HOのPC①及びPC④、⑤が共通した演目「怪盗スケアクロウシリーズ」の第四弾。第四弾は左の地南部の灼砂砂漠を舞台にした演目。
■演目データ プレイヤー:4~5人 演者レベル:3 プレイ時間:約6~8時間(※オンセにおける想定時間)
※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』『トレイメント(以降TM)』を所持している必要がある。また本演目にはスーパーシナリオサポート(以降SSS)のvol.4「潮騒は熱砂に顕つ」に掲載されているNPC・設定が登場する可能性がある。必須ではないが所持を推奨する。
●最初に
本シナリオを遊ぶGM(ゲームマスター)は、本文及びデータの内容を、複製したものに限り、改竄、削除及び加筆を行ってもよいものとします。
また本シナリオを遊んだことにより生じたあらゆる問題について、当方では一切の責任を負いかねます。予めご了承いただける方のみ、ご利用ください。
【要約:遊ぶ時に、話の流れやPCの設定で、シナリオの内容やデータ(エネミーデータ含む)が変わっても問題ありません。他のシナリオをプレイする時、このシナリオの設定を持ち込むのであれば必ずGMに相談しましょう。】
プリプレイ
◆◆◆モノトーンミュージアムRPG演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」◆◆◆
■演目データ
プレイヤー:4~5人
演者レベル:3
プレイ時間:約6~8時間(※オンセにおける想定時間)
※本演目は、ゲームマスター(以降GM)が『モノトーン・ミュージアムRPG(以降MM)』及び『インカルツァンド(以降IZ)』『トレイメント(以降TM)』を所持している必要がある。また本演目にはスーパーシナリオサポート(以降SSS)のvol.4「潮騒は熱砂に顕つ」に掲載されているNPC・設定が登場する可能性がある。必須ではないが所持を推奨する。
※本演目で『モノトーンミュージアムRPG データアーカイブ カッサンドラの書架』を適用する場合は、使用するエネミーデータが異なる。GMは運用を間違えないように注意すること。
■本演目について
HOのPC①及びPC④、⑤が共通した演目「怪盗スケアクロウシリーズ」の第四弾。第四弾は左の地南部の灼砂砂漠を舞台にした演目。
◆ 予告状 ◆
南部には多くの伝説が残されている。
願いを三つまで叶えてくれる魔人のランプ。
空を自由に飛び回れる魔法の絨毯。
合言葉を言わないと入れない金銀財宝の眠る洞窟。
今宵の獲物はそんな伝説たちの一つ。
灼砂砂漠のどこかにあるとされる「神秘のオアシス」。
鍵を握るは一人の少年。
待ち受けるのは泉の祝福か或いは・・・。
モノトーンミュージアム
「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」
ーーー今宵のお宝も、怪盗スケアクロウが頂戴する。
◆ ハンドアウト ◆
各PCには以下の設定がつく。GMはセッション開始時にPLとよく相談すること。PLが5人以下になる場合は、PC番号の若い順に使用すると良い。
PC①:左の地を騒がせる大怪盗スケアクロウ
PC②:灼砂流し
PC③:塩の国の海守り
PC④:怪盗スケアクロウを追う者
PC⑤:怪盗スケアクロウの仲間
演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」【PC①用ハンドアウト】
■パートナー:サビーン 推奨感情:期待
■PC間パートナー:PC②
■クイックスタート:宵闇の怪盗 (MMp48)
■指定クラス:日陰者
君は左の地を騒がせる大怪盗スケアクロウだ。
どうして怪盗をしているのか、どのような怪盗なのかは自由に決めてよい。
今回君が目を付けたのは、南部に伝わる伝説の泉「神秘のオアシス」だ。
オアシスそのものを盗むのは勿論無理だが、その泉の水を飲んだ者には何かがあるという。
好奇心をくすぐられた君は、砂漠に詳しい民「灼砂流し」達を求めて砂漠へと向かった。
演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」【PC②用ハンドアウト】
■パートナー:イニィーゴ 推奨感情:有為
■PC間パートナー:PC③
■クイックスタート:魔弾の射手 (IZp86)
■指定クラス:なし
君は灼砂砂漠に生きる民、灼砂流しだ。イニィーゴの部族とは違う部族に属している。
つい先日、君の部族は噂の盗賊団「黒蠍」に襲われた。幸い部族には強い戦士が多く、盗賊団を追い払うことに成功した。
しかし、盗賊団の実力もそこそこあり部族の秘宝「砂の香炉」を盗まれてしまう。
盗まれた秘宝を取り返すために、君は部族の族長から黒蠍の追跡を命じられる。(或いは君自身が族長であるなら、その責務として自ら取り返すために動く。)
一番直近で交流のあったイニィーゴの部族に話を聞くために、君は自身の部族を一時離れるのだった。
演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」【PC③用ハンドアウト】
■パートナー:ジャシム 推奨感情:憎悪
■PC間パートナー:PC④
■クイックスタート:潮騒の担い手 (IZp88)
■指定クラス:海守り
君は塩の国に所属する海守りだ。表面上は人間と敵対している。
君の上司である海守りにとある御標が下された。その内容は「君と人間が手を取り合って黒い蠍達を討つ」というようなニュアンスのものだったらしい。
最近、灼砂砂漠でよく出没するようなった盗賊団「黒蠍」。
人間たちを人間たちが襲っているのなら放置しても問題なかったが、斥候の報告によるとどうやら海守り達も時折襲われているらしい。
御標達成のため、そして襲われた同胞たちの為に、君は盗賊団「黒蠍」を追うのだった。
演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」【PC④用ハンドアウト】
■パートナー:ライカ 推奨感情:庇護
■PC間パートナー:PC⑤
■クイックスタート:針の魔女 (MMp36)
■指定クラス:なし
君は彼の大怪盗スケアクロウを追う者だ。
どのような理由で追っているのかは自由に決めてよい。
君の情報網によると、スケアクロウの次の目的地はどうやら南部の様だった。
南部紛争地帯。あまりにも危険なこの地で、一体何を盗み出そうというのだろうか?
スケアクロウの目的がいまいち見えてこない君は、彼を追って砂漠へと突入していった。
演目「怪盗スケアクロウと神秘のオアシス」【PC⑤用ハンドアウト】
■パートナー:サビーン 推奨感情:好奇心
■PC間パートナー:PC①
■クイックスタート:名もなき旅人 (MMp34)
■指定クラス:なし
君は彼の大怪盗スケアクロウの仲間だ。
どのような関係なのかはPC①のPLと相談して決めること。
今回の獲物はなんと、南部の伝説にあるオアシスらしい。
まさか泉の水を全て汲んで盗むわけでもあるまい。そもそもオアシスは自然物なので、盗むという表現もどうも違いそうだが。
ともかく今回の仕事場は南部紛争地帯だ。死の危険と隣り合わせの戦場なのだから、いつも以上に警戒しなければならない。
◆ 舞台設定:【南部紛争地帯】 ◆
左の地南部の紛争地帯。四大国の一つ、塩の国がある地域。
詳細はMMp205及びIZp186を参照するとよい。
また、もしもGMが所持しているのであればSSSvol.4「潮騒は熱砂に顕つ」のp38も参照することを推奨する。
◆ NPC ◆
■サビーン
童子
「神秘のオアシス?それって伝説の?」
灼砂流しの少年。9歳。男。
灼砂砂漠を転々と移動しながら生活する灼砂流しの部族の少年。
生まれた時から灼砂流しとして生きているため、砂漠やその地に根差す伝説に詳しい。
旅人たちに伝説や噂話をする代わりに、砂漠の外の話をせびる。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
以降はPL達には秘匿の内容となる。GMはプリプレイで公開しないよう注意する事。
南部に伝わる伝説、神秘のオアシスへの道を知っている少年。
そのオアシスに住む其達のライカとはとても仲のいい友達。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
■イニィーゴ
賢者 / 術者
