HOのPC①及びPC④、⑤が共通した演目「怪盗スケアクロウシリーズ」の第二弾。第二弾は四大国の一つ、商いの国を舞台にした演目。
■演目データ プレイヤー:4~5人 演者レベル:3 プレイ時間:約6~8時間(※オンセにおける想定時間)
※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』『トレイメント(以降TM)』を所持している必要がある。また本演目にはスーパーシナリオサポート(以降SSS)のvol.2「罪貨は喧騒に沸く」に掲載されているNPC・設定が登場する。必須ではないが所持を推奨する。
●最初に
本シナリオを遊ぶGM(ゲームマスター)は、本文及びデータの内容を、複製したものに限り、改竄、削除及び加筆を行ってもよいものとします。
また本シナリオを遊んだことにより生じたあらゆる問題について、当方では一切の責任を負いかねます。予めご了承いただける方のみ、ご利用ください。
【要約:遊ぶ時に、話の流れやPCの設定で、シナリオの内容やデータ(エネミーデータ含む)が変わっても問題ありません。他のシナリオをプレイする時、このシナリオの設定を持ち込むのであれば必ずGMに相談しましょう。】
プリプレイ
◆◆◆モノトーンミュージアムRPG演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」◆◆◆
■演目データ
プレイヤー:4~5人
演者レベル:3
プレイ時間:約6~8時間(※オンセにおける想定時間)
※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』『トレイメント(以降TM)』を所持している必要がある。また本演目にはスーパーシナリオサポート(以降SSS)のvol.2「罪貨は喧騒に沸く」に掲載されているNPC・設定が登場する。必須ではないが所持を推奨する。
■本演目について
HOのPC①及びPC④、⑤が共通した演目「怪盗スケアクロウシリーズ」の第二弾。第二弾は四大国の一つ、商いの国を舞台にした演目。
◆ 予告状 ◆
商いの国には其達の街がある。
それは、国に住む者達は勿論、国外から来る者達も知る者が多い。
第0番地区"狭間の街"。其達の住むその町には、隠された秘宝があると言う。
今宵の獲物は商いの国第0番地区"狭間の街"にあると噂される「狭間の秘宝」。
正体不明の其達の宝。
狭間の秘宝を求め、昼と夜の街を怪盗が駆ける。
モノトーンミュージアム
「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」
ーーー今宵のお宝も、怪盗スケアクロウが頂戴する。
◆ ハンドアウト ◆
各PCには以下の設定がつく。GMはセッション開始時にPLとよく相談すること。PLが5人以下になる場合は、PC番号の若い順に使用すると良い。
PC①:左の地を騒がせる大怪盗スケアクロウ
PC②:商いの国に住む童子
PC③:其達研究者
PC④:怪盗スケアクロウを追う者
PC⑤:怪盗スケアクロウの仲間
演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」【PC①用ハンドアウト】
■パートナー:カレル・G・コロンボ 推奨感情:連帯感
■PC間パートナー:PC②
■クイックスタート:宵闇の怪盗 (MMp48)
■指定クラス:日陰者
君は左の地を騒がせる大怪盗スケアクロウだ。
どうして怪盗をしているのか、どのような怪盗なのかは自由に決めてよい。
今回の君の獲物は、商いの国にあると噂される"狭間の秘宝"だ。
名前にある様に狭間、つまりは其達に関するお宝だった。
商いの国には幻の第0番地区"狭間の街"が存在する。秘宝があるとすればきっとその街だろう。
しかし早速調査に乗り出そうとする君を、後ろから掴みかかってくる男がいた。
演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」【PC②用ハンドアウト】
■パートナー:ニコレッタ 推奨感情:友情
■PC間パートナー:PC③
■クイックスタート:小さな英雄 (MMp46)
■指定クラス:童子
君は商いの国に住む童子だ。普段は其達や【ニコレッタ・G・コロンボ】とよく一緒に遊んでいる。
・・・のだが、最近はニコレッタの付き合いが悪い。と言うより最近彼女に会えていなかった。
最後に会った時はいつもと変わらない様子だったはずだ。そう君が考えていると、彼女の父【カレル・G・コロンボ】が焦燥した顔で忙しなく歩いていた。
なんだか嫌な予感がした君は、カレルに話を聞くために彼の歩いて行った先へと向かった。
演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」【PC③用ハンドアウト】
■パートナー:マウス 推奨感情:懐旧
■PC間パートナー:PC④
■クイックスタート:悪疫を薙ぐ者 (FTp96)
■指定クラス:賢者
君は左の地のあらゆる其達を研究する研究者だ。普段どのように過ごしているのかは自由に決めてよい。
君にはかつて【マウス】という研究者仲間がいた。その相棒とは未知の其達や伝説上の其達について良く語り合っていたが、倫理観に欠ける彼の行動に堪えかね袂を分かっていた。
君がかつての思い出に浸っていると、突如目の前に其達が飛び出してきた。その其達は口を開き、御標を紡いだ。
『知古の賢者、商人たちの国にて懐かしき再会を果たす。ーーーめでたしめでたし。』
演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」【PC④用ハンドアウト】
■パートナー:マシュー・トマソン 推奨感情:警戒心
■PC間パートナー:PC⑤
■クイックスタート:針の魔女 (MMp36)
■指定クラス:なし
君は彼の大怪盗スケアクロウを追う者だ。
どのような理由で追っているのかは自由に決めてよい。
スケアクロウの次の動向を探る為に、情報収集として君は商いの国へと訪れていた。
商いの国には赤銅の鈴の本部がある。その為治安が悪い街は本当に悪く、路地裏でのカツアゲなどは日常茶飯事だった。
しかし君が目にした光景は少し異なっていた。それは、小さな可愛らしい其達が厳つい男に問い詰められている様だった。
演目「怪盗スケアクロウと狭間の秘宝」【PC⑤用ハンドアウト】
■パートナー:"狭間の秘宝" 推奨感情:期待
■PC間パートナー:PC①
■クイックスタート:名もなき旅人 (MMp34)
■指定クラス:なし
君は彼の大怪盗スケアクロウの仲間だ。
どのような関係なのかはPC①のPLと相談して決めること。
今回のスケアクロウの獲物は、商いの国にあるという"狭間の街"。その街に眠るという"狭間の秘宝"だった。
其達というのは極力関わらない方が身のためというのが通説だが、かの大怪盗には関係がないようだ。
其達の秘宝ならば不可思議な力が宿っていてもおかしくない筈。君は秘宝への期待を募らせるのだった。
◆ 舞台設定:【商いの国】 ◆
左の地のあらゆる品が集う商業都市国家。四大国の一つ。
詳細はMMp201及びIZp178を参照するとよい。
また、もしもGMが所持しているのであればSSSvol.2「罪貨は喧騒に沸く」のp38も参照することを推奨する。
◆ NPC ◆
■カレル・G・コロンボ
日陰者 / 賢者
「狭間の街!この国に伝わる秘密の街だ。とってもワクワクするよね!」
商いの国の記者。35歳。男。
商いの国で主に其達に関する記事を書く記者。子供ほどではないが、綺麗な心の持ち主で其達からも好かれている。
最近特に記事にまとめているのは、商いの国第0番地区"狭間の街"についてだ。
■ニコレッタ・G・コロンボ
童子
「"はざまのひほう"ってどんなお宝なんだろう?私すっごく気になるわ!」
商いの国に住む童子。7歳。女。
商いの国に住む童子でカレルの娘。普段仕事で奔走している父を待って、家やその近所で遊んですごしている。其達やPC②が友達で、よく一緒に遊んでいる。
■マウス
賢者 / 術者 / 貴人
「其達とはすばらしき隣人であり、貴重な研究材料なのです。」
其達研究者。27歳。男。
其達の研究を生業とする男。かつてPC③の相棒を務めていた。
倫理観の欠ける男で、平気で其達や人間を使った恐ろしい実験を行う。研究の為ならば自分の身すら顧みない性格ゆえ、かつて所属していた其達の研究組織を追放されている。
現在は赤銅の鈴の構成員【マシュー・トマソン】を雇って、狭間の街について調べている。
■マシュー・トマソン
日陰者 / 戦人
