2021年02月14日更新

【モノトーンミュージアム】ショコラ風味の逸脱

  • 難易度:★★|
  • 人数:2人~3人|
  • プレイ時間:4~5時間(ボイスセッション)

2/14のバレンタインデーをモチーフにした演目。【美食の国】にある【甘味の街】で巻き起こる悲しみの物語。本演目は少人数向けの演目となる。もしもGMが『フィオリトゥーラ(以降FT)』を所持しているならば、p76を一読しておくことを推奨する。勿論持っていなくても何の問題も無い。 ■演目データ  プレイヤー:2~3人  演者レベル:3  プレイ時間:約4~6時間(※オンセにおける想定時間) ※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』を所持している必要がある。

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●最初に
 本シナリオを遊ぶGM(ゲームマスター)は、本文及びデータの内容を、複製したものに限り、改竄、削除及び加筆を行ってもよいものとします。
また本シナリオを遊んだことにより生じたあらゆる問題について、当方では一切の責任を負いかねます。予めご了承いただける方のみ、ご利用ください。
【要約:遊ぶ時に、話の流れやPCの設定で、シナリオの内容やデータ(エネミーデータ含む)が変わっても問題ありません。他のシナリオをプレイする時、このシナリオの設定を持ち込むのであれば必ずGMに相談しましょう。】

プリプレイ
◆◆◆モノトーンミュージアムRPG演目「ショコラ風味の逸脱」◆◆◆

■演目データ
 プレイヤー:2~3人
 演者レベル:3
 プレイ時間:約4~6時間(※オンセにおける想定時間)

※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』を所持している必要がある。

■本演目について
 2/14のバレンタインデーをモチーフにした演目。【美食の国】にある【甘味の街】で巻き起こる悲しみの物語。
 本演目はシーン数が少ない演目となっている。GMはPL達が積極的にシーンを追加するのを推奨すると良いだろう。
 また本演目は少人数向けの演目となる。もしもGMが『フィオリトゥーラ(以降FT)』を所持しているならば、p76を一読しておくことを推奨する。勿論持っていなくても何の問題も無い。


◆ 今回予告 ◆

 2月14日。それは、甘い予感のする日。
 あたりに漂うショコラの香りが、人々の想いの証。

 恋する者は、恋した相手に。
 愛する者は、愛した相手に。
 
 恩師や友人、時には家族に。
 自分の想いをショコラに変えて。

 けれど誰もが、甘い思いをするとは限らない。
 あたりに漂うショコラの香りに、少し混じるは苦い逸脱。

モノトーンミュージアム
「ショコラ風味の逸脱」
          ーーーかくして、物語は紡がれる。


◆ ハンドアウト ◆
 各PCには以下の設定がつく。GMはセッション開始時にPLとよく相談すること。PLが3人以下になる場合は、PC番号の若い順に使用すると良い。

PC①:甘味の街に住む菓子職人
PC②:甘味の街に滞在する裁縫師
PC③:甘味の街に訪れた旅人


演目「ショコラ風味の逸脱」【PC①用ハンドアウト】
■パートナー:キャドバリー 推奨感情:友情
■PC間パートナー:PC②
■クイックスタート:微笑する執事(IZp84)

 君は【美食の国】にある【甘味の街】に住む菓子職人だ。自分の店を持っているのか、大きなお店で働いているのかは自由に決めてよい。
 君には二人の友人がいる。「キャドバリー」と「コンラッド」の二人だ。三人は日々切磋琢磨しながら菓子職人としての腕を磨いている。

 2月の14日にはこの街で想い人にショコラを贈る祭り【ドゥニー・ジュ・ショコラ】が開催される。友人二人は例年通りこの街の町長の娘「マリア・モンテマス」にショコラを贈るようだ。
 祭りの開催を楽しみにしていたが、まさか今年はあんなことになるとは、だれも予想していなかった...。


演目「ショコラ風味の逸脱」【PC②用ハンドアウト】
■パートナー:マリア・モンテマス 推奨感情:信頼
■PC間パートナー:PC③
■クイックスタート:針の魔女(MMp36)