「我ら砂漠の民は、砂漠に生き砂漠に死ぬのみ。」
灼砂流しの族長。54歳。男。
サビーンが属する灼砂流しの部族の族長。
シャーマンとしての技術を有しており、この地特有の精霊術を用いる。
基本的には部族を護る様に行動するが、人の生き死にやその過程を全て精霊の導きと考えているため、どうしようもない時は割と簡単にあきらめる。
サビーンには結構甘い。
■ライカ
其達 / 賢者
「プァー!」
サビーンに懐いている其達。?歳。無性。
イニィーゴの部族に勝手について来ている其達。部族で飼われているわけではない。
砂漠地帯で単身でも生きていけるほどの強靭な肉体と体力を備えている。
成人男性と同じくらいの大きさの、獣の様な見た目をしている。
サビーンの親友であり、サビーンの為ならば危険も顧みない。
■ジャシム
日陰者 / 戦人
「オアシスの水はアタシたちのモンだ!邪魔する奴ァぶっ殺す!」
盗賊団「黒蠍」の頭領。32歳。女。
灼砂砂漠を縄張りとした盗賊団「黒蠍」の頭領。「黒蠍」の一員の証である黒い蠍のタトゥーは服の下に隠れている。砂漠に訪れた旅人や商隊を襲って物品を奪っている。
平気で人を殺すような冷徹な女だが腕っぷしがそこまで立つわけではなく、また頭もそんなに良くはない。
◆ 演目背景 ◆
南部に伝わる一つの伝説の話。灼砂砂漠のどこかにあると言われる神秘のオアシスの話だ。
そのオアシスは、この世のものとは思えないほど美しく、砂漠の只中にあるにも関わらずその周囲では豊かな緑が生い茂っているという。
そして、そのオアシスの水を飲んだ物は不死者に成れるとも。
オアシスへの道を唯一知っている少年【サビーン】は、噂を聞きつけた盗賊団「黒蠍」に襲われる。PC達が彼を助けることからこの演目は始まる。
恩人であるPC達にお礼を言うのも束の間、サビーンに一つの御標が下る。それは、黒蠍の頭領【ジャシム】を神秘のオアシスへと案内するものだった。勿論この御標は歪んだものだ。
しかし、御標に逆らえないサビーンは結局ジャシム達を案内してしまい、神秘のオアシスの水を飲まれてしまう。
オアシスを守ろうとした其達【ライカ】は傷付けられ、水を欲張って何度も飲んだジャシムは化物へと変わってしまう。
オアシスの水は一度飲むだけなら不死者へと成れるが、それ以上に呑んでしまうと化物になってしまう。
PC達がジャシムを倒す事で演目は終幕を迎える。
■シーン1 遭難する怪盗 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
PC①と⑤のオープニング。灼砂砂漠で遭難するシーン。
▼描写1
左の地、南部。
灼砂砂漠。
数々の伝説や噂が眠る灼熱の大地。お宝を求めて砂漠入りをしたトレジャーハンターが、そのまま帰らずの人となる話はよくある事だった。
灼砂砂漠にあると噂される【神秘のオアシス】を求めて、PC①は砂漠に詳しい【灼砂流し】のガイドと共に砂漠入りを果たしていた。
□セリフ:灼砂流しのガイド
「PC①さん。砂漠とはとても過酷な地です。どうか私から離れないでください。」
「体力を奪う照りつく太陽と歩きづらい砂地。その他砂漠にあるあらゆるものが、我々人間にとって脅威となります。」
「私は砂漠に暮らす民ですから、そういった脅威に対抗する術を知っています。私の部族の者達も同様です。砂嵐が来ずらい場所を拠点にしています。」
「もう少しで私の部族の居住地です。ですが、あと少しだからといって油断しないでくださいね?くれぐれも私から離れないでください。」
「もしも私から離れてしまえば、そして運悪く砂嵐なんて来てしまえば、あなた一巻の終わりですからね?」
□ガイドの心配した通り、砂嵐がPC①を襲う。その規模は大きく、PC①はガイドとはぐれてしまう。
□PC①がガイドに呼びかけても反応は帰ってこない。PC①は完全にガイドとはぐれてしまう。
▼描写2
ガイドの男とはぐれてから、どれくらいたったのだろう?もうすでにかなりの時間を歩いていたが、一向に砂嵐は晴れる気配がない。見渡す限りの砂・砂・砂。もはや体力は限界を迎えていた。
もう駄目かと地面に倒れこむ君達は、砂嵐で姿形が判然としない大きな影が迫ってくるのを感じた。その影が君達に近づいて来て、そこで君達の意識は途切れた。
◆結末
シーンを終了する。
■シーン2 黒蠍襲撃 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
PC②のオープニング。自身の部族が黒蠍に襲撃されるシーン。もしもPC②が自身の部族の族長である場合は、描写1を少し変えるといいだろう。
▼描写1
砂漠の夜は危険が多い。単純に寒いという事もあるが、その他に危険な生き物や砂嵐、或いは盗賊などの脅威がある。なので大抵の場合は、寝ずの番をする者が必要になってくる。
今回の番を担当する君は、少しの眠気に襲われながらもその勤めを果たしていた。
[知覚判定:難易度10]
□判定に失敗した場合は、賊の侵入に気付けずに財産を少し取られてしまう。財産点-2点。
□判定に成功した場合は、賊の侵入に即座に気付くことができ、財産を盗まれる事なく対処が出来る。
▼描写2
「盗賊だーー!」。別の当番の者が声を上げていた。辺りを見渡すと、既に周囲一帯を盗賊たちが包囲していた。その盗賊たちの腕には、特徴的な黒い蠍のタトゥーがあった。
こっそりと盗みを働くことに失敗した盗賊たちは、腰に差したシャムシールを抜き放つとPC②やその仲間たちに向けた。
□PC②が宣言すれば盗賊たちは倒すことが出来る。
□PC②が盗賊たちを倒すと、族長のテントから一人の女盗賊が飛び出してくる。その手には村の秘宝【砂の香炉】が握られている。
□女盗賊が「物は手に入れた!引き上げだ!」と声を上げると、盗賊たちは一目散に逃げていく。
▼描写3
何とか盗賊たちを追い払う事に成功したPC②。部族の皆も声を上げて喜んでいる。しかし君は確かに見た。盗賊の一人が、部族の秘宝である【砂の香炉】を持ち去っていったのを。
ほどなくして、部族の者も気づいた。秘宝が盗まれていることに。
□セリフ:部族の男
「我らの秘宝【砂の香炉】が先ほどの盗賊団に盗まれた。」
「あれは我らの部族が代々守って来たもの。必ず取り返さなければ」
「恐らく先ほどの盗賊団は最近噂の【黒蠍】という者達だろう。黒い蠍のタトゥーが目印だ。」
「ここから一番近い部族だと、先日取引をしたイニィーゴの部族があるはずだ。そこで情報を集めるといい。」
(PC②が族長の場合)「部族の長として、責務を果たしてくれ。武運を。」
(PC②が族長でない場合)「族長から直々の命だ。頼んだぞ。」
◆結末
PC②が自身の部族を離れたらシーン終了。
■シーン3 海守りへの辞令 シーンプレイヤー:PC③
◆解説
PC③のオープニング。塩の国で自身の上司から辞令を受けるシーン。
▼描写1
塩の国は現在人間たちと戦争をしている。
そのため、塩の国の海守り達は人間を良く思っていない者達が多い。人間と仲が良い海守りはほとんど居らず、いたとしても話題に上げるようなことはほとんどしない。
だからこそ、君の上司に下された御標は塩の国の話題の種となっていた。
□セリフ:上司の海守り
「PC③。私に下された御標の達成の為に、お前に協力してもらう。」
「黒蠍とかいう人間の盗賊団を探し出し、これを壊滅させて来るのだ。」
「彼奴らは人間どもに対してだけでなく、我らが同胞にも手をかける事があるそうだ。絶対に許してはおけない!」
「・・・内容がこれだけならばよかったのだがな。御標にある通り、人間の協力者と共に事に当たってくれ。」
「どんな人間と協力するのかは指定されていなかった。我々が協力を取り付けられるとしたら灼砂流しどもが妥当だろう。」
「貴重な紡ぎ手という戦力を、こんな人間なんぞの盗賊団退治に裂きたくはないのだが、これも御標達成のためだ。」
「私は次の大規模作戦の会議に出席しなければならない。すまないがこの件はお前に一任することになる。くれぐれもよろしく頼むぞ。」
□PC③がわざわざ行く理由は、上司に下された御標が「PC③が人間と共に黒蠍を討つ」というニュアンスの内容だったからだ。
◆結末
PC③が塩の国を後にしたらシーンを終了する。
■シーン4 砂漠入り準備 シーンプレイヤー:PC④
◆解説
PC④のオープニング。街で情報収集をするシーン。
▼描写1
怪盗スケアクロウはあらゆる場所に出没する。北に南に東に西に、様々な場所で盗みを働く大怪盗は、今度は南部へと足を運んだらしい。