「資金を集めて、いつか必ずマキャビティを失脚させてやる!」
赤銅の鈴の構成員。32歳。男。
プラトーに恨みを持ち下剋上を狙っている赤銅の鈴の構成員。現在は資金集めの段階で、まとまった金が用意出来次第事を起こそうとしている。
其達研究家【マウス】から多額の報酬を条件に仕事を請け負っており、狭間の街について調べている。
◆ 演目背景 ◆
商いの国第0番地区"狭間の街"。本来は其達に招かれるか、国のどこかに点在している扉をくぐらなければその街へ行くことは出来ない。
本演目では、そんなは狭間の街へ自由に行き来できる"鍵"が中心の物語だ。題名にある狭間の秘宝とは、「狭間の街へ至る鍵」の事である。狭間の街は商いの国のどこにでもあってどこにも存在しない街。その街に自由に出入りできる鍵とはつまり、商いの国のどこにでも扉を作れるし、扉を消せば商いの国から消えることが出来る。
「狭間の街へ至る鍵」があれば、商いの国の好きな場所に行くことができ、商いの国から一時的に (或いは望めば永久に) 消えることが出来るという事だ。
狭間の街の長である【千眼の翁 (SSSvol.2p43)】は、人が不可思議の力を借りる必要に駆られた時の為にこの鍵を用意した。鍵は二つに分割し、商いの国の昼と夜にそれぞれ分けて預けてあるという。これはつまり、商いの国の大統領である【イル・C・ドットーレ (SSSvol.2p41)】と商いの国を裏で牛耳る"赤銅の鈴"のトップ【"マキャヴィティ"プラトー (MMp215)】がそれぞれ持っているという事だ。
演目開始時の少し前、其達の記事を専門に扱う記者【カレル・G・コロンボ】は実の娘である【ニコレッタ・G・コロンボ】を赤銅の鈴の構成員【マシュー・トマソン】に拉致されてしまう。娘を返してほしくば、"狭間の秘宝"について調べろと。
マシューがわざわざニコレッタを拉致してまでカレルに"狭間の秘宝"について調べさせたのは、彼が其達についての記事をよく出しているためだ。彼は其達について、少なくともマシュー達よりは詳しい。更には記者としての情報収集力もある。"狭間の秘宝"について調べさせるにはうってつけだった。
マシュー達が何故"狭間の秘宝"を追っているのか?その理由はマシュー達の雇い主と御標にある。
雇い主の名は【マウス】。其達の研究家だ。マウスの目的は商いの国第0番地区"狭間の街"の調査とその町にあると言われる「狭間の秘宝」を探す事だ。マシューはこのマウスに協力することで、莫大な資金を得られるという御標が下っているのだ。(もちろんこれは異形化したマウスが下した歪んだ御標である。)
演目開始時点では、カレルは娘の為に"狭間の街"について調査を進めている。商いの国はどこに行っても赤銅の鈴の息がかかっている。誰かに娘の事を言えば娘は無事ではないだろう。だからカレルは、自力で"狭間の街"について調査を進めていた。
記者であるカレルはスケアクロウの事についても知っており、彼の協力があれば"狭間の街"についての調査も捗るのではないかと協力を仰ぐ。
調査の最中、マシューにスケアクロウと協力して調査を進めていることを知られたカレルは、鍵が集まった瞬間にスケアクロウを裏切って鍵を奪えと指示をされる。
逆らえずに指示通りにするカレル。鍵を奪われた一行は、しかし千眼の翁の計らいにより"狭間の街"を訪れる。
狭間の街でのマシューとマウスとの決着をもって、この物語は終幕を迎える。
■シーン1 檻の中の案山子 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
PC①、⑤のオープニング。PC⑤は途中からの登場となる。捕まって檻に入れられたスケアクロウをPC⑤ (いない場合は「"赤の女王 ムゼッタ"」(TMp165) ) が助け出すシーン。
▼描写1
商いの国の夜の地区。どこかの街のどこかの地下。水の滴る石造りの牢獄。湿った空気の溜まるここには、天井付近の鉄窓から差し込む日の光しか、灯りと呼べるものは無かった。
その光とは別の灯りが、正面に備え付けられた鉄扉の方から迫ってくる。
蠟燭の灯りを携え、人相の悪い男が鉄扉越しに話しかけてきた。
□セリフ:人相の悪い男
「よう!コソ泥。気分はどうだい?」
「天下の大怪盗スケアクロウ様がこのザマたぁ笑えるぜ!」
「うちのシマで盗み働いたんだ。ただで済むと思うんじゃねぇぞ!」
「親父が戻ったらお前の処遇が決まる。それまで震えて待つんだなァ!」
□PC⑤がここで助けに来る。PC⑤はここで登場。
□もしもPC⑤が居ない場合は、「"赤の女王 ムゼッタ"」(TMp165) が鉄窓からロープを垂らして助けに来る。ムゼッタが助けに来る場合は下記セリフを演出する。
□セリフ:"赤の女王"ムゼッタ
「あんなゴロツキ紛いに捕まるなんて、珍しいヘマをしたわね。」
「ここから出るわよ。ロープを上るだけの体力は残ってる?」
▼描写2
無事に牢獄から脱走したスケアクロウ。今回の目的としていた「狭間の秘宝」を求め、早速調査に乗り出そうとした君の肩を誰かが掴みかかってきた。
その人物は君を正面から捉えると、目を輝かせてこう言った。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「君、彼の大怪盗スケアクロウだよね!?」
「いきなりですまないが、【狭間の秘宝】に興味ないかい!?」
◆結末
カレルのセリフの直後にシーンを終了する。
■シーン2 友人を求めて シーンプレイヤー:PC②
◆解説
PC②のオープニング。PC②とニコレッタとの日常シーン。このシーンでPC②に狭間の街への興味を持たせ、カレルに協力する動機を作ると良いだろう。
▼描写1
時間は少し遡り、スケアクロウがまだこの国へ来る前のお話。PC②の近所に住む少女【ニコレッタ・G・コロンボ】は今日もPC②や其達たちと集まっていた。
いつもであれば一緒に何かを遊ぶのだが、今日のニコレッタは何かを話したそうにしていた。
□セリフ:ニコレッタ・G・コロンボ
「ねぇPC②、知ってる?この国には、あの子たちの為の街があるんだって!」
「それでね、その街のどこかに、お宝があるんだって!」
「パパがね、言ってたの!"はざまのひほう"?っていうお宝を調べてるんだって。」
「どんなお宝なんだろうね!私すっごく気になるなぁ。」
「あ!ねぇねぇそれよりPC②!今日は何して遊ぶ?」
「鬼ごっこ?おままごと?それとも・・・じゃあ、かくれんぼにしよっか!」
「PC②が鬼ね!私たちが隠れるから、見つけてね!」
▼描写2
それから現在に至るまで、PC②は彼女を見ることは無かった。遊んでいる最中に黙って帰ってしまうような子では無い筈だった。だからこそ、PC②には言い知れぬ不安に駆られていた。
彼女は、ニコレッタはどこへ行ってしまったのだろう?そう疑問を頭に浮かべる君の視線の先を、彼女の父親である【カレル・G・コロンボ】が通り過ぎた。
父親であるカレルならば、彼女について何か知っているだろう。
◆結末
PC②がカレルを追っていったらシーンを終了する。
■シーン3 夜の街の風景 シーンプレイヤー:PC④
◆解説
PC④のオープニング。絡まれている其達を助け出す事をきっかけに、マシュー達と協力関係を結ぶシーン。マシューは悪い印象を与えるNPCなため、PCが協力しずらい可能性がある。PCがマシューに協力したくなるよう上手く誘導しよう。
▼描写1
左の地に名を轟かせる大怪盗スケアクロウ。
神出鬼没な 彼 (彼女) の情報を求めて、君は商いの国の夜の区へと訪れていた。
治安の良くない夜の区ともなれば、そこいらの路地で良くない取引やカツアゲが横行している。
そんな然程珍しくない光景のなかに、一つだけ奇妙な光景があった。チンピラの様な出で立ちの男が、小さな其達に詰め寄っていた。
□PC③が声をかけたり何かしら行動を起こすと、小さな其達はPC③に助けを求めるように駆け寄ってくる。
□セリフ:マシュー・トマソン
(PC③に対して)「何だぁ?てめぇは。そのチビの保護者か何かか?」
「無関係だってんならどっか行きな!俺達はそのチビに用があるんだ。」
「ああ勘違いするなよ?別に酷いことしてたわけじゃねぇ。ただ狭間の秘宝について話が聞きたかっただけだ。」
(PC③が秘宝について反応する)「なんだ?あんたも秘宝に興味があんのか?」
「狭間の街にあると噂される狭間の秘宝。あの大怪盗スケアクロウも狙ってるって噂だからな。」
(PC③がスケアクロウについて話す)「なんだあんた、スケアクロウに興味があるのか?」
「俺はこれでも赤銅の鈴の一員でね。この国の情報はある程度入ってくるんだ。」
「例えば、スケアクロウが今この国に居る……とかな。」