 君は【美食の国】にある【甘味の街】に滞在している裁縫師だ。何故滞在しているのかは自由に決めてよい。

 この街では多くの菓子が売られており、そのどれもが至高の逸品だ。遠くの国からわざわざ買い付けに来る金持ちがいるくらいには、どの甘味も非常い美味なものだ。理由はどうあれ、滞在していて退屈することは無いだろう。

 しかし、そんな甘いこの街にほつれが現れていた。とても小さなものだが、ほつれである以上君は見逃すことは出来ない。近々祭りが開催されるのだから、不安の種は摘んでおくに限る。

 ※この街に住むには、この街で菓子職人になるか、この街の公職につかなければならない。もしもPCの設定にそう言ったものが無い場合は、宿屋に滞在していることになるので注意すること。


演目「ショコラ風味の逸脱」【PC③用ハンドアウト】
■パートナー:悲しい男 推奨感情:脅威
■PC間パートナー:PC①
■クイックスタート:名もなき旅人(MMp34)

 君は左の地を旅する旅人だ。旅の理由は自由に決めてよい。

 君は旅の中でこんな噂を耳にする。
 「中部地方には、あらゆる食を集めた美食の国がある。その国にある甘味の街では、近々変わった祭りが開催されるらしい。」
 旅人である君にとっては、祭りというのはその国を知ることが出来るものだった。更にはそれが変わったものだというのならその興味は尽きないだろう。

 君がその国へ向かってみようかと思案していると、突然空から声が降ってきた。それは誰が聞いても明白なほどに御標だった。

 『甘い街には苦き歪み。歪み払いし旅の者。その手に得るは甘き想い。ーーーめでたしめでたし。』

 どうやら国へ向かう理由が出来たようだ。


◆ 舞台設定:【美食の国・甘味の街】 ◆
 統治形態:王政
 所在地:中部(商いの国・帰路の国付近)
 中部地方に位置する、左の地のあらゆる食が集う大きな国【美食の国】。巨大なこの国には食に関するいくつもの街が広がっている。【甘味の街】もそんな街々の一つだ。
 【甘味の街】では毎年の2月の14日に必ず決まった御標が下る。その内容は、

 『想い馳せる者は、想いを寄せる者にショコラを贈りなさい。ーーーめでたしめでたし。』

 というものだ。この御標の最初に受け取った住人たちは、自分の好きな人に手作りのショコラを贈り想いを告げた。すると、ほとんどの者達が両思いだったことが判明し、こうして街にカップルが溢れかえった。
 ごく少数の想いが届かなかった者たちも、新たな出会いがあったり、想いを断ち切ることで新たな道が開けたりと、誰もが幸せになれたのだった。
 それ以来、この国では2月の14日にショコラを想い人に送ることが習慣となり、【ドゥニー・ジュ・ショコラ】という名のお祭りとして定着していった。

 【甘味の街】は、左の地のあらゆる甘味を取りそろえた街だ。西は常闇森に住む其達の不思議な樹液から、東は柔らか橋に住む渡り達に伝わる水あめまで、千差万別の菓子が集まっている。
 街には菓子職人とそれを売る販売員、街の役人などしか住むことが出来ず、住人たちはほぼ毎日菓子作りに追われている。「この街に住む職人は一流の証だ」と他の国では言われており、他国から移民の要請が相次いでいる。


■NPC

■マリア・モンテマス
 貴人
「どうか皆様に、素敵なショコラが届きますように。」
 甘味の街の町長の娘。18歳。女性。
 甘味の街を治める町長「ヴァン・モンテマス」の一人娘。容姿端麗で性格も良く、毎年この日は多くの人々からショコラを贈られる。
 現在彼女は特定の人に思いを寄せてはおらず、受け取りはするものの交際は断っているそうだ。

■ヴァン・モンテマス
 貴人/賢者
「皆、思い人にショコラを贈るのだ!これは神の御標である。」
 甘味の街を治める町長。42歳。男性。
 美食の国・甘味の街地区を治める壮年の男性。性格はとても穏やかで、毎年この日には最愛の妻とショコラを贈りあっている。
 彼らが街の中央広場にてショコラを贈りあう事で、町の人たちもそれに倣う様にショコラを贈り始める。この日のお祭りはこうして始まるのだ。

