彼を・・・。」

「すみません。私酔ってるみたいですね。折角の楽しい空気を壊してしまって。」
「そうだ!折角ですから今日はとことん贅沢しましょう!確か、前に取引した商人さんから貰った甘味があるのでそれをーー」

▼描写2
 マリーが席を立ちあがった時、カサカサと紙が擦れる様な音が響き渡った。その音は徐々に大きくなっていき、唐突にビリッと紙が破けるような音がした。その音はマリー・ダンジューの背後からした。そこには黒く、昏い虚無へと通じるほつれが広がっていた。
 マリーが怯えて動けずにいると、ほつれから黒い獣が現れ、マリーを屋外へと吹き飛ばした。
 →歪み表2.0の"歪み出現"をチョイス。"黒き獅子"を登場させる。(IZ、p235)

□カトリーナは足が竦んで動けず、マリーは外で気絶している。
 他のPCはここで登場可。

□PCが歪みを引き受けた
"黒き獅子"(IZp235)が登場する数を抑えられる。"黒き獅子"×3と戦闘。

□歪みを引き受けなかった
"黒き獅子"(IZp235)がほつれから溢れてくる。"黒き獅子"×5と戦闘。

※"黒き獅子"(IZp235)とPC達はエンゲージしている状態で戦闘は開始する。

◆結末
 戦闘を終えたらシーンは終了となる。


シーン15 法の執行者 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
 マリー・ダンジューとイザベル・ロメが捕縛されてしまうシーン。前のシーンでPC①やPC②が登場していない場合は、それぞれ登場タイミングがあるので、シーンの最初は登場しない。
 このシーンではPC①はまだ覚醒していないので、御標に背くと異形化することをPC①に伝える。
 

▼描写1
 君たちが異形を倒しても、ほつれの広がりは一向に収まらない。それどころか、またしても黒い獣が出てこようとしている。獣の出現を食い止めていてはほつれが繕えない。そうして四苦八苦している君達の元に、一人の少女が駆けつけてくれた。

□セリフ:イザベル・ロメ
「み、みなさん!無事、ですか!」
「わ、わたしがほつれを縫い止めますから、皆さんは、そ、その獣を食い止めてください!」
(PC②が前のシーンで登場していない場合はここで登場。)

▼描写2
 イザベルがほつれを繕っていると、外から足音が聞こえてくる。誰かがこの場所へ向かってきているようだ。
 足音は徐々に大きく、多くなっていく。そしてついに足音の正体である、聖騎士隊がこの場所に到着した。そこには国門であった年老いた聖騎士の姿もあり、その先頭には聖騎士隊隊長ジャック・ダルクが立っていた。時刻は既に、22時を越えていた。
(PC①が前のシーンで登場していない場合はここで登場。)

□セリフ:ジャック・ダルク
「騒ぎを聞きつけて来てみれば、これは一体何事だ!」
(家の外で気絶しているマリーを見て)「なんということだ。彼女が、法を犯すなど・・・。」
「私は、聖騎士隊隊長。・・・法を犯したものは誰であれ、処罰せねばならない。法と秩序を、守らねばならない!」
(他の聖騎士に向けて)「彼女を連れていけ!法を犯した彼女は最早異形だ。処刑せねば。」
※マリーの犯した罪とは「深夜に聖騎士以外は外出してはならない」という法を犯した事である。

(イザベルを指さして)「それと貴様!私は見逃さなかったぞ!」
「ほつれを塞ぐ異端の力、それは紡ぎ手の力だ。この国の法に則り、貴様も捕縛する!」

(紡ぎ手だとばれる発言や行動をしたPCを見て)「貴様らも紡ぎ手か。ふん!やはり国外から来た者は信用ならんな。」
「貴様たちも処罰の対象だ。捕縛させてもらう。」

□もしPC①がジャックの行動に抵抗したり、拒絶したりしたらPC①の異形化が始まる。そうなった場合はジャックから「貴様も法に逆らうと言うのか!止む終えまい、貴様も捕縛する。貴様には・・・期待していたのだがな。」と言われ捕まりそうになる。
※ここでのPC①の異形化は法に背いたためである。その法とは「異形は火によって罰せよ。」というもの。「法に背いた者=異形」であり、その異形を捕らえることを拒むということは、上記の法に背いていることになる。