「あんたさえ良けりゃ、俺達と手ぇ組まねぇか?」
「其達にも好かれてるみたいだし、色々と役に立ちそうだ。勿論分け前はちゃんと用意する。」
「あんたが望むなら、情報って形での報酬も用意するぜ?」
◆結末
PC③がマシューに協力する事を決めたらシーンを終了する。
■シーン4 其達研究家 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
PC③のオープニング。かつての友マウスとの思い出のシーン。このシーンでマウスの狂気性を垣間見せ、PC③がマウスを脅威に感じると良い。
▼描写1
これは、君がかつての友【マウス】と共に研究をしていた頃の記憶。
マウスと君は、とある村で流行っている【患い花 (IZp199)】と呼ばれる其達の研究・調査に来ていた。
□セリフ:マウス
「PC③、患い花について分かったことがあります。あの植物型の其達は、人の脳に根を張っている様です。」
「そして、患い花に寄生されている人たちの共通事項は"悩みを抱えている事"。つまり、予測される患い花の生態は"人の悩みを養分とする其達"だと考えられます。」
「これは素晴らしい其達です!PC③!人の悩み、つまりは感情に左右される其達なのですよ。」
「其達とは人の良き隣人である、と誰かが言っていましたがまさしくそうですね。」
「彼らがあのまま宿主に寄生していれば、いずれ宿主は死んでしまいます。ですがそれは、彼らが宿主を悩みから解放してあげているのかもしれませんね。」
「研究の為にも、何人かの宿主にはもう少し悩みを抱えていてもらいましょうか。経過観察をしたいので、村には"まだ調査が必要だ"と言っておきましょう。」
「もちろん、先ほど私がお教えしたことは村人たちには秘密にしてください。対処法を知られてしまっては、彼らを枯らされてしまいますからね。」
(どうやって脳に根が張っている事を知ったのか聞く)「ああ。簡単ですよ。死んだ宿主を解剖したんです。」
「宿主を失った彼らがどういった行動にでるのか、気になったもので。」
▼描写2
かつての出来事を思い出している君の目の前に、一匹の小さな其達が飛び出してきた。その其達は君をじっと見つめると、おもむろに口を開き声を発した。
その声は、男とも女とも老人とも子供ともとれる奇妙な声だった。
そう、それは御標だった。
『知古の賢者、商人たちの国にて懐かしき再会を果たす。ーーーめでたしめでたし。』
御標を放った其達は、我に返ったかのように君の前から慌てて逃げ出していった。
商人たちの国とは恐らく四大国の一つ、【商いの国】だろう。そして知古の賢者とは...。
◆結末
PC③が商いの国へ向かったらシーンを終了する。
■シーン5 お宝調査隊! シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
PC①、⑤とPC②の合流シーン。PC③、④は登場不可となる。PC①は最初から登場し、PC②はシーンの途中から登場となる。PC②が調査へ協力する動機があまり強くないので、このシーンでなるべくPC②の動機づけを意識すると良いだろう。
▼描写1
突然スケアクロウに話しかけてきた男【カレル・G・コロンボ】は、落ち着いて話をするために君達を近くのカフェへと連れてきた。
カレルがいくつかの注文を済ませると、君達に向き直り真っすぐ見つめてきた。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「先ほどは突然すみませんでした。私は、【カレル・G・コロンボ】と申します。其達に関する記事専門のジャーナリストをしております。」
「貴方にお声がけしたのは、あなたが数々のお宝を探し求める大怪盗スケアクロウさんだからです!」
「実は私は今、この国にある其達たちの街【狭間の街】にあると噂されている、【狭間の秘宝】を探しているのです!」
「しかし、私一人で探し出すのはあまりにも無茶でして。そこで!数々のお宝を盗み出し、時には秘宝を探し当てる大怪盗スケアクロウさんにご協力いただければと!」
「あなたの情報収集能力と探索力があれば、きっと秘宝を見つけ出すことが出来ると思ったのです!あ、因みに私は記事の為に探しているのであって、秘宝そのものは見つかった際はあなたにお譲りしますのでご安心ください。」
「ご協力、いただけませんか?」
▼描写2
君達がカフェで話をしていると、カレルを見つけた一人の子供が駆け寄ってきた。カレルに用があるその子供、PC②はカレル達の腰かける席に近寄ってきた。
□ここでPC②は登場。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
(PC②に話しかけられ)「君は、よく娘と、ニコレッタと遊んでくれている子だね。あの子のお友達かな?」
「いつもあの子と遊んでくれてありがとう。おかげであの子はいつも楽しそうだったよ。」
(ニコレッタについて聞かれる)「え!...ええと、ニコレッタは、その、そう!実は、病を患ってしまってね?今は家で寝込んでいるんだ。」
「移るといけないから、あの子の病が治るまでは、あの子に近づかないでくれるかな?」
「大丈夫。あの子は、私が必ず助けるから。...そうだ、必ず。」
「そうだ!よければ君も手伝ってくれないかな?おじさんは今、【狭間の秘宝】っていうお宝を探しているんだ。」
「あの子、ニコレッタも一目見てみたいって言っていたからね。おじさんはあの子のお見舞いにその秘宝を見つけてあげたいんだ。」
「と言っても、危ない事はして欲しくはないからね。何か情報があったら、おじさんに教えてもらえるだけで、おじさんはとっても助かるな!」
◆結末
PC達がカレルに協力することを決めたらシーンを終了する。
■シーン6 知古の再会 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
PC③と④の合流シーン。他PCは登場不可となる。このシーンでPC③もマシューやマウスと協力関係になる。オープニングの段階で既にマウスとは険悪な関係となっていることが予想されるので、PC③が協力してくれるように上手く誘導すること。
▼描写1
君に下された御標に従い、人と其達が多く住まう四大国の一つ【商いの国】へとやって来た。
人の往来が多く、この中から御標にある"知古の賢者"を探し出すのは困難を極めそうだったが、その問題はあっさりと解決した。
君の目線の先に、かつての友【マウス】の姿があった。
□セリフ:マウス
「おや?おやおや、これはまた、懐かしい顔ですね。」
「お久しぶりです、PC③。お変わりないようで。」
「今この時出会えたのは、神のお導きかもしれませんね。ちょうど人手が足りなかったのです。」
「PC③、昔のよしみです。私に協力していただけませんか?」
「私は今、この国にあると言われている【狭間の街】と、その街にあるという【狭間の秘宝】について調べています。」
「とても興味深い研究対象だとは思いませんか?あなたも、興味があるのでは?」
(PC③が渋る場合)「私に協力するのはご不満ですか?やり方が気に入らないのでしょうか?」
「これでも人手不足は深刻でしてね。協力していただけるのであれば、多少はあなたのやり方にも従いますよ。望むのなら報酬も用意しましょう。」
□PC③が協力することを決めたら、PC④とマシュー達が登場する。
□セリフ:マウス
「ちょうどいい所に!ご紹介しましょう。私の研究の手伝いをしてくれている【マシュー・トマソン】と彼の部下たちです。」
(PC④を見ながら)「彼は...知らない人ですね?新しい協力者の方でしょうか?」
◆結末
PC③とPC④が合流を果たし、マシューやマウスとの顔合わせが終わったらシーンを終了する。
■シーン7 其達のお手伝い シーンプレイヤー:PC②
◆解説1
情報収集のシーン。PC①達のグループとPC③達のグループがそれぞれの場所で情報を集めるシーン。全員登場ではあるが、合流しているわけではないことに注意する事。
▼描写1
其達たちの街である【狭間の街】。普通の人間では見つけ出すのは困難だろう。彼らの街なのだから、聞き出すなら彼らからしかない。
しかし其達とは人間とは異なる生き方、価値観を持っている。普通の方法で情報を集めるのは難しそうだ。
◆解説2
この演目での情報収集は少し特殊な扱いとなっている。
基本的な情報収集は「どんな情報を集めるか」というのを情報項目としているが、本演目では其達から話を集めなければならない。そのため、「其達から話を聞きだす為に何をしてあげるか」というのが情報項目になっている。