■キャドバリー
 職工
「僕なんかでも、彼女の為なら美味しいショコラを作れる気がするんだ。」
 貧乏な菓子職人。18歳。男性。
 甘味の街に軒を構える小さな貧乏菓子屋【ショコラティエ】を経営する菓子職人。味や評判は悪くないのだが、何故か業績はあまり芳しくない。
 いつもPC①とコンラッドと一緒に居るが、自分に自信が無い為、常に二人に対して劣等感を抱いている。かなり卑屈。
 マリアに好意を寄せており、毎年彼女にショコラを贈っている。

■コンラッド
 職工/貴人
「ボクが作った最高級品質のショコラなら、彼女もきっとイチコロさ!」
 金持ちな菓子職人。18歳。男性。
 甘味の街に軒を構える大きな高級菓子屋【ROYSE(ロイス)】で働く菓子職人。遠くの国からわざわざ買いに来る人がいるほどに人気なお店。
 いつもPC①とコンラッドと一緒に居るが、高慢でキザな性格なので、二人に対していつも自慢をしてくる。・・・が、悪い人間ではないので、ふとした時に優しさを見せてくれることもある。
 マリアに好意を寄せており、毎年彼女にショコラを贈っている。

■悲しき男
 異形
「おのれ・・・リア充どもめ!持たざる者の悲しみ、今こそ分からせてくれようぞ!」
 全身が漆黒に染まった異形。?歳。男性。
 2月の14日に誰からもショコラを贈られなかった者が、悲しみと嫉妬のあまり異形化したもの。元々が誰で何者だったのか、最早知るすべは無い。


◆ 演目背景 ◆
 あらゆる食が集う国【美食の国】。巨大なこの国には食に関するいくつもの街が広がっている。今回の舞台はその中の一つである【甘味の街】での出来事だ。
 毎年2月の14日に御標に従って行われるお祭り【ドゥニー・ジュ・ショコラ】で、事件は起こる。
 いつもなにかと一緒に居るPC①とキャドバリー、コンラッドの三人は、いつも通り祭りの為にショコラ作りをする。しかし、今年は御標が下る際にいつもと同じ御標と一緒に別の御標が下る。その内容は、ショコラを贈ったり受け取ったりすると異形化するというものだ。
 御標に従いショコラを贈らなければ異形化するし、贈ったり受け取ったりしても異形化する。
 この御標を下しているのは、毎年ショコラを貰えずに悲しい思いをしていた甘味の街に住む男だ。男は周りの人たちがショコラを貰って嬉しそうに、幸せそうにしている様を見て嫉妬し、悲しみに包まれた。そんな思いが彼を異形に貶めてしまった。「俺が貰えないのは御標が悪い。周りの連中が悪い。この街が悪い。ショコラが悪い!」そうして彼は全てを憎むようになり、歪んだ御標を下した。異形化がかなり進行してしまっているため、彼個人が何者だったのかは虚無に呑まれて失われてしまった。演目中に彼が何者だったのかを知るすべは無い。
 PC達が歪んだ御標を下している男を探し出し、事件を解決することで演目は終幕となる。


オープニングフェイズ


■シーン1 甘い予感 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
 PC③のオープニング。旅の途中でハンドアウトにある御標が下るシーン。

▼描写1
 左の地には様々な噂が飛び交う。どこどこで異形がでたとか、だれだれが不死者になったとか、その噂は千差万別だ。君が耳にしたのはそんな中の一つだった。

□セリフ:酒場の客
 「そういやあんた、聞いたことあるかい?この近くに【美食の国】っつう左の地のあらゆる食を集めた国があるのを。」
 「その国にゃ色んな街があるらしいんだがよ、そん中の【甘味の街】ってところで、一風変わった祭りが近々開催されるらしいぜ。」
 「まぁ俺も詳しくは知らねぇんだけどな。聞いたところによると、他じゃ見ないような祭りらしいぜ。」

□PC③が甘味の街に向かうか迷うか、迷わずに向かおうとするなら描写2へ。

▼描写2
 唐突に、声が空から降ってきた。その声は聞くもの誰しもが明白に理解できた。御標だ。

 『甘い街には苦き歪み。歪み払いし旅の者。その手に得るは甘き想い。ーーーめでたしめでたし。』

◆結末
 PC③が甘味の街へ向かったらシーン終了。


■シーン2 菓子職人の日常 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 PC①のオープニング。キャドバリーとコンラッドとの日常のシーン。