□イザベルとマリーは聖騎士に連れていかれ、PC①以外のPCも聖騎士に囲まれる。すると他の場所から悲鳴が上がり、フェーヴェとPC①と何人かの聖騎士を残して、他の聖騎士はそちらに向かう。

□フェーヴェに言われ、他の聖騎士も別の場所に追い払われる。PCとカトリーナとフェーヴェだけが残る。

◆結末
 PCとカトリーナとフェーヴェ以外のNPCやモブ、エキストラがシーンから去ったら、このシーンは終了となる。


シーン16 老騎士の願い シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 フェーヴェがPC達に国の救済をお願いするシーン。全PC強制登場。
 国を憂うフェーヴェからこの国の救済をお願いされ、カトリーナからは母親であるマリーを助けてほしいとお願いされる。
 PC達がどうすればいいか迷っていたら、この国に潜む伽藍を倒せば、歪められた御標による法も消えるという事実を伝えると良い。

▼描写1
 先ほどの幸せな晩餐から一転して、室内は暗い雰囲気に包まれていた。
 君達やカトリーナを守ろうとしてくれたイザベルは捕まり、意図せず法を犯してしまったマリーは聖騎士に連れていかれ、そして君達は聖騎士であるフェーヴェと今なお対峙している。
 フェーヴェは、他の聖騎士が周りにいないことを確認すると、剣を収めて君たちに頭を下げてきた。

□セリフ:フェーヴェ
(頭を深々と下げて)「先ほどは無礼な真似をしてしまい申し訳無い。」
「おぬしらがマリー夫人を守ろうとしていた事は、一目見れば分かることじゃ。しかし我らが隊長は、その事に目がいかず、法を破ったという事実のみが見えていたんじゃ。」
「無礼を承知で、おぬしらにお願いがある。」
「おぬしらも、紡ぎ手と言う存在なのじゃろう?この国を守ろうとしてくれていた、あの少女と同じ存在なのじゃろう?」
「なればこそお願いじゃ!この国を救ってくれ!」
「この国には異形が潜んでおる。それはほつれがあることからも明らかじゃ。しかし、ここ数カ月探してみても、一向に見つからんのじゃ。」

「頼む!おぬしら紡ぎ手の力を貸してくれ!この国を、救ってくれ!」

▼描写2
 フェーヴェが君たちに頭を下げると、そばにいたカトリーナがPC①を呼んだ。カトリーナの方を見ると、彼女はその顔を涙で濡らしながら、PC①に話しかけてきた。

□セリフ:カトリーナ
「ねぇ、PC①。私たちさっきまで、楽しくご飯を食べてただけなんだよ?なのに、何でこんなことになっちゃったの?」
「神様の御標って、私たちを幸せにしてくれるんだよね?でも、お母さんを連れていかれちゃって、私、全然幸せじゃないよぉ(泣きながら)」
「この国の法って、神様の御標じゃなかったの?」
「ねぇPC①。助けてよ。私のお母さんを、助けて。」

□PC①がカトリーナを助けることを決めると、PC①とフェーヴェの異形化が進む。前のシーンでPC①が異形化していた場合は、PC①の剥離値を2点上昇させること。
※ここでのPC①の異形化も、前のシーンに書かれていた理由と同じである。

◆結末
 PC達がフェーヴェのお願いを叶えることを決めたらシーンは終了となる。

※もしもPC①が法に背かない。つまりジャック側に付く場合はPC①は次のシーンには登場不可。フェーヴェから「おぬしにはおぬしの正義がある。わしはそれを咎めはせん。じゃが、わしの正義の邪魔はさせんぞ!」と言われ押さえこまれる。その間にフェーヴェは他のPCに逃げるように促す。
 クライマックスフェイズで他PCとジャックの対立を見せ、またジャックこそ伽藍であるという事実を突きつけ、彼への反目を促すと良い。


シーン17 混乱した国内で シーンプレイヤー:PC③
◆解説
 2回目の情報収集シーン。全PC強制登場。但し前のシーンでPC①が異形化していなかった場合はPC①のみ登場不可。
 1回目の情報収集シーン同様、シーンの終了条件を満たせなかった場合は、シーンを一つ追加しもう一度情報収集をする。この追加シーンは最後の戦闘に影響が出るので、1回目の情報収集シーンと合わせて、何回追加したか記録しておくこと。

▼描写
 この国のほつれを繕っていたイザベルが捕まってしまった以上、この国のほつれは加速度的に増えて広がっていくだろう。国がほつれに呑まれるのも時間の問題だ。早く元凶となる伽藍を見つけなければ。
 幸い君たちが紡ぎ手だということは、国民にはまだ知れ渡ってはいないようだ。聞き込みを開始しよう。