灼砂砂漠の入口に位置する町の酒場で、君はいつものように情報収集を行っていた。
□PC④が客に話を聞きにいかない場合は、酔っ払いの客の方から話しかけてくる。
□セリフ:酔っぱらった客
「あんたぁ、ここらじゃ見ない顔だなぁ。もしかして、あんたもお宝目当てかい?」
「灼砂砂漠にはお宝の伝説や噂が絶えねぇからなぁ。」
「この前も、街にたまたま来てた灼砂流しの男に砂漠の案内頼んでる奴がいてよぉ?そいつ、どうやら【神秘のオアシス】の伝説を追ってるみてぇなんだ。」
「ただ、さっきから風の様子がおかしいからなぁ。そいつ今頃嵐にでも遭ってんじゃねえかなぁ?」
(PC④がスケアクロウについて聞く)「スケアクロウ?誰だい?それ。」
「南部は今色々と物騒だからよぉ、北の方の情報があんま入ってこねぇんだよなぁ。」
「そのスケなんとかは知らねぇが、最近この街に来たよそ者はアンタ以外だとさっきの話の奴ぐらいだ。」
「ああ、もしアンタも砂漠入りするってんなら気を付けなぁ。最近ここいらを黒蠍っていう盗賊団が荒らしてんだ。」
「意外と腕がたつって話だから、行くなら用心しなよ?」
▼描写2
情報を集め終え、君が酒場を後にしようとすると、入口を塞ぐように二人の男が行く手を阻んだ。
後ろから先ほどの酔っ払いの声が聞こえてくる。
「話を聞いてくだけ聞いてさようならってのはねえんじゃねぇのか?情報だってただじゃねぇ。なぁに、ちょいと酒を奢ってくれりゃいいさ。」
入口に立つ男たちもニヤリと笑い、その手を差し出してくる。
[肉体または社会判定:難易度8]
□ [肉体] で成功した場合は、入口に立つ屈強な男たちをその力で退け、酔っ払いの客に肉体言語で情報の対価を支払った。
□ [社会] で成功した場合は、社交性や交渉術、話術などによって財産点を消費しない程度の支払い (或いは全く支払わずに) で事なきを得る。
□失敗した場合は、男たちの威圧感に負け泣く泣く酒代を支払わされた。幸い本当に少し奢る程度で済んだ。財産点を-2点する。
◆結末
PC④が灼砂砂漠へ向かったらシーンを終了する。
■シーン5 灼砂流しとの遭遇 シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
PC①、②、⑤の合流シーン。NPCであるサビーン、イニィーゴともこのシーンで遭遇する。PC①は任意のタイミングで登場可。PC②は描写2以降から登場可。
▼描写1
砂漠で砂嵐に遭い、ガイドともはぐれ終わりを悟って意識を失った君は、暗闇の中で何かに声をかけられていた。
人ではない。獣とも言い難い。奇妙に甲高く間の抜けたその声に、君は目を覚ました。瞳を開けると、目の前には奇妙な獣?が君の顔を覗き込んでいた。
□セリフ:ライカ
(心配そうに顔を覗き込んで)「プァー?」
(PC⑤が目覚めたことに気付いて)「プァ?・・・プァー!プァー!」
▼描写2
奇妙な獣・・・恐らく其達が君の目覚めに気付くと、テントの外へと駆け出して行った。
其達が駆け出して行ったのを見届けて、改めて状況を整理すると、どうやら君は誰かに助けられたようだった。寝かされていた場所は小さなテントで、テントの外には複数の人の気配を感じる。
先ほどの其達が呼んだのか、君の居るテントに幼い少年と年老いた男性が訪れた。
□セリフ:サビーン
「あんた目が覚めたんだな!よかった。」
(其達を指しながら)「砂嵐ん中でぶっ倒れてたのを、ライカが見つけて運んでくれたんだ。こいつに感謝してくれよな?」
□セリフ:イニィーゴ
「どこか体に異常はないだろうか?助かって本当に良かった。」
「彼から・・・君たちの雇ったガイドから話を聞いた。我が部族に会いに来たと。」
「私はこの部族をまとめる長、イニィーゴだ。今回は本当にすまなかった。私の部族の者の不手際でこのような事になってしまって。」
「だがどうか彼を責めないで欲しい。砂漠の砂嵐はいつ来るか分からないものなのだ。全ては精霊の導きのまま。運が悪かったのだと水に流してほしい。・・・もっともこの砂漠には、水なんてほとんどないのだが。」
□PC②がイニィーゴ達に黒蠍について話を聞くなら、彼らは知らないと答える。イニィーゴ達は黒蠍にまだあったことが無いのだ。
□スケアクロウ達が神秘のオアシスについて聞く場合は、「詳しい話はあとにして、まずは食事でも」と言われて話を流される。
◆結末
ある程度の会話が済んだらシーンを終了する。
■シーン6 海守りと人と シーンプレイヤー:PC③
◆解説
PC③、④の合流シーン。PC④は途中から登場可。PC③は南部の状況も相まって人間との協力が難しい可能性がある。GMは上手くPC③と④が協力関係になる様に演出すると良いだろう。
▼描写1
同胞に下された御標達成の為に黒蠍の調査を開始した君は、協力者に成りえる人間たち、灼砂流しを探して砂漠を歩いていた。
海の小瓶を持っているとは言え、砂漠を長時間歩くのは海守りでも厳しい。休息と海の小瓶の補充を目的として、君は近くにある海へと訪れていた。その海が、どのような状況にあるのかも知らずに。
□PC③が海へと近づくと、海のそばで拘束されている海守りを見つけられる。そのすぐ近くにはナイフを持った人間の盗賊の姿もある。
□PC③がこっそり近づいたり、遠くから攻撃しようとする場合は、盗賊に気付かれて海守りを人質にされてしまう。
□セリフ:盗賊の男
「そこの海守り!それ以上近づくな。動くな。しゃべるな!お前のお仲間がどうなっても知らねえぞ!」
「くくく!海守りってのはホントにバカだよなぁ!赤の他人なんてほっときゃいいのに、海守りの同胞ってだけでこうして動けなくなっちまう。」
「良いか動くなよ?今からこいつに奴隷の首輪を付ける。その次はお前だ。変な真似すりゃ、こいつは殺す。」
□PC④はここから登場可。
□PC④が登場する際は盗賊たちに気付かれずに登場できる。PC④が望むなら盗賊を倒しながら登場することも可能。
□PC④が登場してから盗賊を倒す場合、またはPC③が素早く盗賊を倒そうとする場合は下記判定を行う。
[肉体または知覚判定:難易度10]
□成功した場合は、見事に盗賊を打倒すことが出来る。勿論人質は無事だ。描写2へ移る。
□失敗した場合は、盗賊を倒す事は出来るものの、人質への一撃を止めることは叶わなかった。人質だった海守りはその喉元を掻き切られ、止めどなく血を流し続ける。描写2を飛ばして描写3へ移る。
▼描写2
無事に助け出された海守りは君達に感謝を述べ、事の経緯を語った。
最近噂になっていた盗賊団【黒蠍】の連中に襲われた事。
黒蠍の頭領らしき女の使う香炉の様な魔道具で動きを封じられ、捕らえられてしまった事。
自分を見張る役を一人残して、残りの奴らはこの先に居る灼砂流しの部族を襲いに向かった事。
どうやら目的の盗賊団は灼砂流しの部族を襲いに行ったらしい。奴らが向かってからそれほど時間は経っていない。今から向かえば、部族が襲われる前か、或いは襲われている最中に出くわせるだろう。
助けられた海守りは改めて感謝を述べ、君達にお礼を渡してくる。
□PC③及び④は「塩 (IZp156 or 書架p201) 」または「海の幸 (IZp156 or 書架p200) 」を獲得する。どちらを得るかは各PCがそれぞれ選択する。
□描写2を演出したら、描写3を飛ばして結末となる。
▼描写3
首元から血を流し続ける海守り。ほどなくして事切れるのは、誰が見ても明白だった。
かろうじてまだ息のある海守りは、君達に何かを伝えようとしているのか、砂漠の彼方を指さした。
喉を切られてしまったため声を出すことは出来なかったが、魔法で水を操り言葉を紡いだ。
「奴らは危険だ。どうか仇を。そして、他の同胞に危険が及ばない様に・・・。」
文章は途中で途切れていた。その続きは、永遠に書かれる事は無かった。
彼が最期に指さした方向に、恐らく盗賊団【黒蠍】が居るのだろう。
◆結末
PC達が海守りの言う方向へ向かったらシーンを終了する。
■シーン7 黒蠍登場 シーンプレイヤー:PC①
◆解説
ミドル戦闘のシーン。PC②、PC⑤は最初から登場可。PC③、④は戦闘直前か戦闘開始後に登場可。
▼描写1
スケアクロウは助けてくれた部族の者達と交流をしていた。
イニィーゴが率いる灼砂流しの部族。彼らは現在砂漠を次の海に向けて移動中である。日のあるうちはなるべく歩き、日が傾き始めたらテントを張り夜を越す。