▼描写1
 【甘味の街】。そこは、様々な菓子職人たちが暮らす街。日々己の腕を磨きながら、自身の作った菓子を売って生計を立てている人たちが、その街には住んでいる。
 PC①は友人であるキャドバリーと共に、同じく友人であるコンラッドの新作を試食しに、彼の働く高級菓子店【ROYSE(ロイス)】へと来ていた。

□セリフ:コンラッド
 「やぁ!よく来てくれたね二人とも!」
 「君達のような貧乏職人には、一生かけても口にできないような超高級なボクの新作スイーツを、光栄にも試食させてあげるんだ!」
 「君たちがボクの友人だから特別に食べさせてあげるんだ。感謝にむせび泣きながら口にすると良いよ!」

□セリフ:キャドバリー
 「うん。ありがとうコンラッド。確かに、僕の様な貧乏職人には、一生お目にかかれないような高級食材ばかりが使われてるみたいだね。」
 「ほんと、僕なんかじゃ、一生こんなおいしいスイーツは作れないよ。僕は、僕ってやつは、本当にどうしようもないよね。なんかごめんね?生きてて。」

□ある程度会話をしたら、もうすぐ「2月の14日にショコラを想い人に送るお祭り【ドゥニー・ジュ・ショコラ】」が開催される話をする。

□話の内容は、「今年もコンラッドとキャドバリーがマリアにショコラを贈る」というもの。

◆結末
 三人の菓子職人は、祭りに向けて準備を始めるのだった。シーンを終了する。


■シーン3 苦いほつれ シーンプレイヤー:PC②
◆解説
 PC②のオープニング。シーン終盤に小さなほつれをだし、事件開始の予兆を告げるシーン。

▼描写1
 甘味の街はいい街だ。住人たちは日々己の腕を磨き、よりおいしい菓子を作ることに余念がなく。街中にはとても美味しそうな甘い香りがいつも漂っている。甘いものが好きな者にとっては、まさに天国のような場所だろう。
 君は現在、友人でもあり町長の娘でもあるマリアに会っていた。

□セリフ:マリア・モンテマス
 「ごきげんよう!PC②様。」
 「もうすぐ待ちに待った【ドゥニー・ジュ・ショコラ】ですわね。毎年多くの方からショコラを贈られて、私とても嬉しく存じますわ!」
 「私もお父様とお母さまにショコラを贈ろうと考えてますの。今年も目一杯愛情を込めてお作りしますわ!」
 「もちろんPC②様の分も用意しますわ。お楽しみにしていて下さいましね!」

▼描写2
 君がマリアのもとを後にすると、妙な感覚に襲われた。裁縫師である君は、ほつれを敏感に感じ取る感覚が鍛えられている。君は、自分の感覚に従って進むと、路地の先に小さなほつれを見つけた。

□[縫製判定:難易度11]

□失敗した場合は何もない。

□成功した場合は、この小さなほつれが比較的古いものだと感じる。
※成功した場合は後の情報収集の際にメリットがあるので、GMは忘れないようにしておくこと。

◆結末
 祭りが近づくこの街に、君は歪みの脅威を感じ取った。シーンを終了する。


ミドルフェイズ


■シーン4 貧乏菓子店 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 PC達の合流シーン。PC②・③は強制登場だが、登場タイミングは任意。

▼描写1
 いよいよ祭りが明日に迫ったこの日、PC①とコンラッドはキャドバリーの店【ショコラティエ】に訪れていた。
 店内は相変わらず人が居らず、閑散としていた。

□キャドバリーの店に来た理由は、彼にお祭りで贈る用のショコラの試食を頼まれたから。

□セリフ:キャドバリー
 「二人ともおはよう!ありがとう。わざわざ僕なんかの為に足を運んでくれて。来てくれて本当にうれしいよ。」
 「早速で申し訳ないんだけれど、二人にはこれの試食をお願いしたいんだ。・・・明日、マリア様にお渡しする予定のショコラだよ。」