情報項目

■【秩序の書】について2 【知覚】難易度:10
□【秩序の書】の原本はジャック・ダルクが持っている。そしてその中には、多くの御標が詰まっている。中には正しくない御標も混じっているであろう。
 しかし正しい御標もある以上、【秩序の書】そのものに何かするのは、あまり良い考えではないかもしれない。


■ほつれについて 【社会】【縫製】難易度:8、12
8□この国のほつれは数か月前にポツポツと現れ始めた。緩やかに数を増やしていき、最近では国のいたるところで見受けられるようになった。イザベル・ロメが抑えていたから、緩やかに見えていただけで、実際にはかなりの速度で増えていた。彼女が捕らえられている今、ほつれが国を飲みこむのもそう遅くはならないだろう。

12□一番最初に現れたほつれは、【秩序の書】のすぐ近くだったという。そしてほつれが現れ始めた時期から、【秩序の書】に新しい法がどんどん増えていったらしい。
 また、ほつれが現れ始める少し前の頃は、病や不幸な事故、自殺などで多くの人が亡くなったらしい。
(シャルル・ダンジューもこの頃に亡くなっている)


■異形について 【社会】難易度:8
□この国にほつれが現れ始めた頃、聖騎士隊が国民全員の体を調べ上げ、異形化の兆候がある者がいないか探したらしい。
 その時の聖騎士隊の調べでは、国民の中に異形化の兆候がある者は居なかったという。

→新たな情報項目"聖騎士について"が出現する。


■新たな情報項目:聖騎士について 【社会】難易度:10、12
10□国民の体を調べたとき、聖騎士隊の隊員たちもお互いに体を調べあったらしい。その結果、彼らの中にも異形化の兆候がある者は見られなかったという。但し、あくまでそれは聖騎士隊が主張しているに過ぎず、実際に調査しているところを見た国民はいない。

12□聖騎士が使っている装備を作っている鍛冶職人から、武器や鎧の特性について教えてもらえた。もしも彼らと戦うことがあれば、この情報は有利に働くだろう。
 戦闘で聖騎士と戦う際に、聖騎士の防御修正を0にする。

→新たな情報項目"ジャック・ダルクについて2"が出現する。


■新たな情報項目:ジャック・ダルクについて2 【肉体】【意志】難易度:12、14
12□巡回中の聖騎士を捕まえ、この国を救いたいという強い意志を見せることで、彼から話を聞くことができた。
 国民全員の体を調べたとき、聖騎士隊も確かにお互いの体を調べたそうだ。そしてその時に異形化の兆候がある者は居なかったという。但し、聖騎士隊隊長のジャック・ダルクだけは、誰も調べていないらしい。
 この国で、異形化の兆候について調べていないのは、ジャック・ダルク唯一人である。
※もしもPCがまだ迷う様なら、「鎧を脱いだ時に黒い斑点の様なものが見えた」という情報も与えるといい。

14□ジャック・ダルクが使う技や戦う際の動きについて教えてくれた。この情報は、彼と戦う時に有利に働くだろう。
 ジャック・ダルクとの戦闘の際、彼からの攻撃に対するリアクションの達成値に常に+2。


◆結末
「■ジャック・ダルクについて2」の情報項目の判定が成功していた場合は、全員の判定終了後にシーンを終了する。
※もしも成功していなかった場合は、このシーンを追加してもう一度情報収集を行う。その際シーンを追加した数をGMは記録しておくこと。


クライマックスフェイズ


シーン18 正義の在り処 シーンプレイヤー:PC①
◆解説1
 ジャック・ダルクを倒し、"法と秩序の国"を救うシーン。全PC強制登場。
 記念広場にて、イザベラやマリーの他にも、法を犯してしまった国民や異形化した国民を火あぶりにしようとしている。
 もしもPC①が前のシーンに登場していなかった場合は、「他のPCがジャックが伽藍である事実を突きつける」「ジャックがどこかおかしい様を演出する」などの方法でPC①がジャックに反抗する理由を作ってあげるとよい。