既に日が傾き始め、夜を越すためのテント張りが始まっていた。
□セリフ:サビーン
「PC①!テント張るの手伝ってくれよ!」
「俺たちの部族に居るうちは、仕事はキッチリやってもらうぜ?客扱いなんてないからな!」
「そういやさ、アンタって確か【神秘のオアシス】を探してんだよな?」
「う~ん・・・ライカが助けたってことは、悪い奴じゃないと思うんだよなぁ。」
「・・・よし!じゃああんたにだけコッソリ教えてやるよ!俺な、実は行ったことあるんだ。【神秘のオアシス】に。」
「まぁ何の変哲もないオアシスだったけどな。確かに神秘的でスゲー綺麗だったけど。それだけだぜ?何か特別なもんとかなかったと思うし。」
(PC①に案内を頼まれたら)「ええ~?どうしようかなぁ?」
「じゃあ、俺が大金持ちに成れるくらいの金をくれたら、案内してやっても良いぜ!」
「・・・なんてな!嘘嘘冗談だよ!そもそもあそこは、俺だけの場所じゃねえからさ。勝手に誰か連れてくなんて出来ねぇよ。」
▼描写2
夜も更け、食事を終えた部族の者達は各々のテントで寝始めた。PC②の助言を受けて見張りの人数は普段の倍立てているらしく、サビーンは「今夜は特に安心して眠れそうだよ!」と言っていた。
PC①もテントへと入り、就寝しようとしたが、妙な気配を感じ取った。
日陰に生きる者特有の、不穏な気配を。
[知覚判定:難易度10]
□成功した場合は、黒蠍の不意打ちに対処できる。そのままミドル戦闘へ。
□失敗した場合は、黒蠍の不意打ちに気付けない。【不意打ち (IZp220)】が発生した状態でミドル戦闘へ。
□黒蠍達と戦闘になる。下っ端の黒蠍達のデータは【兵団 (IZp233)】と【兵士 (MMp239 or 書架p240)】を使用し、【ジャシム】のデータは【ひきいるもの (TMp179 or 書架p248)】を使用する。
□PC達と黒蠍達で一つのエンゲージを構成する。黒蠍達の構成は【兵団 】×1体と【兵士】×2体と【ジャシム】×1体となる。書架を適用する場合の構成は【兵士】×2体と【ジャシム】×1体となる。
□PC③及び④はこのタイミングか戦闘開始後の最初のラウンドのセットアップのタイミングで登場可。この際、PC③及び④は不意打ちの効果を受けない。
□戦闘の終了条件は全てのエネミーの撃破である。
□セリフ:ジャシム
(戦闘開始時)「おんやぁ?アンタ、砂漠の民じゃないね?こりゃ運の無いこった。タイミング悪く、アタシらの獲物に成っちまうなんてな!」
(戦闘終了時)「チッ!こいつら、雇われの傭兵かなんかかい!?仕方ない、お前ら!ずらかるぞ!」
「この香炉の効果がどれほどのもんか分かんないからね。逃げる時に使えりゃ上々さ!」
□ジャシムが腰に付けた大き目の鞄から【砂の香炉】を取り出すと、その香りを嗅いだPC達は動きが鈍くなる。具体的には重圧と狼狽が与えられる。
◆結末
PC①達の動きが鈍っている間に黒蠍達は逃げていく。シーンを終了する。
■シーン8 夜の宴 シーンプレイヤー:PC④
◆解説
PC達の合流シーン。PC④がPC①に協力しやすいように御標が下る。NPCやPC達の交流を意識すると良い。
▼描写1
死傷者を出すことなく、無事に黒蠍の撃退に成功したPC④達。周囲を暫く警戒するも、盗賊団の気配は無かった。
賊の撃退に成功した灼砂流し達は、一瞬目を見合わせた後に歓声を上げた。一緒に黒蠍を撃退してくれたPC④達にも感謝を述べ、お礼代わりの宴を開いた。
□セリフ:サビーン
「スゲーなPC①!あんな強そうな盗賊たちを追い払っちまうなんて!」
「俺たちだけじゃ怪我人や死人が出てたかもしれない。本当にありがとな!」
(PC④達に向けて)「あんたらも助けてくれてありがとう!」
「そういや、アンタら誰だ?ここにいるってことは俺たちの部族に用でもあるのか?それとも、PC①達に?」
□PC④がPC①に何かしらアクションをしようとしたら下記の御標を下す。
『外より来る強き者、砂の地に生きる子の導きで、望みの宝へたどり着く。―--めでたしめでたし。』
□セリフ:サビーン
「え!?こ、これって、族長が言ってた【精霊の導き】って奴か!?」
「スゲー!初めて聞いた!これが外の人たちが言うところの【御標】ってやつか!」
「これって俺とPC①の事だよな?じゃあ、俺がPC①を【神秘のオアシス】に連れて行けばいいって事か?」
「う~ん。でもなぁ。連れてきたいのはやまやまだけど、俺が勝手に決めらんないからなぁ。」
「・・・よし!じゃあ明日!明日ちょっと相談してみるよ!」
「PC①を連れてくのが、俺に下された【精霊の導き】なんだから。きっとアイツも分かってくれるはず!」
□ジャシムの特技《舞台裏のネズミ》が使用される。ジャシムが使用したことを伏せ、特技が使用された事実をPL達にも伝えること。
◆結末
PC達とNPCの会話がひと段落したらシーンを終了する。
■シーン9 情報収集 シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
情報収集シーン。全PC登場。判定に成功した項目次第で次のシーンが変わるため、GMは処理に注意する事。
▼描写1
翌日。灼熱の日差しが降り注ぐ砂漠の只中で目覚めたPC⑤達は、サビーンからの「悪い!日課の仕事片づけてくる!ついでに相談もしてくるから、また後で話そうぜ!」という言葉を受けて暇を持て余していた。
幸い昨夜の出来事で今日の日中の移動は中止のようで、情報収集や物品調達には最適なタイミングだった。
◆解説2
本演目での情報収集は、各PCが一度だけ情報収集判定をすることができる。各PCがそれぞれ判定を行ったら、その成否に関わらずシーンを終了する。もしも判定に失敗し、得られなかった情報があったとしても、情報収集はこのシーンで終了となる。
また、情報収集判定とは別にそれぞれのPCは一度だけ購入判定も行えるものとする。
■神秘のオアシスについて 【社会】【感応】難易度:8、12
8□南部の灼砂砂漠に伝わる伝説のオアシス。見つけられた者はほとんどおらず、実在するかどうかも怪しい代物。そのオアシスの水を飲んだ者には何かがあると言われている。
噂では、そのオアシスに行くためには案内人に連れて行ってもらうしかないと言われている。
12□族長のイニィーゴが忠告をしてくる。
「人の手に過ぎたる代物は、精霊のいたずらが隠されているもの。求めすぎれば悪さをされるやもしれんぞ?」
■イニィーゴについて 【社会】【意志】難易度:8
□サビーンが属する灼砂流しの部族の長。部族をまとめあげるシャーマンの役目を負っている。独特の感性を持っており、自然の物などを用いて簡易的な儀式を執り行って精霊と対話するらしい。また、其達とも言葉を交わさずに通じ合う事が出来る。その瞳は、翡翠の色をしている。
情報を集めていると、彼の方から話しかけてくる。
※シーン10 シャーマンの忠言 が発生する。
■ライカについて 【感応】難易度:10
□サビーンに懐いている其達。その正体は謎に包まれている。部族の者達の話では、「いつの間にかサビーンと友達になっていた。」「気づいたら部族に付いてくるようになった。」「時々ふらりと居なくなっては、またいつの間にか部族に戻っていたりする。」など曖昧な話が多い。
ライカと仲がいいサビーンならより詳しく知っているかもしれない。
※シーン11 オアシスの化身 が発生する。
■ジャシムについて 【社会】【知覚】難易度:12
□最近灼砂砂漠に現れた盗賊団【黒蠍】の頭領。黒蠍の一団はメンバーの証として黒い蠍のタトゥーを体のどこかに入れているが、ジャシムもその例に漏れない。
あまり頭が良くなく、腕もある程度しかたたない。そのためよく危機に瀕することがあるが、そのたびにジャシムに有利に働く御標が下る事があるようだ。
ジャシムが魔道具を用いているという情報は無い。ならば、あの夜に使っていた物は一体何だったのだろうか?
※新たな情報【ジャシムの魔道具【砂の香炉】について】が追加される。
■新たな情報:ジャシムの魔道具【砂の香炉】について 【知覚】難易度:8、14
8□ジャシムが用いていた魔道具はPC②の部族の秘宝【砂の香炉】だ。ただ、【砂の香炉】は不思議な力の宿った魔道具などではないことをPC②は知っている。香炉はあくまでもその香りで心を落ち着けさせるものであり、決して人の動きを阻害するような魔術的な効果は無い。しかし、昨晩見た魔道具の正体は間違いなく【砂の香炉】だった。これはいったいどういう事だろうか?