□セリフ:コンラッド
 「ふん!まぁ、悪くないんじゃないか?もっともボクのショコラには到底及ばないだろうがな!」
 「君にしては頑張ったほうだと思うよ。これならマリア様にお出ししても、ギリギリ失礼には当たらないだろね。」

□キャドバリーの作ったショコラはかなり美味しい。コンラッドも内心は焦っている。

□PC③が登場したらコンラッドが反応する。

□セリフ:コンラッド
 「おや?見かけない顔ですが、もしや旅のお方かな?」
 「これはこれは。ようこそ【甘味の街】へ!私はコンラッド。高級菓子店【ROYSE(ロイス)】で働く菓子職人です。どうぞお見知りおきを。」
 「そっちにいるいかにも貧乏くさい彼らは、私の友人のキャドバリーとPC①です。どちらも腕は悪くない菓子職人です。」

 「しかし旅のお方、あなたは運がいい。明日はこの街一番のお祭りの日ですからね。どうでしょう?よろしければ、明日のお祭りは我々と行動を共にしませんか?お祭りについてご説明しますよ。」

□コンラッドがこんなにも旅人に親切なのは、旅人とのパイプをつなぐためである。国外の人と強いパイプを持っていれば、国内で手に入りづらい珍しい食材を安く仕入れられるかもしれないからだ。

◆結末
 PC達の合流がある程度出来たらシーン終了。


■シーン5 開催、そして シーンプレイヤー:PC③
◆解説
 ミドル戦闘のシーン。お祭りの開催と事件の開始を合図するシーンとなる。PCは全員登場。

▼描写1
 いよいよお祭り当日。街の中央広場には特設会場が設置されており、その舞台上では町長のヴァン・モンテマスとその妻、そして娘のマリアが立っている。
 舞台の周りには多くの人だかりが出来ており、近くの建物の窓からも顔を出す人が多い。いよいよ【ドゥニー・ジュ・ショコラ】が開催されようとしていた。

□セリフ:ヴァン・モンテマス
 「おはよう!皆の者。町長のヴァン・モンテマスだ。」
 「今日という日を皆と共に無事に迎えられた事、とても嬉しく思う。」
 「この日に向けて、皆思い思いのショコラを携えているだろう。自分の全てをつぎ込んだ、究極の一品を用意している事だろう。・・・喜べ皆の者。お前たちの努力は、この日報われる。」

□ヴァンが話し終えると例の御標が下る。
 『想い馳せる者は、想いを寄せる者にショコラを贈りなさい。ーーーめでたしめでたし。』

□セリフ:ヴァン・モンテマス
 「今ここに!御標は下された!我が妻へのショコラの贈与をもって【ドゥニー・ジュ・ショコラ】の開催を宣言する!」

 「今年もよろしく頼む。妻よ。」

□開催が宣言されると、会場が一気に沸き立ち、舞台上のマリアに向けてショコラを持った男たちが詰め寄る。

▼描写2
 開催が宣言され、いよいよ【ドゥニー・ジュ・ショコラ】が始まった。町長のヴァンとその妻は、舞台上でお互いにショコラを贈りあった。毎年恒例の光景であり、お祭りの開催を合図するものでもある。
 しかし、そのショコラを手にした二人が急に苦しみ始めた。徐々にその体は曇白に色を失っていき、その様は異形化のそれだった。

 そして次の瞬間、御標が新たに下された。

 『ショコラを持つ者、災いあれ。ショコラを受ける者、災いあれ。ショコラを贈る者、災いあれ。ーーーそして甘味の街に、災いあれ。』

 それは、街全体に下された御標で、誰がどうい聞いても、歪んだものだった。

□御標を聞いた人々は、恐怖でその場に立ち尽くし、徐々に色を失い始めている。

□異形化したヴァンとその妻は、近くにいた娘のマリアに襲い掛かろうとしている。その様を見たキャドバリーとコンラッドがマリアの前に立ちふさがるが、二人とも足が震えている。

□PC達がマリアやキャドバリー、コンラッド達を助けたいなら、異形化したヴァンとその妻と戦闘になる。エネミーデータは異形の群れ(IZp237)を使用する。

□エンゲージはPC達で一つのエンゲージを構成し、そこから5mの位置に異形の群れ(IZp237)×2のエンゲージを配置。更にそこから5mの位置にマリア達のエンゲージを配置する。エンゲージは全て直線状に配置する。