そしてGMは、「どの情報項目の判定に成功したのか」に関わらず、情報は基本的に上から順に開示していく。基本的な「"●●についての情報"の判定に成功したから"●●についての情報"を開示する」という形ではないため、処理に注意する事。
また、情報収集判定はPC一人につき1回まで (PC人数が少ない場合は回数を増やしてもよい) とし、判定に失敗した場合は【HP】または【MP】を1D6減らしてもう一度判定を行えるものとする。
例:PC達が最初に行った情報収集判定が「其達と遊んであげる」でも「其達のお話を聞いてあげる」でも、開示する情報は「狭間の街について」の情報である。
※其達から情報を集める為、【童子】及び【其達】のクラスを持つPCは全ての情報項目の判定の達成値に+1される。
■其達と遊んであげる 【肉体】【意志】難易度:10
■其達の話を聞いてあげる 【社会】【意志】難易度:10
■其達のお願いを聞いてあげる 【肉体】【知覚】難易度:12
■其達の気持ちになって考えてみる 【感応】【社会】難易度:12
■其達の深淵に触れる 【縫製】難易度:14
情報1:狭間の街について
商いの国第0番地区"狭間の街"。
其達たちの住む街で、商いの国にその入口がいくつか点在しているらしい。ただし、まともに見つけること入る事も人間には叶わないという。
街の代表は千顔の翁(SSSvol.2p43)と呼ばれる其達で、狭間の街についてはもちろん商いの国で起こった全ての出来事を知っているという。
其達たちの住む街なだけあって、人間が入ることは滅多に出来ないようだ。仮に入れたとしても戻ってこれる保証はなく、更に長居すれば其達になってしまうという噂まである。
情報2:狭間の秘宝について
狭間の街にあると噂されるお宝。その在り処は、千顔の翁のみ知ると言われている。
秘宝については其達たちの間でも様々な噂が飛び交っており、"商いの国を亡ぼせる魔道具だ"という話もあれば、"永遠にお菓子が出続ける箱だ"という話もある。
秘宝についての真偽はどれも定かではなく、そもそも存在するのかどうかすら判然としない。唯一共通しているのが"千顔の翁であれば何か知っているかもしれない"という事だけだ。
情報3:狭間の街へ行く方法
狭間の街へは基本的に其達しか行くことが出来ず、その其達すらも入口と入り方を知っていなければ行く事は出来ない。
人間が狭間の街へ至る方法は、千眼の翁に誘われるか或いは【狭間の街へと至る鍵】を使わなければならない。
狭間の街の長である千眼の翁は、人が不可思議の力を借りる必要に駆られた時の為にこの鍵を用意した。鍵は二つに分割し、商いの国の昼と夜にそれぞれ分けて預けてあるという。
情報4:狭間の街へと至る鍵・夜
分割された鍵の預けてあるところ、商いの国の夜とはつまり夜の区の事だ。そして夜の区に居る鍵の預けられそうな代表的な人間とは、赤銅の鈴のボス【"マキャビティ"プラトー(MMp215)】の事になる。
分割された"狭間の街へ至る鍵"、その片割れをプラトーから何とか入手しなくてはならない。
情報5:狭間の街へと至る鍵・昼
分割された鍵の預けてあるところ、商いの国の昼とはつまり昼の区の事だ。そして昼の区に居る鍵の預けられそうな代表的な人間とは、商いの国の大統領【イル・C・ドットーレ(SSSvol.2p41)】の事になる。
分割された"狭間の街へ至る鍵"、その片割れをイル・C・ドットーレ
から何とか入手しなくてはならない。
◆結末
PC達が全ての情報を得たらシーンを終了する。
■シーン8 暗躍 マスターシーン
◆解説
カレルがマウスに現状報告に訪れるシーン。PC達にはなるべくカレルとマウスの繋がりを悟られたくない。GMは登場しているNPCが何者なのかをなるべく隠すようにすると良い。
▼描写1
商いの国のありふれた路地裏。日陰者たちが様々な事に利用する、どこにでもあるような日陰の道。薄暗いその場所で、内密な話をする者は多い。
□セリフ:マウス (PL達に名前は伏せる)
「首尾はどうです?順調ですか?」
□セリフ:カレル・G・コロンボ (PL達に名前は伏せる)
「はい。今は情報を集めている所ですが、かなり順調ではあります。」
「やはり、大怪盗スケアクロウの情報収集能力は素晴らしい。」
「監視していましたが、大怪盗を名乗るだけの事はある。無駄のない仕事ぶりでした。」
「それよりも、約束は覚えておいでですか?...必ず、守っていただきますからね?」
□セリフ:マウス (PL達に名前は伏せる)
「無論です。私は約束を違えるようなことは致しません。」
「あなたの方が、約束を果たしていただけるならね?」
◆結末
商いの国の、日の当たらない小さな路地。誰にも聞かれていない密談は進んでいく。シーンを終了する。
■シーン9 昼の顔の鍵 シーンプレイヤー:PC④
◆解説1
PC③のグループがイル・C・ドットーレ(SSSvol.2p41)から鍵を盗むシーン。PC③や④が鍵を盗むことを拒絶する場合は、盗む以外の方法を提案すると良いだろう。どうしても駄目な場合は、イルに御標を下すとよい。
▼描写1
"狭間の街へ至る鍵"の片割れが、この国の大統領"イル・C・ドットーレ"が所持していることを知ったマウス達一行は、彼から鍵を入手する方法を考えていた。
相手はこの国の大統領だ。一筋縄ではいかないだろう。
□セリフ:マシュー・トマソン
「イル・C・ドットーレ。ウチのボスをこの国から追い出すことも出来ねぇ実力不足な男だが、それでも奴は大統領だ。」
「コトを構えるなら、相当の覚悟を持って挑まにゃならねぇ。力技は最終手段だな。」
「方法としちゃ、盗む、騙す、奪う、後一応交渉するってのがあるな。」
(PC達の方を見て)「どの方法で鍵を入手するのかは、カタギのアンタらに選ばせてやる。但し選んだ方法には責任を持てよ?アンタらにだって手伝ってもらうんだからな。」
◆解説2
PC達がイルから鍵を入手出来たかどうかの判定を行ってもらう。どういう方法で鍵を入手するのかで判定の能力値と難易度、失敗時のペナルティが変わる。
入手方法によって変わるのは判定の能力値と難易度と失敗時のペナルティのみで、今後の展開やエンディングに影響はない。この事はPL達に予め伝えると良いだろう。
また、これらの判定の何れかに成功しない限り、このシーンは終了しない。判定に失敗した場合は、同じ判定に挑戦しても良いし別の判定に挑戦してもよい。
もしも失敗が続きシーンが長引きそうな場合は、GMは「その行動に慣れてきたので」など理由を付けて難易度を下げてしまっても良いだろう。
□鍵を盗む場合
知覚判定:難易度19
失敗時のペナルティ:侵入したことがバレてしまい、守衛に追い回され疲れる。MP-1D6点。
□鍵を騙し取る場合
意志または感応判定:難易度22
失敗時のペナルティ:騙そうとしたことがバレてしまい罰金を払わされる。財産点-1D6。
□鍵を力ずくで奪う場合
肉体判定:難易度19
失敗時のペナルティ:軍が出動してきて力負けし、怪我を負う。HP-1D6点。
□鍵を借りるか貰う交渉をする場合
社会または縫製判定:難易度26
失敗時のペナルティ:交渉は決裂し、執務室から追い出される。ペナルティ特に無し。この判定のみ2回まで。
◆結末
PC達が判定に成功し、無事に鍵を入手出来たらシーンを終了する。
■シーン10 夜の顔の鍵 シーンプレイヤー:PC①
◆解説1
PC①達のグループが"マキャビティ"プラトー(MMp215)から鍵を盗み出すシーン。
▼描写1
"狭間の街へ至る鍵"の片割れが、この国の影の支配者"マキャビティー"プラトーが所持していることを知ったカレル達一行は、彼から鍵を入手する方法を考えていた。
相手は一大犯罪組織赤銅の鈴のボスだ。一筋縄ではいかないだろう。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「まさか、狭間の街へ至る鍵の片割れが、あのプ、プラトーが持っているなんて...。」
「彼から鍵を借りるなんて無茶だ!会う事すらできるかどうか怪しいのに!...で、でも、私は狭間の街へ行かなければ!」
「お願いです!大怪盗スケアクロウさん!あなたほどの腕があれば、赤銅の鈴のボス、彼の"マキャビティ"をも出し抜けると私は信じています!」
「ですからどうか!どうか彼から鍵を入手していただけませんか!?」
「私も、出来る事があるのなら協力いたします!」
◆解説2
PC達がプラトーから鍵を入手出来たかどうかの判定を行ってもらう。どういう方法で鍵を入手するのかで判定の能力値と難易度、失敗時のペナルティが変わる。
入手方法によって変わるのは判定の能力値と難易度と失敗時のペナルティのみで、今後の展開やエンディングに影響はない。この事はPL達に予め伝えると良いだろう。
