「はい、これで受付完了です! これからの活躍、期待していますね!」
受付の女性がそれぞれの名前が書かれたギルド証を順に渡してくれる。冒険者適正年齢を迎え、ようやく一人の冒険者として認められたあなた達。
「そういえば、ちょうどいい依頼が先ほど来たんです。紹介しますね」
そう言って渡された依頼の羊皮紙。そこには『トビウサギの肉の調達』とあった。
※このシナリオは駆け出し冒険者がおいしい料理のために食材を調達することが目的です。戦闘がやや多めの、初心者向けとして作成しています。
※PDFを経由しない方法でアップし直したものです。内容に変更はありません。
このシナリオは駆け出し冒険者がおいしい料理のために食材を調達することが目的です。戦闘がやや多めの、初心者向けとして作成しています。
初期作成のキャラ2人以上を想定しています。オリジナルの敵である「トビウサギ」はゴブリン(Ⅰ)P.439やウルフ(Ⅰ)P.450を参考にしています。都度、調整してください。
○ユーシズ魔導公国・冒険者ギルド
「はい、これで受付完了です! これからの活躍、期待していますね!」
受付の女性がそれぞれの名前が書かれたギルド証を順に渡してくれる。冒険者適正年齢を迎え、ようやく一人の冒険者として認められたあなた達。
「そういえば、ちょうどいい依頼が先ほど来たんです。紹介しますね」
そう言って渡された依頼の羊皮紙。そこには『トビウサギの肉の調達』とあった。
「ただの野兎と侮っちゃだめですよ? トビウサギは逃げ足が速くて、なかなか捕まえられないんです。それに身の危険を感じると、すごい勢いで飛びかかってくるんですから!」
と、トビウサギについて説明してくれる。
「まだ新米の皆さんは、こういう小さな依頼を受けて、信頼を勝ち取って。弱き人々を手助けしていきましょう!」
こうして依頼主であるガダルという人物を紹介されるのだった。
○ユーシズ魔導公国・ユーシズ魔法学校/学生宿舎
「それでは案内しますね」
受付の女性とともに冒険者ギルドを出る。露店を商う人々の声や食べ物の香りに包まれながらしばらく行くと見えてきたのはユーシズ魔法学校。そのそばにある学生寮に入っていく。年季を感じさせつつも清潔感のある寮内。その食堂にあなた達は案内される。
「ちょっと座って待っていましょう。もうすぐ、依頼主が来ると思います」
彼女の言う通り、あなた達が椅子に掛けてすぐ。食堂の正規の入り口とは異なる、厨房につながっている扉から一人の男性が現れる。
「おお、シアじゃないか。早速依頼を受けてくれる奴が見つかったのか?」
図太い声で受付の女性に話しかける男性は剃髪で、肩幅も身長も大きかった。
「私が担当する、新米さんたちなの。実力は十分だと思うわ」
受付の女性があなた達を紹介する。
「なるほどな。俺はガダル。ここで料理長をさせてもらっている。そこのシアは知り合い…というか娘でな。そいつが紹介してくれるんだ。頼りにしてるぜ!」
と白い歯を見せて笑うのだった。
改めて依頼の詳細を確認する。
「獲ってきてほしいのはトビウサギの肉だ。日暮れまでに届けてくれ。報酬は一人1000G。そうだな、最低でも[(PC数)×2]体は欲しいところだ。それ以上は2体で100Gそれぞれの報酬に上乗せって形でどうだ?」
と報酬と条件を提示する。
「妥当なところです。むしろ少し多いくらいかも!」
受付の女性も条件が報酬に見合っていることを保証してくれる。
「それじゃあ、期待して待ってるぞ」
ガダルは厨房へ戻っていくのだった。
「それじゃあ私も戻りますね。皆さん、頑張ってください!」
受付の女性と別れ、あなた達は依頼達成へと動き出すのだった。
・トビウサギの生息域はユーシズ魔導公国とコロロポッカの森の間に広がる平原、及びコロロポッカの森の浅い場所。
・森の方が生息数は多いが、他の動物も多い。
・森までは徒歩で片道1時間ほど。平原はユーシズ魔導公国を出てすぐ。
・時刻は午前10時。ガダルの言う日暮れは16時とする。
・1時間に誰か一人が1回、下記の判定を振って達成値を求める。その達成値によってイベントが発生する。
知力ボーナス+スカウトorレンジャー技能
○ユーシズ魔導公国・平原
・0~4
「トビウサギの痕跡すら見つからない」
・5~10
「痕跡をたどり、トビウサギ[(PC数)-1]体と遭遇し戦闘になる」
・11~
「トビウサギの群れと遭遇! [PC数]体と遭遇し戦闘になる」
○コロロポッカの森
・0~4
「トビウサギを探しているとサーベルフッド[PC数]体と遭遇戦になる」(Ⅰ)P.439