□ヴァン達は基本マリア達を攻撃しようとするが、エンゲージしていた場合はその限りではない。マリア達のHPはそれぞれ1とし、0になったら死亡する。ヴァン達を戦闘不能にしても死ぬわけではないので、そのことはPL達に伝えると良いだろう。

◆結末
 戦闘が終了したらシーン終了。


■シーン6 決意する者たち シーンプレイヤー:PC②
◆解説
 戦闘後のシーン。今後の方針を決めるシーンとなる。全員登場。

▼描写1
 何とかヴァン達を抑えることに成功した。今は意識を失っているが、目を覚ましたらまた暴れだすかもしれない。それに、街中で異形化の兆候がある人が大勢いる。このまま放っておけば、曇白の白夜の再来となってしまうかもしれない。原因を突き止めなければ。

□セリフ:マリア・モンテマス
 「PC②様!どうして、このような事に・・・。」
 「お父様も、お母様も、とても幸せそうでしたのに、なんでこのような不幸に遭わねばならないのでしょう。」

 「いいえ、嘆いてばかりではいけませんわね。私は仮にも町長の娘。この事態を治めるべく、尽力しなくては。」
 「どうか、あなた様のお力もおかしいただけませんか?PC②様。」

□セリフ:キャドバリー
 「PC①、どうしよう。大変なことになっちゃったよ!このままじゃこの街は・・・。」

 「PC①、君は、この事態を解決しに行く気なの?・・・やっぱりすごいや君は。僕なんか、何にもできないから。」
 「でも、僕なんかでも、出来る事はきっとあるよね!マリア様の事は、命に代えても守って見せるから、だからこっちの事は心配しないで!PC①。」

□セリフ:コンラッド
 「そそそ、そうだぞPC①!このボ、ボクがいいい、いるんだから!マリア様はかかか、必ず、ボクが、守ってみせるさ!」
 「ああクソ!すごく怖いさ!でも、それでも!ボクだってマリア様の事をお慕いしているんだ!キャドバリーばかりにいいかっこはさせないよ!」

◆結末
 NPCやPC間である程度会話が終わったらシーン終了。


■シーン7 情報収集 シーンプレイヤー:PC③
◆解説1
 情報収集のシーン。他の演目ではあまり見ない特殊な処理をしているので、GMはその処理に気を付けること。全員登場。

▼描写1
 マリアは住人たちを落ち着けるように動き、そのマリアを護る様にキャドバリーたちは動いてくれている。
 あとは君たちが原因を突き止めるだけだ。君達は調査に駆り出した。

◆解説2
 本演目での情報収集は、成功するまで判定することが出来る。但し、同じ情報項目を2回以上判定する度に歪み表を振ることになる。難易度の低いほうの情報だけでも演目は進行するので、PLは最低限の情報で判定を辞めてもよい。


情報項目

※この情報はPC②のオープニングの縫製判定に成功していた場合、難易度がそれぞれ3下がる。

■ほつれについて 【縫製】難易度:10、14

10□どうやらほつれは街の広場に近い場所にある小さなお店に多く発生している様だ。
※新たな情報項目【ほつれの多いお店について】が追加される。

14□この街には大小さまざまなほつれがあり、詳しく調べると小さいものは比較的古く、大きいものほど新しいことが分かる。そして古いものだと、一年近く前のものがある。


■ほつれの多いお店について 【知覚】難易度:8、12

8□お店の中は無人の様で、最近まで経営されていた形跡がある。店内はさらに多くのほつれが広がっており、細かく調べるのは困難を極めが、かろうじて店主の写し絵らしきものを見つける。
※新たな情報項目【店主について】が追加される。

12□店内を更に探すと、「女性にもてる10の方法」「異性を振り向かせるお菓子作り」「惚れ薬100選」といったタイトルの本が見つかり、その中になぜか「医学書(IZp153)」が見つかる。
※判定に成功したPCは「医学書(IZp153)」を獲得する。