また、これらの判定の何れかに成功しない限り、このシーンは終了しない。判定に失敗した場合は、同じ判定に挑戦しても良いし別の判定に挑戦してもよい。
もしも失敗が続きシーンが長引きそうな場合は、GMは「その行動に慣れてきたので」など理由を付けて難易度を下げてしまっても良いだろう。
□鍵を盗む場合
知覚判定:難易度30
失敗時のペナルティ:侵入したことがバレてしまい、組織に追い回され疲れる。MP-1D6点。
□鍵を騙し取る場合
意志または感応判定:難易度33
失敗時のペナルティ:騙そうとしたことがバレてしまい逆に金を払わされる。財産点-1D6。
□鍵を力ずくで奪う場合
肉体判定:難易度32
失敗時のペナルティ:組織の戦闘要員に囲まれ死にかける。HP-1D6点。
□鍵を借りるか貰う交渉をする場合
社会または縫製判定:難易度36
失敗時のペナルティ:門前払いを喰らう。ペナルティ特に無し。この判定のみ2回まで。
◆結末
PC達が判定に成功し、無事に鍵を入手出来たらシーンを終了する。
■シーン11 裏切り シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
PC達の合流シーンであり、PC①がカレルから裏切られるシーン。PC①とPC②も最初から登場。PC③とPC④はシーンの途中で登場となる。
▼描写1
スケアクロウ達が見事プラトーから鍵を入手した後、一息つくためにカレルの案内で休める場所へと向かっていた。
あの影の世界の大物、プラトーから鍵を入手したのだ。PC①達はまさに疲労困憊だった。
ふと、突然カレルが足を止めた。どこか寂しそうな、悲しそうな、そんな表情を湛えながら、君達の方を見て口を開いた。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「スケアクロウさん、本当にお疲れ様でした!」
「まさかあのプラトーから鍵を入手することが出来るとは、正直は私は死を覚悟していたのですが...。」
「いやぁ、本当に素晴らしい。流石は大怪盗だ!私の眼に狂いは無かった!やはり、あなたに協力をお願いしてよかったです。」
「ああ、だからこそ本当に...ごめんなさい。スケアクロウさん。」
▼描写2
カレルが謝ったのと同時に、君達の後ろから拍手が聞こえてきた。
拍手をしながら歩み寄ってくる人物は、其達の研究者であり狭間の街の調査を行っているマウスだった。
白衣を纏ったその男は、後ろにマシュー達ごろつきやPC③、PC④を引き連れてスケアクロウ達の前に現れた。
□PC③及びPC④はここで登場。
□セリフ:マウス
「ああ本当に!素晴らしい仕事ぶりです。流石は噂の大怪盗スケアクロウですね。あのプラトーから見事鍵を入手して見せた。素晴らしい。」
「自己紹介が遅れました。私はマウス。其達の研究家で、現在は狭間の街とその街にあるという秘宝について調査を行っています。」
「話は手短に済ませましょう。その鍵、私に譲ってはいただけませんか?もちろん、報酬はお支払いいたしますよ。」
(断られた場合)「そうですか。残念でなりません。では、実力行使といたしましょう。」
「カレル。彼の鍵を私の下へ。」
□マウスが言うと同時に、PC①の後ろに控えていたカレルがPC①の首元にナイフを突き立てる。
□PC達はプラトーから鍵を入手する際の疲労でカレルに反応できない。
□セリフ:カレル
「すみませんスケアクロウさん。あの人の言葉に従ってください。」
「鍵を、彼に投げてください。お願いです!あなたを傷付けたくはない!」
「娘の、ニコレッタの為に私は、私は彼らに協力しなければならない!娘を無事に返してもらうために、私はどんな汚い事だってします!」
「だからスケアクロウさん、鍵を...渡してください。」
□PCが反応する前に、この場にいる全員に下記の御標が下る。この御標は勿論マウスが下した歪んだものだ。
『白衣の科学者はそれぞれの鍵をその手にし、狭間の街へと至るのでした。』
□歪み表2.0をROCする。
□セリフ:マウス
「神の下した御標もこう囁いています。さぁ、カレル。あなたの娘、ニコレッタをお連れしましたよ。」
「彼女の姿を見て、より一層私たちへ協力する意思を強めてください。」
「鍵を私が手にしなければ、この場にいる全員が異形と成ってしまいます。それは誰しもが、望んでいない結末でしょう?」
□そう言うと、マウスの背後から猿轡をされ手を拘束されたニコレッタ・G・コロンボが現れる。ニコレッタには縄が結ばれており、その手綱はマシューが握っている。
□もしもPCが鍵を渡すことを拒む場合はカレルやニコレッタ、マシュー達が異形化し始めてしまう。マシュー達は異形に成りたくないため、PC①から強引に鍵を奪い取ってしまう。
□PC①がこれにも抵抗する場合は、カレルのナイフがPC①の首に切れ込みを入れる。PC①は戦闘不能となり、この間に鍵を奪われてしまう。
▼描写3
鍵を受け取ったマウスは満足した笑みを浮かべた。「これでようやく、狭間の街へと至ることが出来る!」珍しく高揚した声を上げたマウスは、二つの鍵を合わせた。すると、マウスの目の前に白い大きな扉が現れた。恐らくその扉の先が狭間の街なのだろう。
□セリフ:マウス
(PC①の方を見て)「ご協力感謝します怪盗スケアクロウ。これで私は、長年の夢だった狭間の街へと至ることが出来ます。」
「ですがあなた達が居ては研究の邪魔になりそうですね。カレル!彼らを足止めしていてください。」
「大丈夫です。ニコレッタは必ずお返ししますよ。私は約束を違えませんから。」
(PC③達の方を見て)「そうそう、あなた達ともここでお別れです。今までご協力いただき、ありがとうございました。」
「知らぬ間に協力関係にあった人と、かつて私の下を去った友人。どちらも信用には値しない者達です。」
「それでは、さようなら。」
□PC達を足止めしようとマシューの部下たちとカレルが襲い掛かってくる。【精兵 (TMp179) or 護衛兵(書架p240)】1体と【カレル】×1と戦闘になる。
□戦闘では、PC達で一つのエンゲージを構成する。そこから5mの位置に【精兵 (TMp179) or 護衛兵(書架p240)】×1体と【カレル】×1のエンゲージを配置する。戦闘の場所は路地であるため、エネミー達のエンゲージを超えて向こう側へはいけないものとする。(但し一度エンゲージに入ってから離脱を行って超えることは可能。)【カレル】はただの記者であるため戦闘能力はない。全ての能力値ボーナスは3、戦闘値は5、でデータ運用するとよい。
□もしもカッサンドラの書架を適用している場合は、【護衛兵(書架p240)】の数を3体増やし、その内2体はPC達のエンゲージを挟むように別のエンゲージを用意し配置する。この別のエンゲージはPC達から5mの位置、【カレル】達の居るエンゲージからは10mの位置となる。
◆結末
マウス達が扉を通ると、扉は忽然と姿を消してしまった。シーンを終了する。
■シーン12 千顔の翁 シーンプレイヤー:PC③
◆解説1
商いの国に取り残されたPC達が、千顔の翁(SSSvol.2p43)からのお願いで狭間の街へ向かうシーン。全PC登場。PC達の合流後の一服のシーンであり、購入判定タイミングのシーンとなる。
▼描写1
手に持っていたナイフを落とし、カレルは崩れるようにその場にうずくまった。嗚咽を漏らしながら、スケアクロウに何度も何度も謝っていた。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「すみません!...すみませんスケアクロウさん。本当に、本当に!」
「私は、娘を人質に取られていました。だから、奴らに協力するしかなかった。奴らの為に私は、狭間の街を探していたのです。」
「でも!あなたに近づいたのは私の意思だった!スケアクロウさんの事は知っていました。私も記者の端くれですから。」
「あなたの様な大怪盗であれば、狭間の街について調べるのも容易だと思った。だから!...だから私は、私の意思であなたを巻き込んだのです。」
「スケアクロウさんに協力をお願いしたことは、直ぐに奴らにバレました。そして奴らは、スケアクロウさんを利用しろと。」
「本当に、すみませんでした。娘の為とはいえ、私はあなたを利用した。」
▼描写2
マウス達は鍵を使い扉の先へと行ってしまった。その扉は既に消えてしまっており、マウス達を追う術は失われてしまった。
途方に暮れる君たちを、白い靄のようなものが包みだす。靄は周囲に広がっていき、気が付くと目の前に大きな白い扉がそびえたっていた。その扉は、先ほどマウス達がくぐったものと同じものだった。