▼描写1
 日が昇り、時刻は既に朝の8時を回っている。
 君たちが記念広場に着くと、多くの聖騎士たちが処刑の準備をしている。この国の処刑方法は、多くの藁を使った火あぶりだ。
 記念広場では、昨夜の騒ぎで捕縛されたイザベル・ロメやマリー・ダンジューの他に、何人もの国民が捕まっていた。その中には部分的に異形化している者や、無罪を訴える人の姿もある。そして、君たちに国の救済をお願いしたフェーヴェの姿も、そこにはあった。
 君たちに気付いたジャック・ダルクが、腰の剣を抜きながら近づいてきた。

□セリフ:ジャック・ダルク
「わざわざ処刑場まで足を運ぶとはな。探す手間が省けた。」
(フェーヴェの方を指さし)「見ろ。貴様ら紡ぎ手が誑かしたせいで、フェーヴェ卿も異形となってしまった。例え聖騎士だろうと、法に従い処刑せねばならない。」
「貴様らのせいで、この国の多くの民は処刑を免れぬ状況となった。貴様らのせいで!多くの国民が命を落とすのだ!」

□(伽藍だと指摘した)「私が伽藍だと?ふざけた話しだ。私がいつ法を犯した?私が、私利私欲の為に聖騎士隊を使ったことがあったか?」
「私はジャック・ダルクという個人を滅し、聖騎士隊隊長として生きている!その私を、己の欲の為だけに動く伽藍だと?失礼にもほどがある!」

□(理不尽な法について)「この国の法は、神が我らにくださった御標だ。この国の法は、神の意志なのだ。それに背く行為は、神の意志に背く大罪である!理不尽だと感じるのならば、それはそう感じる貴様たちの方が間違っているのだ!」

□(マリーについて)「彼女か・・・。彼女の夫が不慮の事故で亡くなった時、彼女が悲しむ姿を見て、私はひどく心が痛んだ。」
「彼女の夫が亡くなったのは誰のせいでも無い。故に彼女は、自分自身を責めた。そんな彼女を見て、私は自分の無力さを恨んだ。」
「私が、我々聖騎士がもっとしっかりしていれば、こんな不幸は起こらなかった。我々が不甲斐無いばかりに、この国の民は不幸により死んでいくのだ。」
「なればこそ!我々聖騎士は厳しくあらねばならぬ。この国の誰よりも、正しくあらねばならぬのだ!」

□(PC①に向けて)「PC①卿よ。貴様も聖騎士の端くれならば、潔く投降しろ。それとも、異形と成り人々を危険にさらすのが、貴様の正義なのか?」
(PC①が紡ぎ手へ覚醒するタイミングであることをPLに伝える。PC①のロールに合わせて覚醒演出をすると良い。)

◆解説2
 クライマックス戦闘。
 戦闘の終了条件は"ジャック・ダルクを倒すこと"又は7ターンの経過である。この際、情報収集のシーンで追加シーンがあった場合は、その追加したシーンの数だけ終了条件のターン数を減らす。
 ジャックダルクを倒した場合は結末1へ。
 ターン経過による戦闘の終了の場合は結末2へ。

▼描写2
「最早貴様たちと交わす言葉は無い。」
 剣を構え、ジャック・ダルクが言い放つ。自らの正義を信じ疑わない彼にはカリスマがあり、故に彼の魅力に惹かれた幾人かの聖騎士たちは、剣を構えて君たちに対峙する。
「聖騎士隊隊長ジャック・ダルク。正義の名の下に、貴様らを断罪する!」
 ジャックの言葉に呼応するかのように、聖騎士たちが斬りかかってきた!

□セリフ:ジャック・ダルク
(PC①に向けて)「まさか聖騎士隊から、紡ぎ手が現れるとはな。貴様は除隊だPC①卿。・・・いや、PC①!」
(HP100以下で)「正義は我々にある!この国を脅かす貴様たちは悪だ!悪は正義の名の下に断罪されなければならない!」
(HP50以下で)「ハァ、ハァ。私は、聖騎士隊隊長だ。私が倒れたら、誰がこの国の秩序を守れる。誰がこの国の法を守れる。私が、私が守らねば!」

◆結末1
(倒された)「何故だ。正義は、私にある。神は、私を・・・。」
【秩序の書】を握りしめながら、偽りの騎士は力尽きた。シーンは終了となる。
※もしPCが【秩序の書】を燃やしたり、ほつれに投げ込んだりした場合、多くの正しき御標が書かれた本が失われ、世界に歪が生じる。"世界歪曲表"を振ること。