14□異形や伽藍の持ち物は、歪みの影響を受け魔道具化することがあるという話を聞いた。その道具や品の本来の用途から外れ、不思議な力が宿ることがあると。ジャシムの持っていた【砂の香炉】も恐らくそれに値する物だろう。香炉の香が人の心を落ち着けるのではなく、人の体を蝕む毒となる。
また、香炉が魔道具化しているという事は、それの持ち主は異形であるという事に他ならない。
◆結末
各PCが情報収集判定を行ったらシーンを終了する。
■シーン10 シャーマンの忠言 シーンプレイヤー:情報収集判定に成功したPC
◆解説
■イニィーゴについての情報項目の判定に成功した場合に発生するシーン。シーンプレイヤーは判定に成功したPCとなり、他のPCの登場は任意となる。
▼描写1
イニィーゴに連れられ、部族長である彼のテントへと案内された。テントの中は独特な香りが充満しており、あちらこちらに動物の遺骨や枯れ枝を組んで作られた工芸品が並んでいる。
□セリフ:イニィーゴ
「部族の者達も言っていたかもしれないが、私はこの部族の長であり、シャーマンなんだ。」
「大いなる精霊と対話をし、部族を導いて来た。時には大いなる精霊から直接言葉を賜る事もある。君達外の者はそれを、【御標】と呼ぶそうだね。」
「君達は神秘のオアシスについても調べているそうだね。」
「ならば私から一つ忠告をしておこう。旅の者達の言う神秘のオアシスとは、人が軽々に近づいてはいけない代物だ。」
「災いがある・・・とまでは言わないが、少なくともいい事はあまりないだろう。少なくとも我々の部族は、精霊の導きに従い、彼の地へは赴くことは無いだろう。」
(PCがサビーンについて聞く)「サビーンか。あの子はとても良い子だ。」
「仕事は良くこなすし、元気もある。何よりあの子にはシャーマンとしての才がある。ゆくゆくは、あの子に族長を継いでもらいたいものだ。」
「ただ、あの子は砂漠の外に興味を持っている。族長の座を継いでくれるか、はたまた外の世界へと旅立つか。」
(PCがライカについて聞く)「ライカ。あれは、あの方は化身だ。人がおいそれと関わるべき方では無い。」
「サビーンはライカと仲良くしているが、私からしてみれば少々恐ろしい事だ。あの子が、あの方に魅入られ過ぎなければいいが。」
◆結末
ある程度会話が済んだらシーンを終了する。
■シーン11 オアシスの化身 シーンプレイヤー:情報収集判定に成功したPC
◆解説
■ライカについての情報項目の判定に成功した場合に発生するシーン。シーンプレイヤーは判定に成功したPCとなり、他のPCの登場は任意となる。
▼描写1
ライカについて話を聞くために、サビーンの下へとやって来た。彼はまだ仕事が終わっていないようで、忙しそうに働いている。
仕事が終わるのを待っていると、ライカが近づいて来る。
□ライカは人間の言葉を理解しているが、話すことは出来ない。PCの問いかけには相応の反応を示すが、その意志をPCに正確に伝えることは出来ない。
□暫くするとサビーンが仕事を終えて話しかけてくる。
□セリフ:サビーン
「やっと仕事終わったよ!疲れた~。・・・あれ?ライカとお話ししてたの?」
「ライカが僕以外に懐くなんて珍しいなぁ。部族の他の人とはあんまり一緒に居ることが無いんだ。」
(ライカについて尋ねられる)「ライカが何者かって?う~ん。ライカ自身が言うには、オアシスの守護者なんだって。」
「族長はライカの事、化身だって言ってたから、多分神秘のオアシスの化身なんじゃないかな?」
「ライカはさ、昔俺が部族とはぐれて遭難しちゃった時に出会ったんだ。」
「そん時は砂嵐がひどくてさ、どうにか合流しようと思って適当に歩いてたら、神秘のオアシスに辿り着いてたんだ。」
「んで、そこに住んでたライカに出会って、そのまま意気投合して親友になったんだ!」
「そん時にライカからお守りを貰ったんだけど・・・。ココだけの話、このお守りがあるから俺は神秘のオアシスに行けるんだ。」
「本当はライカの不思議な力のおかげで、普通の人はオアシスには近寄れないんだけどな。」
◆結末
ある程度会話が済んだらシーンを終了する。
■シーン12 黒蠍再来 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
サビーンが連れ去られるシーン。PCは全員登場。一触即発の空気になる可能性があるが、まだクライマックスでは無い。GMはジャシムがシーンから安全に離脱できるように上手く演出すると良い。
▼描写1
太陽が真上に上り、時間帯が朝から昼へと変わるころに、サビーンが仕事を終えて君達の下へとやって来た。その傍らにはライカの姿もある。
□セリフ:サビーン
「お待たせ!やっと仕事終わったよ~。」
「昨日話した通り、相談してきたぜ!精霊の導きだからってことで、OK貰えたよ。」
「ここから神秘のオアシスまではそんなに距離無いからさ、軽く準備したら早速行こうぜ!」
▼描写2
サビーンがオアシスへ案内する準備を始めると、周囲に一陣の風が吹き込んだ。その風は砂を巻き上げ、砂は空中に文字を描いて行く。そう。それは御標だった。そこに書かれた御標は昨夜サビーンに下ったものと同一の物だった。
『外より来る強き者、砂の地に生きる子の導きで、望みの宝へたどり着く。』
その文字が、捻じれ、蠢き、歪んでいく。文字は徐々に他の文字へと変化し、そこに新たな御標を描き出した。
『砂漠に生きる黒き蠍、砂の地に生きる子の導きで、望みの宝へたどり着く。』
それは紛れもなく御標で、どうしようもなく歪められたものだった。
□歪み表2.0から【災害到来】をチョイスし、砂嵐を起こす。
□サビーンが御標を動揺しながら見ていると、その背後からジャシム達が現れる。
□セリフ:ジャシム
「おやおやこれは。昨夜ぶりだねぇ?余所者さん。・・・いや、怪盗スケアクロウ!」
「あんたのことは調べさせてもらったよ。左の地を大暴れする世紀の大怪盗。各地で有名なあのスケアクロウだったとはねぇ?」
「ここにいるってことは、アンタの狙いも【神秘のオアシス】だろう?同じ賊だから分かるんだよ。」
「だが残念だったねぇ?神の御標はアタシらを選んだ!そこのガキに案内させて、オアシスに辿り着くのはアタシらの方さ!」
「彼の大怪盗様が、御標を盗まれるなんて傑作だね!アーッハッハッハ!」
(PC達が抵抗しようとする)「おっと抵抗しようなんて考えるなよ?御標が下ってるんだ。ガキが異形に成っちまっても良いのかい?」
「おら!さっさと案内しなガキ!アンタらの信じる精霊の導きって奴だよ!砂嵐が悪化する前にさっさと行くんだ!」
□ジャシムはサビーンを抱えて《神速移動》を使用してシーンを退場する。
◆結末
ジャシムがシーンを退場したらシーンを終了する。
■シーン13 嵐の行軍 シーンプレイヤー:PC②
◆解説
クライマックス直前のシーン。PCは全員登場。このシーンでクライマックス戦闘への準備をしてもらう。
▼描写1
サビーンが連れ去られてしまい、部族の者達は一様に暗い顔をしていた。イニィーゴもまた暗い顔をしているが、誰一人として助けに行こうとはしていなかった。唯一ライカだけが、サビーンを助けようと皆に語り掛けているように見えた。
□セリフ:イニィーゴ
「我々の部族はあるがままを受け入れる事を常としている。だからこそ君達も受け入れた。」
「サビーンの前に現れた文字はまさしく大いなる精霊の導き。であれば、我々はあの子の行く末に関与することは出来ない。いや、してはならないんだ。」
「あの子はとてもいい子だ。ライカと仲がいいのも、あの子の心が清きものだからだ。だからこそ、あの導きを受け入れるのはとても心苦しい。」
「・・・だが、君達は我々ではない。部族とは一切関係の無い者達だ。」
「勝手なのは分かっている。己を誤魔化している事も。それでもお願いだ。」
「どうか、あの子を助けてやってはもらえないだろうか?我々の部族は静観するほかない。それが精霊の導きだからだ。」
□イニィーゴが話し終えると、ライカが「道案内をする」と言っているかのようにジェスチャーをする。
□このタイミングで各PCは購入判定が1度だけ可能。
◆結末
PC達が購入判定を済ませ、ライカと共にオアシスを目指したらシーンを終了する。
■シーン14 呪い シーンプレイヤー:PC③
◆解説1
クライマックス戦闘のシーン。戦闘1回目はイベント戦闘となる。GMは参照するデータや演出を間違えないように注意する事。
▼描写1
ライカの案内により【神秘のオアシス】へ辿り着くと、そこにはオアシスを前に興奮した様子のジャシム達の姿があった。こちらにはまだ気づいていない様子で、今なら【砂の香炉】を盗み出せるかもしれない。
[知覚判定:難易度14]
□成功した場合は、無事に【砂の香炉】を盗み出せる。盗み出した香炉は下記アイテムとして獲得する。香炉はジャシムに乱暴に扱われたのか所々痛んでおり、魔道具として使用するならあと一回が限界そうだった。
【砂の香炉】
種別:その他
タイミング:マイナー
制限:演目1回
PC②の部族の秘宝が歪みの影響で魔道具化した物。あなたと同じエンゲージに居るキャラクターに狼狽と重圧を与える。