扉は音もなく開き、君達を招いた。
扉をくぐった先には、光り輝く白い靄に包まれた三つの眼が君達を見つめていた。その者、【千顔の翁】は君達に語り掛けてくる。
□セリフ:千顔の翁
「よく来た。剥離せし日陰の者よ。」
「招かれざる者達は、この先にいる。」
「鍵は正しき時に、正しき者が使わねばならぬ。」
「ゆえに日陰の者よ、鍵を攫うはそなたの定め。」
「我ら狭間の者は、そなたらには干渉しない。」
「我らはただ見守るのみ。」
□千顔の翁はそれだけ言うと靄の中へ消えてしまう。気づくと周囲の靄は消えており、辺りは多種多様な其達が闊歩する街並みになっている。
□招かれたのはPC達だけでなくカレルもそうだ。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「ここが、狭間の街!まさかこの場所に来れる日が来るなんて...。」
「スケアクロウさん、裏切り者の私が言えることではないのですが、お願いがあります。」
「どうか私も一緒に連れて行っていただけませんか?娘を、ニコレッタを奴らから取り戻したいのです!」
「私が行ったところで足手まといにしかならないのは分かっています。それでも私は、あの娘の父親ですから!」
「もう私は、あなたを決して裏切ったりはしません。あなたに全力で協力します!ですからどうか、私を一緒に連れて行ってください!」
◆解説2
ここから先は購入判定が行える。但し、ここは其達たちの暮らす"狭間の街"。物の価値は人の世とは異なっている。
このシーンでの購入判定では、アイテムを通常の購入難易度とは異なる価格で買う事が出来る。
通常とは異なる価格で購入したい場合は、その購入したいアイテムの購入難易度を1D100で決定する。この時決定した難易度は、あくまでもその時のみの価格となる。他のPCが同様の方法で同じアイテムを購入する場合は、その都度1D100を振って新たに購入難易度を決定する。
もちろん通常の設定価格で購入することも可能となる。購入判定はPC1人につき1回までとする。
◆結末
PC達がマウス達を追いかけたらシーンを終了する。
■シーン13 狭間の街 シーンプレイヤー:PC②
◆解説1
クライマックス戦闘のシーン。
▼描写1
周囲に其達が佇む狭間の街を、君達は駆けて行く。求める人影はすぐに見つけられた。
マウスとマシュー達は、其達たちから狭間の秘宝について話を聞いているようだった。
「そんなものはこの街には無いだと!?そんなわけあるか!隠してっと痛い目見んぞ!」
そう怒鳴るマシューの声が聞こえてくる。どうやらまだ狭間の秘宝には辿り着けていない様子だ。
□マウス達にまだ気づかれていないPC達は、ニコレッタを彼らから盗み出す事を試みれる。挑戦する場合は下記判定を行う。但し、判定できるのは二人までとする。
[知覚判定:難易度14]
□判定に成功した場合、ニコレッタを無事マウス達から盗み出すことに成功する。これにより、クライマックス戦闘でカレルとニコレッタは戦闘から離脱した状態になる。
□失敗した場合は、ニコレッタを盗もうとしたことがバレてしまいマシュー達に攻撃を仕掛けられる。その攻撃から庇う為にカレルが間に割って入り、結果カレルが怪我を負ってしまう。これにより、ニコレッタは何とか盗み出すことに成功するがカレルが怪我を負ってしまったため、クライマックス戦闘でカレルとニコレッタは戦場から離脱出来ない状態になる。
□セリフ:マウス
(PC達に気が付いて)「おや?これは妙ですね。鍵を持たないあなた達が何故ここに?」
「ふむ。この街へ来るには鍵を用いて自主的に入るか、或いは...。」
「ああ、なるほど。我々と違い、あなた達は招かれた客人という訳ですか。それはとても幸運な事ですね。実に羨ましい。」
「それで?ニコレッタを助けに来たというわけですか?であれば、あなた達の目的は既に達しましたね。」
「おめでとう。あなた達が考え、努力した過程が、無事に良い結果を生みましたね。」
「折角ここまでご足労頂いたのです。どうでしょう?一緒に狭間の秘宝を探しませんか?」
「私は秘宝について研究したいだけですので、研究が済めばあなた方にお譲りいたしますよ?見つけていただければ報酬もお支払いしましょう。」
(PC達が拒否する)「そうですか。残念ですね。」
「では、研究の邪魔をされても困りますから、あなた方には暫く大人しくしていていただきましょう。」
□マウスのセリフの終わりに下記の御標が下る。
『白衣の科学者は誰に邪魔される事も無く、狭間の秘宝へと至るのでした。』
□歪み表2.0をROCする。
□セリフ:マウス
「では、御標に従う為にも、あなた達邪魔者には大人しくしていていただきましょう。」
「ああそれと、言い忘れていましたが私は既に人間ではありません。」
「先日、其達との合成実験に成功しましてね。この体は人間と其達で出来ているのです。」
「其達の身体、其達の感覚、これらはとても素晴らしいものです。人間だけだった頃には無い考えが浮かんできます。」
◆解説2
クライマックス戦闘。
PC達で一つのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【マシュー・トマソン】と【マシューの部下(精兵 (TMp179) or 護衛兵(書架p240))】1体を配置する。更にそこから5mの位置、PC達からは15mの位置に【マウス】を配置する。
この戦闘では、マウスの下した歪んだ御標が効果を発揮している。その内容は端的に言えば「マウスが研究の邪魔をされない」というものだ。マシュー達はマウスの為に戦っているため、御標に従おうと動いているが、カレルとニコレッタは自らの意思でその御標に反しようとしている。そのため、放っておくとカレルとニコレッタは異形化してしまう。
3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングまでに戦闘が終了していなかった場合は、カレルとニコレッタは異形化してしまう。戦闘が終了すれば元に戻るが、アフタープレイでの演目の目的に影響がある。この事は予めPL達に伝えておいても良い。
なお、もしも直前の判定でニコレッタを盗み出すことに成功している場合は、カレル及びニコレッタは戦闘から離脱した状態で戦闘が始まる。戦場に居ない彼らは御標の影響を受けないため、3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングになっても彼らは異形化しない。
戦闘の終了条件は、全ての敵の撃破である。
□セリフ:マウス
(戦闘開始時)「この体はまだ実験が足りていないものです。是非、あなた方にもご協力いただきたい。」
(HP100以下)「耐久性...に、優れているのですが...素晴らしい。あなた方の力は、それを遙かに上回っている。」
(HP0)「すばら...しい...。これほどの...力...、私は、あなた方に...興味が...湧きました。是非...じっ...けん...を...。」
◆結末
戦闘が終了したらシーンを終了する。
■シーン14 狭間の秘宝 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
共通エンディングのシーン。狭間の秘宝の正体が明かされるシーン。
▼描写1
助け出されたニコレッタはマウスが倒されるのを見届けてから、「お父さん!」と一言声をあげて父であるカレルに抱きついた。カレルが抱きかかえると、大きな声をあげて泣き出した。不安と緊張でいっぱいだった心が、父の下へと帰れた安心感で溢れ出してしまったのだろう。
□セリフ:カレル・G・コロンボ
「ああ!ニコレッタ!良かった。無事で本当に良かった!」
「もう大丈夫だ!大丈夫。父さんが付いてるからな!大丈夫。大丈夫だ。」
(PC達の方を見て)「本当に、ありがとうございます!娘を助けていたいて、なんとお礼を申し上げたらよいのか。」
「いえ、それよりも謝罪ですね。すみません舞い上がってしまって。」
「スケアクロウさん、あなたを利用し、そして裏切ってしまった事。深くお詫び申し上げます。本当にすみませんでした。」
「娘のためとはいえ、私はあなたを巻き込んでしまった。本当にすみません。」
「でも娘が助かったのは、あなた方のおかげです。本当に、ありがとうございました!」
▼描写2
こうしてコロンボ親子は無事に再会を果たし、狭間の街に侵入した不埒者達の成敗に成功した。後はスケアクロウの主目的で会った狭間の秘宝を探すだけだが、先ほどのマシュー達の反応を見るにお宝は見当たらなかったようだ。では狭間の秘宝とは、一体どのようなものでどこにあるのだろうか?