◆結末2
 遅かった。時間が足りなかった。ほつれは、"法と秩序の国"を埋め尽くしてしまい、後には何も残らなかった。シーンは終了となる。


エンディングフェイズ


 以下はエンディングプロットとなる。これまでの展開に応じて、自由にシーンを演出すると良いだろう。

※ジャックが倒れたことにより、【秩序の書】に書かれていた歪められた御標も消えてなくなる。
 広場で捕まっていた人たちも、ジャックに不満や猜疑心を持っていた聖騎士たちによって解放される。異形化していた人々も元に戻っている。
 もちろんフェーヴェやイザベル、マリーも解放されている。
 国内に広がっていたほつれは全て閉じており、この国にはもう異形がいないことを表している。

■PC⑤:マリーを無事救出し、当初の目的だった商品の交換も済んだ君は、"商いの国"に戻ることもできるし、暫く"法と秩序の国"に滞在することもできる。少なくともマリー・ダンジューからは何かお礼をされるだろう。

■PC④:旅人である君は、今回も面白く貴重な体験ができた。さて、次はどこへ向かおうか。

■PC③:ジャックを打倒し、偽りの法を焼き払った君は、プラトーに報告するために"商いの国"へ戻ってもいい。どう報告するかは君の自由だ。もしくはそのままこの"法と秩序の国"で、自分なりの仕事を見つけるのもいいだろう。

■PC②:"夜の女王"からの任務も無事達成し、一時の平穏が訪れた。イザベル・ロメからはお礼をされるだろうし、"夜の女王"からも労われるだろう。この後君は、新しい任務で別の地に向かってもいいし、暫く療養しても構わない。

■PC①:聖騎士隊は現在混乱している。隊長であるジャック・ダルクが諸悪の根源だったのだから、もしかしたら聖騎士隊の解体もあり得る話だ。兎も角君は、フェーヴェとカトリーナお礼をされるだろう。紡ぎ手となった君は、今後どう生きていくのだろうか。

それぞれのエンディングを演出して演目は終了となる。


◆ アフタープレイ ◆

 演目の目的を達成した項目については、以下のように判断すること。

・ジャック・ダルクを止めた:5点
・"法と秩序の国"を救った:5点


◆ エネミーデータ ◆

■ジャック・ダルク
◆逸脱能力
 □□《虚構現出》(MMp125)  使用された逸脱能力を打ち消す。
 □□《完全否定》(MMp125)  実ダメージを0にし、不利な効果を受けない。自身のみ。
 □□《歪んだ幸運》(MMp127) 判定のダイスロールを3D6に変更。自身のみ。
 □□《瞬速行動》(MMp126)  即座にメインプロセスを行う。1ラウンド1回。自身のみ。
 □《希望の声》(MMp126)  判定のダイスロールを3D6に変更。自身以外。
 □《凍りつきし時》(IZp144) 好きな対象を石に変える。剥離値+1で打ち消し可能。
 □《星降る空》(IZp144)  5D6の実ダメージを与える。場面(選択)・視界。

基本はGMが状況に合わせて使用すると良い。
ただし、《凍りつきし時》(IZp144)と《星降る空》(IZp144)はなるべく戦闘の終盤で使用することを推奨する。

◆パーソナルデータ
命:10 回:6 術:10 抵:5
行:11 HP:180 剥:13

攻:〈斬〉22 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬7 / 刺6 / 殴5

◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
MPの消費が無くなる。
《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
自身のダメージロールに+2D6

【オート】
《御標の託宣》(MMp238)
好きな御標を下せる。
《集団統率》(MMp237) 1
セットアップに使用する。モブに即座にメインプロセスを行わせる。モブは[行動済み]になる。
《虚ろなる魂》(MMp236) 1
バッドステータスを受けた時にそれを回復する。重圧には使用不可。HP-3。
《きらめきの壁》(IZp114) 1
敵の命中判定直後に使用。対象を自身一人に変更。

【セットアップ】
《集団指揮》(IZp231) 3
対:範囲(選択) 射:至近
そのラウンドの間、対象の全判定の達成値に+3。

【マイナー】
《攻撃増幅》(IZp230) 1
自身のダメージロールに+3D6。

【メジャー】
《突撃》(IZp115) 1
判定値10。戦闘移動をした後に攻撃する。狼狽を得る。
《乱打》(MMp75) 3
判定値13。範囲(選択)攻撃をする。1ラウンド3回まで使用可能。