■店主について 【社会】【意志】難易度:11、15

11□お店の隣に住んでいた人から話が聞ける。どうやらこの店の店主は毎年ショコラが貰えず悲しい思いをしていたそうだ。ここ数年はこの日になると家に籠り、店も閉めていたらしい。今日は珍しく外出し、広場の方に向かっていたと教えてくれる。
※名前を尋ねると、「思い出せない」と言われる。男の名前が分かりそうなものは軒並み虚無に呑まれたからだ。
※この情報項目の判定に成功した場合は、シーン8に進めるようになる。

15□お店の隣人から「あんた達、この事態を解決しようよ動いてるんだろう?力になれるか分からないけど、良かったらこれ、持っていきな!」と言われ「命の結晶(IZp156)」「雫の結晶(IZp156)」を渡される。
※判定に成功したPCは「命の結晶(IZp156)」「雫の結晶(IZp156)」を獲得する。


◆結末
 だんだんと今回の事件の黒幕が分かってきた君たちは、一度広場へと戻るのだった。
 【店主について】の難易度11の情報判定に成功したら、シーンを終了する。


クライマックスフェイズ


■シーン8 悲しき男 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
 クライマックス戦闘のシーン。全員登場。

▼描写1
 広場へ戻ると、そこには多くの異形化した市民たちで溢れかえっていた。幸い理性を保っているようで、マリアの指示に従い整列しているが、完全に異形と成り果てるのも時間の問題だろう。そんな広場に、曇白と漆黒に全身を染めた男が笑みを浮かべながら近づいてきた。かろうじて確認できたその顔は、先ほどの店で手に入れた写し絵の男だった。

□セリフ:悲しき男
 「はっははは!いい眺めだ!ショコラを貰い、浮かれ切ったリア充どもが!醜くその姿を変えている!なんとも見ていて痛快な景色だ!」
 「だが、まだまだだ。まだこんなものでは、俺の悲しみは拭えない!」

 『ショコラを口にした者、ショコラを目にした者、ショコラの香りを嗅いだ者、全て等しく虚無へと帰れ!リア充爆発しろー!』

▼描写2
 その男の言葉によって、人々は苦しみ始めた。異形化が急速に進行し始めたのだ。最早あの男が元凶であるのは明白だった。
 異形化に苦しむマリアが、キャドバリーが、コンラッドが君達の方を見る。その瞳からは、君達への信頼が感じ取れた。

□セリフ:悲しき男
 「うん?なんだ貴様らは?何故異形化していない?」
 「そうか!貴様らは紡ぎ手というやつか!おのれ、リア充どもの手先め!この私を止めようとしているのだな!?そうはさせんぞ!」
 「この呪われし日に、悲しみを抱える全ての者たちの為に!私は貴様らリア充どもを虚無へと還す!」
 「持たざる者たちの怒りと悲しみを、思い知れー!」

◆解説2
 クライマックス戦闘。
 PC達で一つのエンゲージを形成し、そこから10mの位置に悲しき男を配置する。
 戦闘の終了条件は悲しき男の撃破である。

□セリフ:悲しき男
 (戦闘開始時)「リア充どもめ、爆発しろー!」

 (HPが100以下)「ふん!なかなかにやるな!だが私は、倒れるわけにはいかんのだ!」

 (HPが50以下)「まだだ。まだやれる!私は一人じゃない!この日に悲しみを背負った皆が、私に力をくれるのだ!」

 (HPが0)「せめて・・・最後に・・・ショコラが・・・欲しかっ・・・。」

◆結末
 悲しき男を倒したらシーン終了。


エンディングフェイズ


 以下はエンディングプロットとなる。これまでの展開に応じて、自由にシーンを演出すると良いだろう。

▼描写
 こうして、甘味の街を襲った異形は倒された。この街にはいつも通りの平和が訪れ、無事今年も【ドゥニー・ジュ・ショコラ】を開催することが出来そうだ。PC達は街を救った英雄として、住人達から多くのショコラを贈られる事だろう。

【個別エンディングプロット】
■PC③:マリアや街の女性たちからショコラを贈られる。マリアとしては、この街を救ってくれた英雄に感謝の気持ちで贈っているのだろう。しかし、それ以外の女性たちがどんな思いで贈っているのかは分からない。それをどのように受け取るのかは君の自由だ。