[知覚判定:難易度14]
□失敗した場合は、狭間の秘宝が何処にあるのか、それがどういう物なのか分からずじまいとなる。
□成功した場合は、狭間の街へと至るあの鍵こそ、狭間の秘宝ではないかと気づける。
□全てのPCが判定を終えたら、千顔の翁がPC達の前に姿を現す。
□セリフ:千顔の翁
「剥離せし日陰の者よ。鍵をその手にしたのだな。」
「これで招かれざる者達は、いずれ我が街を去るだろう。」
「日陰の者よ。そなたはその鍵を、如何様に扱う?」
「我に委ねるも、己の物とするも、あるべき場所へと返すも、無へと帰すも、そなたの選択だ。」
「そなたの選択が、その鍵の定めとなろう。」
◆結末
PC達が鍵の処遇を決め、狭間の街を出たらシーンを終了する。
以下はエンディングプロットとなる。これまでの展開に応じて、自由にシーンを演出すると良いだろう。
▼描写
こうして狭間の秘宝を巡る騒動は幕を閉じた。結局噂されていた狭間の秘宝は存在せず、会ったのは狭間の街へ自由に行き来できる鍵だけだった。
マシュー達赤銅の鈴の一味は、異形であるマウスに協力していたことをプラトーに知られてしまったらしい。既に商いの国の闇へと消えて行ってしまった彼らが一体どうなってしまったのかは、想像しない方がいいだろう。
カレルとニコレッタはスケアクロウ一行にひとしきりお礼を言った後に、いつも通りの日常へと帰って行った。
千顔の翁はあれ以来姿を見せていない。しかしきっと、千顔の翁も狭間の街も、変わらず"そこに"あり続けるのだろう。
【個別エンディングプロット】
■PC⑤:今回はある意味で無駄足となった。結局、当初求めていた秘宝とやらは存在せず、強いて稼げたことと言えばあの親子から謝礼をいくらか貰った程度だ。しかし、一組の不幸な親子を助けられと考えれば、案外安い報酬ではないのかもしれない。次の獲物でも君は、怪盗スケアクロウに振り回されるのだろう。
■PC④:目当てであった怪盗スケアクロウには会うことは出来た。しかしその時はマウス達を追うだとか、戦うだとかでバタバタしてしまって、落ち着いてスケアクロウと対面出来たわけではない。一段落した今この瞬間には、既に彼は居なくなっている。またしても彼を探す日々が始まりそうだ。
■PC③:かつての友マウスは、異形としてその身を虚無へと返した。その内に狂気を孕んでいたとはいえ、彼の研究欲は純粋なものだったと感じた。君は彼の研究を引き継いで、狭間の街について研究を始めても構わないし、彼の事を忘れ元の君の日常へと戻るのも良いだろう。
■PC②:無事ニコレッタを助け出した君は、かつての日常と同じくニコレッタと遊んでいる。遊び終わった後でニコレッタは君とお話をしたそうにしていた。その内容は恐らく、ニコレッタを颯爽と救ってくれた大怪盗のお話だろう。
■PC①:狭間の街には、秘宝と呼ばれるお宝は無かった。様々な貴重な体験は宝としては十分な物だろうが、しかし君は大怪盗スケアクロウ。実物としてのお宝を集めてこその怪盗だ。今回得られた獲物が無かった分、次の獲物により一層の期待を込めた。そうして大怪盗スケアクロウは、今日も左の地の夜闇を駆ける。
演目の目的を達成した項目については、以下のように判断すること。
・マウスを倒し、コロンボ親子を助けた:3点
・クライマックス戦闘で、コロンボ親子が異形化しなかった:1点
・シーン14での判定に成功し、狭間の秘宝の正体に気付いた:1点
・シーン9及びシーン10で鍵を入手する時、一度も判定に失敗しなかった:1点
■マシュー・トマソン
◆パーソナルデータ
種別:人間 レベル:11 サイズ:1
命:8 回:6 術:6 抵:5
行:13 HP:100 剥:4
肉:18/+6 知:18/+6 感:9/+3
意:9/+3 社:12/+4 縫:9/+3
攻:〈斬〉12 / 物理
対:単体 射:10m
防:斬2 / 刺2 / 殴2
◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
《覇者の風格》(MMp74) 2
《勇猛なる血》(MMp72) 1
《奇跡の指先》(MMp88) 1
【オート】
《絶対先制》 (MMp238) 1
《夜の蝶》(MMp89) 3
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
《威風堂々》(MMp74) 2
【マイナー】
《別れの一滴》(MMp90) 3
【メジャー】
《急所狙い》(MMp89) 1
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【マシュー・トマソン】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【デバフ】《威風堂々》(MMp74) 2
タイミング:セットアップ
判定値:自動成功 難易度:対決
対象:単体 射程:視界
解説:用心棒として、依頼主から注意を逸らす行動。効果詳細はMMp74を参照。
【攻撃】幻惑の毒刃
《覇者の風格》(MMp74) 2 + 《勇猛なる血》(MMp72) 1 + 《奇跡の指先》(MMp88) 1 + 《夜の蝶》(MMp89) 3 + 《別れの一滴》(MMp90) 3 + 《急所狙い》(MMp89) 1
タイミング:メジャー+マイナー+オート+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:10m
解説:毒と幻覚剤付きのナイフを投げつける攻撃。〈斬〉3D6+18のダメージを与える物理攻撃を行う。攻撃が命中した場合、対象に放心と邪毒3を与える。クリティカル値10。
■マウス
◆逸脱能力
□□《虚構現出》(MMp125)
□□《死神の招き》(MMp127)
□《瞬速行動》(MMp126)
□□《歪んだ幸運》(MMp127)
□□《完全否定》(MMp125)
□《静止する世界》(IZp145)
《虚構現出》は基本PCの《虚構現出》に対して使う。《虚構現出》を2連続で使用するのは避けること。
《死神の招き》は【改造吐炎器官】での攻撃に使用する。
《瞬速行動》は各ラウンドの一番最初のイニシアチブで使用する。
《歪んだ幸運》は【改造吐炎器官】での攻撃の命中判定に使用する。
《完全否定》は自身へのダメージ適用時に使用する。
《静止する世界》は《瞬速行動》を使い切っていて、かつ【マウス】のHPが100を下回っていたら直近のイニシアチブで使用する。
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:13 サイズ:2
命:9 回:3 術:4 抵:7
行:8 HP:200 剥:12
肉:15/+5 知:18/+6 感:18/+6
意:12/+4 社:6/+2 縫:9/+3
攻:〈斬〉16 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬2 / 刺0 / 殴1
◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
《御標の託宣》(MMp238) 1
《オオモノ》(MMp113) 3 (適用済み)
《ケダモノ》(MMp113) 3 (適用済み)
《無慈悲なる一撃》(MMp237) 3
【オート】
《虚なる魂》(MMp236) 1
《堕ちたる魂》(IZp230) 1
《一網打尽》(MMp77) 3
【ダメージロール】
《死の叡智》(IZp116) 2
【セットアップ】
《導きの星》(IZp117) 1
【マイナー】
《劇薬作成:放心》(IZp116) 1
【メジャー】
《ブレス攻撃》(IZp232) 3
《曇白の毒蛇》(MMp119) 3
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【マウス】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技・逸脱能力をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【バフ】《死の叡智》(IZp116) 2
タイミング:ダメージロール
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:単体 射程:視界
解説:弱った相手を的確に痛めつける方法を指示する行動。効果詳細はIZp116を参照。
【サポート】《導きの星》(IZp117) 1
タイミング:セットアップ
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:敵へ攻め入る最適な道筋を指示する行動。効果詳細はIZp117を参照。
【サポート】《一網打尽》(MMp77) 3
タイミング:オート
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:単体 射程:20m
解説:全ての敵に効率的に攻撃する方法を指示する行動。効果詳細はMMp77を参照。
【攻撃】改造吐炎器官
《ブレス攻撃》(IZp232) 3 + 《劇薬作成:放心》(IZp116) 1 + 《無慈悲なる一撃》(MMp237) 3
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:喉元に縫い付けた改造吐炎器官を用いた攻撃。〈術〉8D6点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象に放心を与える。
【攻撃】猛毒の鉤爪
《曇白の毒蛇》(MMp119) 3 + 《劇薬作成:放心》(IZp116) 1 + 《無慈悲なる一撃》(MMp237) 3
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:11 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
解説:鋭い其達の鉤爪に、マウス謹製放心剤を塗布して引っ掻く攻撃。〈斬〉4D6+16点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象に放心と邪毒3を与える。
■初期配置
PC達で一つのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【マシュー・トマソン】と【マシューの部下(精兵 (TM179))】1体を配置する。更にそこから5mの位置、PC達からは15mの位置に【マウス】を配置する。
この戦闘では、マウスの下した歪んだ御標が効果を発揮している。その内容は端的に言えば「マウスが研究の邪魔をされない」というものだ。マシュー達はマウスの為に戦っているため、御標に従おうと動いているが、カレルとニコレッタは自らの意思でその御標に反しようとしている。そのため、放っておくとカレルとニコレッタは異形化してしまう。
3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングまでに戦闘が終了していなかった場合は、カレルとニコレッタは異形化してしまう。戦闘が終了すれば元に戻るが、アフタープレイでの演目の目的に影響がある。この事は予めPL達に伝えておいても良い。