【リアクション】
《肉を切らせて》(MMp74) 3
判定値13。物理攻撃のリアクションで使用。敵の攻撃が自動命中し、こちらも攻撃する。

【特殊】
《偽りの法》1(オリジナル特技)
オートアクション。対:場面(選択) 射:視界
HPがそれぞれ150・100・50を下回った時に即座に使用する。
「IZp268」にある「バッドステータス一覧表」の上から1~6と番号を振り1D6を振る。対応した目のバッドステータスを与える。邪毒が出た場合はLV5として扱う。

◆行動指標
【セットアップ】隊長の号令
《集団指揮》(IZp231) 3 +《集団統率》(MMp237) 1
タイミング:セットアップ
対象:範囲(選択) 射程:至近
解説:ラウンド中、ジャック含むすべてのエネミーの、あらゆる判定の達成値に+3し、聖騎士隊(モブ)x4が即座にメインプロセスを行う。

【攻撃(遠)】騎士の歩法
《攻撃増幅》(IZp230) 1 +《突撃》(IZp115) 1 +《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
タイミング:マイナー+メジャー+常時
判定値:10(13) 難易度:対決
対象:単体 射程:16m
攻撃力:〈斬〉22+6D6
解説:戦闘移動をした後に切りつける物理攻撃。セットアップで《集団指揮》(IZp231)を使用していたら判定値は()のものを使用。

【攻撃(近)】騎士の一振り
《攻撃増幅》(IZp230) 1 +《乱打》(MMp75) 3 +《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
タイミング:マイナー+メジャー+常時
判定値:13(16) 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:至近
攻撃力:〈斬〉22+6D6
解説:複数の敵を一振りで薙ぎ払う物理攻撃。1ラウンドに3回までできる。セットアップで《集団指揮》(IZp231)を使用していたら判定値は()のものを使用。

【リアクション】隊長の勤め
《きらめきの壁》(IZp114) 1 +《肉を切らせて》(MMp74) 3 +《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
タイミング:オート+リアクション+常時
判定値:13(16) 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
攻撃力:〈斬〉22+3D6
解説:仲間をかばい、自身のみを顧みずする物理攻撃。攻撃の対象を自身のみに変更し、攻撃を受ける代わりに自身も攻撃する。もしも攻撃の対象が自身一人だった場合は、《きらめきの壁》(IZp114) 1は使用しなくてもよい。セットアップで《集団指揮》(IZp231)を使用していたら判定値は()のものを使用。

【特殊行動】《偽りの法》(オリジナル)
タイミング:オートアクション
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:場面(選択) 射程:視界
解説:HPがそれぞれ150・100・50を下回った時に即座に使用する。
「IZp268」にある「バッドステータス一覧表」の上から1~6と番号を振り1D6を振る。対応した目のバッドステータスを対象に与える。邪毒が出た場合はLV5として扱う。


■聖騎士隊(モブ)
命:8 回:5 術:4 抵:5
行:10 HP:20

攻:〈刺〉10/物理
対:単体 射:至近
防:斬4 / 刺4 / 殴4
特技:《勇猛なる血》(MMp72) 1《紅の一族》(MMp73) 1《踏み込み》(MMp75) 1
解説:命中判定のクリティカル値10。達成値+2。


■初期配置
 PC全員でひとつのエンゲージを構成する。
 そこから5m離れた位置にジャック・ダルクと聖騎士隊(モブ)x4で一つのエンゲージを構成し配置する。

■戦闘プラン

●セットアップ
ジャックに【隊長の号令】を使用させ、モブを早々に行動済みにしておく。

●ジャック
PC達と離れていたら【騎士の歩法】を、PC達とエンゲージしていたら【騎士の一振り】を使用する。
HPがそれぞれ150・100・50以下になったらセリフを挟んだのち、《偽りの法》を使用する。
攻撃をされたら【隊長の勤め】を使用し、モブを守りつつPCに攻撃しよう。

●聖騎士隊(モブ)
主にジャックの【隊長の号令】で行動することになる。
エンゲージすることを最優先に行動し、エンゲージ後は通常の物理攻撃をする。聖騎士隊(モブ)は4体いるので、もしエンゲージから離れるPCがいた場合は、1体そのPCを追わせると良いだろう。

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TRPG同人サークル「野菜農園」に所属しています。主に「モノトーン・ミュージアムRPG」のシナリオを作成してます。Pixivにも投稿しています。 Twitter → @bJHbwZR2YDFrnL7

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