□失敗した場合は、【砂の香炉】を盗み出すのに失敗する。しかし、ジャシムの手から離す事には成功する。これでジャシムは香炉を使用することは出来ないだろう。
□判定と同時に、PC達に気付いたサビーンがジャシム達から離れる。
□判定後にジャシムがPC達に気付く。
□セリフ:ジャシム
「な!?てめぇら!どうやってここに!」
「くそっ!香炉が!よくもアタシの物に手ぇ出してくれたな!」
「だが残念だったなァ!オアシスは今アタシらの目の前にある!」
「あんたも噂を耳にしてるだろう?このオアシスの水を飲めば、不死者に成れるってさ!」
「不死者に成れば、香炉なんて小細工も必要ない。アタシの身一つでアンタらを八つ裂きにしてやるよ!」
◆解説2
イベント戦闘。
PC達で一つのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【ジャシムの下っ端】×4体と【ジャシム】×1体を同じエンゲージでそれぞれ配置する。【ジャシムの下っ端】のデータはミドル戦闘の時同様【兵団 (IZp233)】と【兵士 (MMp239 or 書架p240)】を2体ずつで使用し、【ジャシム】のデータは【ひきいるもの (TMp179 or 書架p248)】を使用する。この時【ジャシム】には追加で下記のオリジナル特技を持たせる。
《オアシスの恩恵》
レベル上限:1 種別:-
タイミング:クリンナッププロセス
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:自身 射程:なし
代償:なし 制限:なし
効果:神秘のオアシスを飲んだことによる恩恵。あなたの戦闘不能・死亡を回復し、あなたの【HP】とバッドステータスを完全に回復する。
この戦闘はイベント戦闘となり、1ラウンド目の終了と同時に戦闘が一旦終了となる。
▼描写2
ジャシムに与えた傷は瞬時に回復する。その様はまるで不死者のようで、オアシスの水は明らかにジャシムに力を与えていた。
傷を負わない、負ってもすぐに完治する体を得たジャシムは高笑いをした。
「こいつはスゲェ!マジの不死身じゃねえか!一口飲んだだけでこの力、もっと飲めばアタシ最強に成れんじゃねえか!?」
言うが早いかジャシムは踵を返すと、後ろにあるオアシスに口を付けた。
どんどんとオアシスの水を飲み干していくジャシム。しかし、異変はすぐに訪れた。ジャシムの体は水を飲めば飲むほど肥大化し、その姿は醜く歪んでいく。
明らかに人としての形を失ったジャシムは、その巨体で尚もオアシスの水を飲み干そうとする。そしてそれに比例するかのように、傍らにいたライカが弱っていく。オアシスの化身であるライカは、オアシスの水を失う事で存在そのものが消えかかっていた。
既に理性を失っているジャシムは、尚も水を飲み続ける。このままいけば、オアシスは干上がってしまうだろう。
□セリフ:サビーン
「ライカ!?おいライカ!しっかりしろよ!」
「PC①!ライカが、ライカが弱ってる!どうしよう。俺、どうしたらいい!?」
「ああライカ!頼むよPC①!ライカを、ライカを助けてくれよ!このままじゃ、ライカが消えちゃうよ!」
◆解説3
クライマックス戦闘。
PC達でひとつのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【呪われたジャシム】×1体と【ジャシムの触手】×6体を同じエンゲージでそれぞれ配置する。
この戦闘では、【呪われたジャシム】がオアシスの水を飲み干そうとするのを止めなければならない。【呪われたジャシム】は【ジャシムの触手】がシーン内に居る間は、自身のメインプロセスで《オアシスの水を飲む》という特殊行動をしてくる。
戦闘の終了条件は【呪われたジャシム】の撃破または特殊行動《オアシスの水を飲む》が3回行われる事である。どちらの条件で戦闘が終了したかによってエンディングが変わるため、GMは処理に注意する事。
□セリフ:呪われたジャシム
(戦闘開始時)「オアシス・・・アタシノ・・・ゼンブ・・・。」
(初めて攻撃された時)「ジャマ・・・モノ・・・コロス・・・。」
(HP0)「ソンナ・・・バカナ・・・アタシ・・ハ・・・フジミ・・・。」
◆結末
戦闘が終了したらシーンを終了する。【呪われたジャシム】の撃破で戦闘を終えた場合はシーン15へ。《オアシスの水を飲む》が3回行われて戦闘を終えた場合はシーン16へ。
■シーン15 神秘のオアシス シーンプレイヤー:PC①
◆解説
クライマックス戦闘を【呪われたジャシム】の撃破で終えた場合の共通エンディングのシーン。
▼描写1
神秘のオアシスを飲み怪物化したジャシムを、水が飲み干される前に倒すことが出来た。しかし、それでも倒すのに時間がかかってしまった。オアシスに残る水はもう僅かで、同じことが繰り返されれば次こそ無くなってしまうだろう。
水が僅かしかないためか、ライカの元気がない。浅い呼吸を繰り返し、今にも消えてしまいそうだった。
涙を浮かべながらライカを心配するサビーンの下に、イニィーゴが駆け付けてきた。いつの間にかオアシスへと来ていたようだ。
□セリフ:イニィーゴ
「サビーン!無事で何よりだ。彼らを見送った後、やはり心配になってな。なんの助けにはなれずとも、せめて行く末を見守ろうと来たのだが・・・。」
「ライカのその様子、それに干上がりかけたオアシス。そうか・・・化身であるライカが、急速なオアシスの水の減少で弱まっているのか。」
(案内も無しにどうやって来たのか尋ねられる)「精霊にお導き頂いたのだ。・・・が、本来のオアシスであれば、たどり着けなかっただろう。」
「我々がたどり着けたのは恐らく、オアシスの水が少なくなって、化身であるライカの力が弱まったせいだろう。」
(ライカを助ける方法について尋ねられる)「助ける方法か・・・。無いわけではない。しかしその方法は、サビーンにとってはつらい選択になるだろう。」
「オアシスの水というのは、多くは雨水が溜まって出来たものか、或いは地下に源泉があるものが大半だ。一度大量に失われてしまえば、そう簡単に戻すことは出来ない。」
「しかしこの泉は不思議な力を持った、精霊の加護を受けたオアシスだ。そう簡単に無くなるものでは無いだろう。」
「精霊の力が作用しているならば、その力を取り戻す方法は一つ。自然を保つことだ。」
「人が飲まず。訪れず。関わらずにいれば、おのずと元のオアシスへと戻るはずだ。」
▼描写2
イニィーゴの言葉通りであれば、サビーンはライカと別れなければいけなかった。どれだけの時間離れ離れにならなければいけないのか。或いはこのまま一生、お別れの可能性もあった。
ライカから貰ったお守りを握りしめながら、サビーンはライカをじっと見つめる。
□セリフ:サビーン
「俺、俺ライカとお別れなんて嫌だよ!だって俺の一番の親友だぜ!?」
「ライカは俺にとって家族なんだよ!俺たち部族の立派な仲間だよ!」
「・・・でも、ライカが死んじゃうのはもっと嫌だ!お別れするのは辛いけど、ライカがそれで助かるなら、俺、俺は!」
「なぁPC①。アンタは怪盗って奴なんだろう?砂漠の外で大立ち回りする、お宝を集める奴なんだよな?」
「だからPC①がここに来たのも、このオアシスが目的なんだよな?・・・だったら!」
(ライカのお守りをオアシスに投げ込む)「このお守りは!オアシスに返すぜ!」
「ハァ・・・ハァ・・・。これで、ライカの案内が無けりゃ簡単には誰もオアシスには来れないはずだ。」
「PC①!俺と一緒に、このオアシスを発つぞ!付いて来ないって言うなら、力づくでもお前をここから連れてくからな!」
「例え俺の親友の恩人でも、アンタにオアシスを渡すわけにはいかないんだ!」
◆結末
PC達と共にオアシスを発つサビーン。寂しそうな、泣き出しそうなその顔を、大親友の居るオアシスに向ける。「じゃあな。ライカ。またいつか、必ず会おうな。」そう言うと、PC達の列に加わる。シーンを終了する。
■シーン16 黒き蠍、災厄と成りて シーンプレイヤー:PC⑤
◆解説
クライマックス戦闘を《オアシスの水を飲む》が3回行われて終えた場合の共通エンディングのシーン。
▼描写1
君達の抵抗も虚しく、オアシスの水は飲みつくされてしまった。水を失ったライカは動かなくなってしまい、その姿が徐々に透明になって世界に溶けていく。ライカが消えるさまを叫び声を上げながら見る事しかできないサビーンは、ほどなくして意識を失った。
オアシスの水を一人で飲み干し、完全に化物へとなってしまったジャシム。山の様に大きな巨体となり、全身からは黒い触手を生やして、その背面には大きな蠍の針が付いてた。最早理性を失っているようで、足元のPC⑤達には目もくれずに歩き出す。その歩みに、最早意味は無かった。
周囲に居る動物を触手を使って捕食し、時折低いうめき声の様な物を発して辺りにほつれを作る。その様はまさしく災厄そのものだった。
◆結末
こうして灼砂砂漠に新たな伝説【黒き蠍の災厄】が増えた。その真相を知る者は、最早誰も居なかった。シーンを終了する。
以下はエンディングプロットとなる。これまでの展開に応じて、自由にシーンを演出すると良いだろう。なお以下のエンディングプロットはシーン15の後を想定している。シーン16のエンディングを迎えていた場合の想定はしていない。