なお、もしも直前の判定でニコレッタを盗み出すことに成功している場合は、カレル及びニコレッタは戦闘から離脱した状態で戦闘が始まる。戦場に居ない彼らは御標の影響を受けないため、3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングになっても彼らは異形化しない。
戦闘の終了条件は、全ての敵の撃破である。
■戦闘プラン
●【マシュー・トマソン】はセットアップで《威風堂々》(MMp74) 2 を使用し、以降はPC達に積極的に攻撃していく。
●【マウス】はセットアップで《導きの星》(IZp117) 1を使用し、【マシュー】と【マシューの部下】をPC達のエンゲージに入れる。
●【マシューの部下】は同一エンゲージ上に【マウス】や【マシュー・トマソン】が居て、彼らへ攻撃が行きそうになった際に《騎士の心得》(MMp74) を使用する。それ以外ではPC達に通常攻撃を行う。
●【マシュー・トマソン】が攻撃する際は【幻惑の毒刃】を使用する。その際、【マウス】の《一網打尽》(MMp77) 3も同時に使用する。
●《死の叡智》(IZp116) 2は使用できるタイミングで積極的に使用する。
●【マウス】の攻撃は、PCが誰も【マウス】とエンゲージしていない場合は【改造吐炎器官】で攻撃する。PCが一人でも【マウス】とエンゲージしている場合は、エンゲージしているPCの中からランダムで【猛毒の鉤爪】で攻撃する。
●《虚なる魂》、《堕ちたる魂》は使用可能なタイミングで積極的に使用する。
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『カッサンドラの書架適用データ』
■マシュー・トマソン
◆パーソナルデータ
種別:人間 レベル:11 サイズ:1
命:8 回:5 術:6 抵:3
行:13 HP:150 剥:4
肉:18/+6 知:18/+6 感:9/+3
意:9/+3 社:12/+4 縫:9/+3
攻:〈斬〉12 / 物理
対:単体 射:10m
防:斬2 / 刺2 / 殴2
◆特技
【常時】
《無限の魔》(書架p232) 1
《覇者の風格》(書架p20) 2
《勇猛なる血》(書架p16) 1
《奇跡の指先》(書架p40) 1
【オート】
《夜の蝶》(書架p45) 1
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
《威風堂々》(書架p17) 2
【マイナー】
《別れの一滴》(書架p45) 1
【メジャー】
《急所狙い》(書架p42) 1
【イニシアチブ】
《絶対先制》 (書架p234) 3
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【マシュー・トマソン】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【デバフ】《威風堂々》(書架p17) 2
タイミング:セットアップ
判定値:自動成功 難易度:対決
対象:単体 射程:視界
解説:用心棒として、依頼主から注意を逸らす行動。効果詳細は書架p17を参照。
【攻撃】幻惑の毒刃
《覇者の風格》(書架p20) 2 + 《勇猛なる血》(書架p16) 1 + 《奇跡の指先》(書架p40) 1 + 《夜の蝶》(書架p45) 1 + 《別れの一滴》(書架p45) 1 + 《急所狙い》(書架p42) 1
タイミング:メジャー+マイナー+オート+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:10m
解説:毒と幻覚剤付きのナイフを投げつける攻撃。〈斬〉3D6+18のダメージを与える物理攻撃を行う。攻撃が命中した場合、対象に放心と邪毒3を与える。クリティカル値10。
■マウス
◆逸脱能力
□□《虚構現出》(書架p160)
□□《死神の招き》(書架p161)
□□《瞬速行動》(書架p162)
□□《歪んだ幸運》(書架p163)
□□《完全否定》(書架p159)
□□《憤怒の一撃》(書架p163)
《虚構現出》は基本PCの《虚構現出》に対して使う。《虚構現出》を2連続で使用するのは避けること。
《死神の招き》は【改造吐炎器官】での攻撃に使用する。
《瞬速行動》は各ラウンドの一番最初のイニシアチブで使用する。
《歪んだ幸運》は【改造吐炎器官】での攻撃の命中判定に使用する。
《完全否定》は自身へのダメージ適用時に使用する。
《憤怒の一撃》は【猛毒の鉤爪】での攻撃に使用する。
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:13 サイズ:2
命:9 回:3 術:6 抵:5
行:8 HP:250 剥:12
肉:11 (15)/+5 知:18/+6 感:18/+6
意:12/+4 社:6/+2 縫:9/+3
攻:〈斬〉26 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬2 / 刺0 / 殴1
◆特技
【常時】
《無限の魔》(書架p232) 1
《オオモノ》(書架p77) 1 (適用済み)
《ケダモノ》(書架p78) 5 (適用済み)
《無慈悲なる一撃》(書架p236) 3
【オート】
《虚なる魂》(書架p232) 1
《一網打尽》(書架p23) 3
【ダメージロール】
《死の叡智》(書架p25) 2
【セットアップ】
《導きの星》(書架p27) 1
【マイナー】
《劇薬作成:放心》(書架p24) 1
【メジャー】
《破滅の吐息》(書架p235) 7
《曇白の毒蛇》(書架p86) 3
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【マウス】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技・逸脱能力をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【バフ】《死の叡智》(書架p25) 2
タイミング:ダメージロール直前
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:単体 射程:20m
解説:弱った相手を的確に痛めつける方法を指示する行動。効果詳細は書架p25を参照。クラスレベルは3として計算する。
【サポート】《導きの星》(書架p27) 1
タイミング:セットアップ
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:敵へ攻め入る最適な道筋を指示する行動。効果詳細は書架p27を参照。
【サポート】《一網打尽》(書架p23) 3
タイミング:オート
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:単体 射程:20m
解説:全ての敵に効率的に攻撃する方法を指示する行動。効果詳細は書架p23を参照。
【攻撃】改造吐炎器官
《破滅の吐息》(書架p235) 7 + 《劇薬作成:放心》(書架p24) 1 + 《無慈悲なる一撃》(書架p236) 3
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:喉元に縫い付けた改造吐炎器官を用いた攻撃。〈術〉10D6点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象に放心を与える。
【攻撃】猛毒の鉤爪
《曇白の毒蛇》(書架p86) 3 + 《劇薬作成:放心》(書架p24) 1 + 《無慈悲なる一撃》(書架p236) 3
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:11 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
解説:鋭い其達の鉤爪に、マウス謹製放心剤を塗布して引っ掻く攻撃。〈斬〉4D6+26点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象に放心と邪毒3を与える。
■初期配置
PC達で一つのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【マシュー・トマソン】と【マシューの部下(護衛兵 (書架p240))】1体を配置する。更にそこから5mの位置、PC達からは15mの位置に【マウス】を配置する。
この戦闘では、マウスの下した歪んだ御標が効果を発揮している。その内容は端的に言えば「マウスが研究の邪魔をされない」というものだ。マシュー達はマウスの為に戦っているため、御標に従おうと動いているが、カレルとニコレッタは自らの意思でその御標に反しようとしている。そのため、放っておくとカレルとニコレッタは異形化してしまう。
3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングまでに戦闘が終了していなかった場合は、カレルとニコレッタは異形化してしまう。戦闘が終了すれば元に戻るが、アフタープレイでの演目の目的に影響がある。この事は予めPL達に伝えておいても良い。
なお、もしも直前の判定でニコレッタを盗み出すことに成功している場合は、カレル及びニコレッタは戦闘から離脱した状態で戦闘が始まる。戦場に居ない彼らは御標の影響を受けないため、3ラウンド目のセットアッププロセス開始タイミングになっても彼らは異形化しない。
戦闘の終了条件は、全ての敵の撃破である。
■戦闘プラン
●【マシュー・トマソン】はセットアップで《威風堂々》(書架p17) 2 を使用し、以降はPC達に積極的に攻撃していく。
●【マウス】はセットアップで《導きの星》(書架p27) 1を使用し、【マシュー】と【マシューの部下】をPC達のエンゲージに入れる。
●【マシューの部下】は同一エンゲージ上に【マウス】や【マシュー・トマソン】が居て、彼らへ攻撃が行きそうになった際に《割り込み》(書架p237) 1や《攻撃集約》(書架p233) 1 を使用する。それ以外ではPC達に通常攻撃を行う。
●【マシュー・トマソン】が攻撃する際は【幻惑の毒刃】を使用する。その際、【マウス】の《一網打尽》(書架p23) 3も同時に使用する。
●《死の叡智》(書架p25) 2は【マシュー・トマソン】の【幻惑の毒刃】に対して使用する。
●【マウス】の攻撃は、PCが誰も【マウス】とエンゲージしていない場合は【改造吐炎器官】で攻撃する。PCが一人でも【マウス】とエンゲージしている場合は、エンゲージしているPCの中からランダムで【猛毒の鉤爪】で攻撃する。
●《虚なる魂》は使用可能なタイミングで積極的に使用する。
TRPG同人サークル「野菜農園」に所属しています。主に「モノトーン・ミュージアムRPG」のシナリオを作成してます。Pixivにも投稿しています。 Twitter → @bJHbwZR2YDFrnL7
https://www.pixiv.net/member.php?id=43291011
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