■PC②:マリアにショコラを贈られる。感謝の気持ちと、そして友好の証として。その後どうするかは君の自由だ。事件があった街を去っても良いし、彼女とその後お茶をするのも良いだろう。もしくは彼女へのお返しを作っても良いかもしれない。

■PC①:キャドバリーとコンラッドの二人は無事にショコラをマリアに渡すことが出来る。しかし返事は例年通り、「ありがとうございます」の一言だけだ。無事玉砕した二人と君は、この後一緒に食事でもするかもしれないし、一緒に来年に向けてショコラ作りを始めるかもしれない。


◆ アフタープレイ ◆


 演目の目的を達成した項目については、以下のように判断すること。

・悲しき男を倒し、甘味の街を救った:4点
・演目中に誰かからショコラを贈られた:1点


◆ エネミーデータ ◆


■悲しき男
◆逸脱能力
 □□《虚構現出》(MMp125)
 □《憎悪の魔弾》(MMp127)
 □《瞬速行動》(MMp126)
 □□《死神の招き》(MMp127)
 □《悪獣の輪廻》(IZp144)

《悪獣の輪廻》は最初のセットアップで使用し、異形化しかけている市民×2体を「異形の群れ(IZ237)」に変える。それ以外ははGMが状況に合わせて使用すると良い。

◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:6 サイズ:1
命:9 回:6 術:3 抵:4
行:12 HP:120 剥:15

肉: 18(21)/+6(+7) 知:12/+4 感:9/+3
意:15/+5 社:9/+3 縫:12/+4

攻:〈殴〉10 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬4 / 刺4 / 殴4

◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
《熟練工の証》(IZp98)1 肉体を選択

【オート】
《御標の託宣》(MMp238)
《堕ちたる魂》(IZp230) 1
《生への渇望》(MMp119)2
《職人の一喝》(IZp99)2
《専門分野》(IZp100)3 命中値を選択
《絶対先制》(MMp238)1

【ダメージロール】
なし

【セットアップ】
《一点集中》(IZp136)1

【マイナー】
なし

【メジャー】
《大砲発射》(IZp101)3
《怒号一閃》(IZp101)1

【イニシアチブ】
なし

◆行動指標
 以下に【悲しき男】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技・逸脱能力をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。

【攻撃(3回目まで)】リア充死すべし!
《大砲発射》(IZp101)3  + 《一点集中》(IZp136)1 + 《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2 + 《専門分野》(IZp100)3
タイミング:メジャー+オート
判定値:11 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:50m
解説:鉄のように固くしたショコラを異形の膂力で大量に投げつける攻撃。〈殴〉7D6+17のダメージを与える物理攻撃を行う。

【攻撃(4回目以降)】私のショコラを喰らえ!
《怒号一閃》(IZp101)1  + 《一点集中》(IZp136)1 + 《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
タイミング:メジャー+オート
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
解説:鉄のように固くした手のひらサイズのショコラで思い切り殴る攻撃。〈殴〉3D6+21のダメージを与える物理攻撃を行う。


■初期配置
 PC達で一つのエンゲージを形成し、そこから10mの位置に悲しき男を配置する。
 戦闘の終了条件は悲しき男を倒すことである。

■戦闘プラン

●最初のセットアップで逸脱能力の《悪獣の輪廻》(IZp144)を使用し、異形の群れ(IZ237)×2をPC達と悲しき男の間に配置する。距離はそれぞれ5mとする。
 更に特技の《一点集中》(IZp136)1も使用するといいだろう。

●最初のイニシアチブでは《絶対先制》(MMp238)1を使用し即メインプロセスを行う。2回目のイニシアでは《瞬速行動》(MMp126)を使用しよう。

●攻撃は3回までは【リア充死すべし!】を使って範囲に対して攻撃し、4回目以降は【私のショコラを喰らえ!】で一体ずつ確実に倒していこう。範囲攻撃の際は《死神の招き》(MMp127)も使用すると良いだろう。

●敵が回避に成功した直後に《職人の一喝》(IZp99)2で判定値を下げ攻撃を命中させるといいだろう。

●《虚構現出》(MMp125)は《悪獣の輪廻》(IZp144)と《瞬速行動》(MMp126)を打ち消された時に使用するのがオススメ。

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