▼描写
神秘のオアシスの伝説は本当だった。灼砂砂漠のどこかにそのオアシスはあり、一口飲めば力を与えてくれる。しかしその真相は、欲をかいた者を怪物へと変えてしまう恐ろしい泉だった。
今ではその泉への道は閉ざされ、もう人が訪れることは無い。一人の少年と、その手助けをした者達のおかげで。
【個別エンディングプロット】
■PC⑤:案の情、オアシスの水を丸ごと盗む様な事態にはならなかった。それどころか、今回はまったく成果が無い。次こそは良いお宝にありつけるように、情報をもっと集めておかねば。
■PC④:スケアクロウと相まみえることに成功した君は、サビーンの御標達成の為に奔走した。結果は兎も角、御標を達成した以上、ようやくスケアクロウへの用事を済ませられるというものだ。
■PC③:上司に下りた御標は、おそらく達成できただろう。同胞を襲っていた黒蠍どもも壊滅したし、これで一件落着だ。今回の共闘を経て君が何を想い、何を感じたのか。そしてそれが今後にどうつながるかは君だけが知っている。とりあえず一度、上司に報告をしに戻ったほうが良いだろう。道中助けた海に立ち寄ってからでも良いかもしれない。
■PC②:部族を襲った盗賊団は壊滅し、見事目的の物【砂の香炉】を取り戻した。無事に部族の秘宝を取り戻した君には、いつもの日常が待っているだろう。或いは、香炉の魔道具化が治っていなければ、それの対応に追われるかもしれない。
■PC①:神秘のオアシスは実在した。伝説の泉は、純粋な少年と心優しい其達の憩いの場だった。そのオアシスが、君が盗むに値するお宝だったかは言うまでもないだろう。それよりも、伝説上のオアシスが存在したのなら、他の伝説上のお宝も存在するかもしれない。新たな伝説のお宝に想いを馳せ、君は再び左の地を飛び回る。
演目の目的を達成した項目については、以下のように判断すること。
・ジャシムを倒した:5点
・オアシスを護り、ライカを助けた:3点
・シーン10を見た:1点
・シーン11を見た:1点
■ジャシムの触手
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:5 サイズ:1
命:9 回:5 術:6 抵:4
行:10 HP:20 剥:10
肉:18/+6 知:12/+4 感:9/+3
意:9/+3 社:9/+3 縫:9/+3
攻:〈殴〉15 / 物理
対:単体 射:20m
防:斬3 / 刺6 / 殴9
◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
《部位:呪われたジャシム》(TMp183) 1
【オート】
なし
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
なし
【マイナー】
《呪詛の一撃:邪毒3》(IZp231) 1
【メジャー】
《巻きつき》(オリジナル特技) 1
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【ジャシムの触手】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【メジャー】《巻きつき》(オリジナル特技) 1
タイミング:メジャーアクション
判定値:【命中値】 難易度:対決
対象:単体 射程:20m
解説:相手に巻き付き、締め上げる物理攻撃。対象に物理攻撃を行う。この攻撃によって1点でも実ダメージを与えた場合、さらに重圧を与える。対象の重圧が解除されるまで、対象は一切の移動が出来ず、このエネミーは一切の行動が出来ない。
【攻撃】締め上げる毒手
《巻きつき》(オリジナル特技) 1 + 《呪詛の一撃:邪毒3》(IZp231) 1 + 《無慈悲なる一撃》(MMp237) 2
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:20m
解説:毒の粘液を纏った触手で巻きつき締め上げる攻撃。〈殴〉3D6+15のダメージを与える物理攻撃を行う。この攻撃によって1点でも実ダメージを与えた場合、さらに重圧を与える。対象の重圧が解除されるまで、対象は一切の移動が出来ず、このエネミーは一切の行動が出来ない。
■呪われたジャシム
◆逸脱能力
□□《虚構現出》(MMp125)
□□《堕落の声》(MMp126)
□□《死神の招き》(MMp127)
□□《歪んだ幸運》(MMp127)
□《完全否定》(MMp125)
□《気象変動》(IZp142)
□《欠けていく世界》(IZp143)
□《墓所を超えるもの》(IZp144)
《虚構現出》は基本PCの《虚構現出》に対して使う。《虚構現出》を2連続で使用するのは避けること。
《堕落の声》はPCの呪われたジャシムへの命中判定に使用する。
《死神の招き》は【麻痺毒噴霧】での攻撃に使用する。
《歪んだ幸運》は【麻痺毒噴霧】での攻撃の命中判定に使用する。
《完全否定》は自身へのダメージ適用時に使用する。
《気象変動》は一番最初のラウンドのセットアップで使用する。
《欠けていく世界》は2ラウンド目のセットアップで使用する。
《墓所を超えるもの》は《生への渇望》を使用した後の戦闘不能時に使用する。
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:13 サイズ:3
命:9 回:3 術:6 抵:3
行:8 HP:200 剥:10
肉:18/+6 知:15/+5 感:12/+4
意:12/+4 社:9/+3 縫:9/+3
攻:〈殴〉15 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬0 / 刺3 / 殴6
◆特技
【常時】
《無限の魔》(MMp238) 1
《御標の託宣》(MMp238) 1
《範囲攻撃半減》(TMp183) 1
《防御部位》(TMp183) 1
【オート】
《生への渇望》(MMp119) 3
《虚なる魂》(MMp236) 1
《堕ちたる魂》(IZp230) 1
《オアシスの呪い》(オリジナル特技) 1
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
なし
【マイナー】
《攻撃増幅》(IZp230) 1
《呪詛の一撃:マヒ》(IZp231) 1
【メジャー】
《略奪者の牙》(MMp119) 3
《ブレス攻撃》(IZp232) 5
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【呪われたジャシム】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技・逸脱能力をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【回復】《オアシスの呪い》
タイミング:クリンナッププロセス
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:自身 射程:なし
効果:神秘のオアシスを飲みすぎたことによる呪い。かつて恩恵だったものの成れの果て。あなたの【耐久力】を+5D6し、剥離値を+10点する。(これにともない【HP】の現在値も上昇する。) また、同一エンゲージ内に【ジャシムの触手】が1体も存在しない場合、【ジャシムの触手】を3体出現させる。
【攻撃】麻痺毒噴霧
《ブレス攻撃》(IZp232) 5 + 《呪詛の一撃:マヒ》(IZp231) 1
タイミング:メジャー+マイナー
判定値:9 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:体内で生成した麻痺毒を噴霧する攻撃。〈術〉7D6点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象にマヒを与える。
【攻撃】貪る牙
《略奪者の牙》(MMp119) 3 + 《攻撃増幅》(IZp230) 1
タイミング:メジャー+マイナー
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
解説:理性を失った異形の本能的な攻撃。〈殴〉4D6+15点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、自身の【HP】を3D6点回復する。
【特殊行動】オアシスの水を飲む
タイミング:メジャー
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:自身 射程:なし
解説:神秘のオアシスを体内に取り込む行動。このシーン中にこの行動が3回行われた場合、即座に戦闘を終了する。
■初期配置
PC達でひとつのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【呪われたジャシム】×1体と【ジャシムの触手】×6体を同じエンゲージでそれぞれ配置する。