・5~8
「トビウサギを探しているとダガーフッド[PC数]体と遭遇戦になる」(Ⅰ)P.438
・9~15
「確かな探索能力と幸運でたくさんのトビウサギ[PC数+1]体と遭遇し戦闘になる」
・16~
「確かな探索能力と素晴らしい幸運でたくさんのトビウサギ[PC数×2]体と遭遇し戦闘になる」
○休憩
・HPとMPを2D点回復。
○帰り道
あなた達がトビウサギの肉を持っていざ帰ろうとすると、一匹の「パックリーダー」が姿を見せる。どうやらトビウサギの肉のにおいにつられてきたようだ。気づけばウルフたち[PC数-1]の群れに囲まれ、戦闘になる。(Ⅰ)P.450,452
どうにかそれらを退けるころには、依頼の期限である日暮れが迫っていた。
○ユーシズ魔導公国
トビウサギの肉を持って学生寮の食堂にいるガダルの所に行くと、あなた達を担当する受付の女性もそこで待っていた。
「お疲れ様でした! 首尾は…ひぃふぅみぃ…。きちんと数はそろっていますね!」
数を数え、依頼の達成状況を確認する。
「ご苦労さん。やっぱり新鮮な兎肉はちげぇ。早速、調理に取り掛かる。報酬はシアから受け取ってくれ」
あなた達からトビウサギの肉を確認すると、ガダルは厨房へと消えていく。
報酬を受け取るためにあなた達は一度、ギルドに戻ることになった。日も暮れはじめ、露店ではなく居酒屋やレストランなどがにぎわいを見せ始めている。そこかしこから漂ういい匂いが、あなた達の胃を刺激していた。
ギルドに戻ると受付の女性が報酬の入った袋をあなた達に渡す。
「これで、依頼達成です。お疲れさまでした。こちらとこちらが報酬となります」
と渡されたのは報酬分のお金と何かが書かれた人数分の紙きれ。そこには『招待状』とあった。
「実はガダルさんから招待状をお預かりしていたんです。なんでも『疲れただろう? お金以上に最高の報酬を受け取ってくれよな』とのことでした。どれだけ自信あるんですかね?」
と招待状の詳細を話しながら笑う。
「皆さんが思っているより、冒険者である皆さんは必要とされているんですよ? それが証拠です! これからもそんな皆さんを頼りにしている人々のために頑張ってくださいね!」
そう、受付の女性はあなた達を激励するのだった。
「…ところで。新鮮な兎肉を使った料理はどれも絶品なんですよ! やわらかいお肉、芳醇な香り、滑らかな脂身。あぁ、楽しみだなぁ」
ウキウキ顔で受付カウンターを出ようとする女性。しかしその肩を別の受付が引き留める。
「あなたにはまだ昨日やり残した業務があるでしょう?」
結局、彼女は泣く泣く業務に戻っていった。とても、名残惜しそうだった。
「「いただきます」」
数十人が唱和する。今日は兎肉をふんだんに使ったシチューや、香草を添えたステーキを中心としたメニューである。それぞれが料理を口に運んでいく。途端、次々と肉からあふれ出るうまみに舌を巻く。
「うんめ~」
「うまみが料理全体にしみて、それが全体を調和させ、格段にレベルを上げているだと…」
「さすが料理長ですわ」
「それだけじゃないですわよ? 兎肉は鮮度が落ちれば固く、臭みが出ますもの。新鮮な食材を持ってきてくれた方々に感謝しなくてはいけませんわ」
「うまい料理には酒でしょ! 酒ちょうだい~!」
こうして今日が終わっていく。食堂から歓喜の声が途絶えることはなかったのだった。
➡報酬と経験点(1000(500)+(判定での1ゾロ数)×50+(倒した魔物のレベル合計)×10点)を得る。
ふわふわした毛を持つ3~40センチほどの小型の兎。耳に鳥の羽のような飾りを持つ。後ろ足が特に発達していて、跳躍力がすごい。人間に対して敵対的ではないものの、自衛の時は持ち前の跳躍力でとびかかって攻撃してくる。その身は上質な油と程よい柔らかさを持ち、人気の食材。
ご覧いただいて、ありがとうございます。 見てみた・プレイしてみた感想や誤字脱字の報告を頂けると幸いです。 たまにシナリオに手を加えることがあります。 言葉足らずで不明なところは気軽に質問してください。 adobe のPDFは、見るだけは可能だと思います。もし不都合があれば教えてください。別のアップ方法を調べてみます。 ストックありがとうございます。それを励みにシナリオを作成していけたらと思います。
https://www.pixiv.net/users/60483311
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