この戦闘では、【呪われたジャシム】がオアシスの水を飲み干そうとするのを止めなければならない。【呪われたジャシム】は【ジャシムの触手】がシーン内に居る間は、自身のメインプロセスで《オアシスの水を飲む》という特殊行動をしてくる。
戦闘の終了条件は【呪われたジャシム】の撃破または特殊行動《オアシスの水を飲む》が3回行われる事である。どちらの条件で戦闘が終了したかによってエンディングが変わるため、GMは処理に注意する事。
■戦闘プラン
●【ジャシムの触手】が攻撃する際は【締め上げる毒手】を使用する。その際、対象はPCの中からランダムに決定する。
●《生への渇望》(MMp119) 3は使用できるタイミングで使用する。
●【呪われたジャシム】の攻撃は、PCが誰も【呪われたジャシム】とエンゲージしていない場合は【麻痺毒噴霧】で攻撃する。PCが一人でも【呪われたジャシム】とエンゲージしている場合は、エンゲージしているPCの中からランダムで【貪る牙】で攻撃する。
●《虚なる魂》、《堕ちたる魂》は使用可能なタイミングで積極的に使用する。
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『カッサンドラの書架適用データ』
■ジャシムの触手
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:5 サイズ:1
命:9 回:5 術:6 抵:4
行:10 HP:30 剥:10
肉:18/+6 知:12/+4 感:9/+3
意:9/+3 社:9/+3 縫:9/+3
攻:〈殴〉15 / 物理
対:単体 射:20m
防:斬3 / 刺6 / 殴9
◆特技
【常時】
《無限の魔》(書架p232) 1
《無慈悲なる一撃》(書架p236) 2
《部位:呪われたジャシム》(書架p235) 1
【オート】
なし
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
なし
【マイナー】
《呪詛の一撃:邪毒3》(書架p234) 1
【メジャー】
《巻きつき》(オリジナル特技) 1
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【ジャシムの触手】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【メジャー】《巻きつき》(オリジナル特技) 1
タイミング:メジャーアクション
判定値:【命中値】 難易度:対決
対象:単体 射程:20m
解説:相手に巻き付き、締め上げる物理攻撃。対象に物理攻撃を行う。この攻撃によって1点でも実ダメージを与えた場合、さらに重圧を与える。対象の重圧が解除されるまで、対象は一切の移動が出来ず、このエネミーは一切の行動が出来ない。
【攻撃】締め上げる毒手
《巻きつき》(オリジナル特技) 1 + 《呪詛の一撃:邪毒3》(書架p234) 1 + 《無慈悲なる一撃》(書架p236) 2
タイミング:メジャー+マイナー+常時
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:20m
解説:毒の粘液を纏った触手で巻きつき締め上げる攻撃。〈殴〉3D6+15のダメージを与える物理攻撃を行う。この攻撃によって1点でも実ダメージを与えた場合、さらに重圧を与える。対象の重圧が解除されるまで、対象は一切の移動が出来ず、このエネミーは一切の行動が出来ない。
■呪われたジャシム
◆逸脱能力
□□《虚構現出》(書架p160)
□□《死神の招き》(書架p161)
□□《歪んだ幸運》(書架p163)
□《完全否定》(書架p159)
□《気象変動》(書架p159)
□《欠けていく世界》(書架p159)
□□《堕落の声》(書架p164)
□《憎悪の魔弾》(書架p162)
《虚構現出》は基本PCの《虚構現出》に対して使う。《虚構現出》を2連続で使用するのは避けること。
《死神の招き》は【麻痺毒噴霧】での攻撃に使用する。
《歪んだ幸運》は【麻痺毒噴霧】での攻撃の命中判定に使用する。
《完全否定》は自身へのダメージ適用時に使用する。
《気象変動》は一番最初のラウンドのセットアップで使用する。
《欠けていく世界》は2ラウンド目のセットアップで使用する。
《堕落の声》はPCの呪われたジャシムへの命中判定に使用する。
《憎悪の魔弾》はPCからの攻撃でダメージを受けた際に使用する。
◆パーソナルデータ
種別:異形 レベル:13 サイズ:3
命:9 回:3 術:6 抵:3
行:8 HP:200 剥:10
肉:18/+6 知:15/+5 感:12/+4
意:12/+4 社:9/+3 縫:9/+3
攻:〈殴〉15 / 物理
対:単体 射:至近
防:斬0 / 刺3 / 殴6
◆特技
【常時】
《無限の魔》(書架p232) 1
《防御部位》(書架p236) 1
【オート】
《生への渇望》(書架p85) 3
《虚なる魂》(書架p232) 1
《オアシスの呪い》(オリジナル特技) 1
【ダメージロール】
なし
【セットアップ】
なし
【マイナー】
《攻撃増幅》(書架p233) 3
《呪詛の一撃:マヒ》(書架p234) 1
【メジャー】
《略奪者の牙》(書架p87) 2
《破滅の吐息》(書架p235) 7
【イニシアチブ】
なし
【リアクション】
なし
◆行動指標
以下に【呪われたジャシム】の戦闘での行動指標を記載する。ここでの行動指標とは、各タイミングに対してどういった行動を取るかを特技・逸脱能力をまとめて書いているものを指す。各行動指標には独自に名前を設定しており、後述する戦闘プランで使用する。名前にはあまり深い意味はない。
【回復】《オアシスの呪い》
タイミング:クリンナッププロセス
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:自身 射程:なし
効果:神秘のオアシスを飲みすぎたことによる呪い。かつて恩恵だったものの成れの果て。あなたの【耐久力】を+5D6し、剥離値を+10点する。(これにともない【HP】の現在値も上昇する。) また、同一エンゲージ内に【ジャシムの触手】が1体も存在しない場合、【ジャシムの触手】を3体出現させる。
【攻撃】麻痺毒噴霧
《破滅の吐息》(書架p235) 7 + 《呪詛の一撃:マヒ》(書架p234) 1
タイミング:メジャー+マイナー
判定値:9 難易度:対決
対象:範囲(選択) 射程:20m
解説:体内で生成した麻痺毒を噴霧する攻撃。〈術〉7D6点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、対象にマヒを与える。
【攻撃】貪る牙
《略奪者の牙》(書架p87) 2 + 《攻撃増幅》(書架p233) 3
タイミング:メジャー+マイナー
判定値:9 難易度:対決
対象:単体 射程:至近
解説:理性を失った異形の本能的な攻撃。〈殴〉4D6+15点のダメージを与える物理攻撃を行う。1点でも実ダメージを与えた場合、自身の【HP】を3D6点回復する。
【特殊行動】オアシスの水を飲む
タイミング:メジャー
判定値:自動成功 難易度:なし
対象:自身 射程:なし
解説:神秘のオアシスを体内に取り込む行動。このシーン中にこの行動が3回行われた場合、即座に戦闘を終了する。
■初期配置
PC達でひとつのエンゲージを構成し、そこから10mの位置に【呪われたジャシム】×1体と【ジャシムの触手】×6体を同じエンゲージでそれぞれ配置する。
この戦闘では、【呪われたジャシム】がオアシスの水を飲み干そうとするのを止めなければならない。【呪われたジャシム】は【ジャシムの触手】がシーン内に居る間は、自身のメインプロセスで《オアシスの水を飲む》という特殊行動をしてくる。
戦闘の終了条件は【呪われたジャシム】の撃破または特殊行動《オアシスの水を飲む》が3回行われる事である。どちらの条件で戦闘が終了したかによってエンディングが変わるため、GMは処理に注意する事。
■戦闘プラン
●【ジャシムの触手】が攻撃する際は【締め上げる毒手】を使用する。その際、対象はPCの中からランダムに決定する。
●《生への渇望》(書架p85) 3は使用できるタイミングで使用する。
●【呪われたジャシム】の攻撃は、PCが誰も【呪われたジャシム】とエンゲージしていない場合は【麻痺毒噴霧】で攻撃する。PCが一人でも【呪われたジャシム】とエンゲージしている場合は、エンゲージしているPCの中からランダムで【貪る牙】で攻撃する。
●《虚なる魂》は使用可能なタイミングで積極的に使用する。
TRPG同人サークル「野菜農園」に所属しています。主に「モノトーン・ミュージアムRPG」のシナリオを作成してます。Pixivにも投稿しています。 Twitter → @bJHbwZR2YDFrnL7
https://www.pixiv.net/member.php?id=43291011
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