2023年06月07日更新

一縷の命

  • 難易度:★★|
  • 人数:1人~4人|
  • プレイ時間:1時間(ボイスセッション)

__目を覚ますと探索者は動物になっていた。四方を冷たい金属の壁に囲まれている。
足元には「一瞬で楽になれる薬」と書かれた毒々しい瓶が一つ。
探索者はこの閉鎖的な空間から無事脱出することができるのだろうか?
  
プレイ人数 1人〜4人
プレイ時間 30分~1時間
推奨技能 目星、聞き耳、図書館、医学
準推奨技能 化学、薬学
※ロスト、後遺症あり
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ストック

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コメント

背景
人間の身勝手で増やされ、何の罪もない動物たちが殺処分によって命を奪われているという事象に目をつけたシュブ=二グラス
シュブ=ニグラスは、動物たちを拾い上げ自身の子のように愛した。
生を奪われるという苦しみを、人間たちにも味合わせるために殺処分を行う空間(ドリームボックス)を模した空間を作り上げ、探索者を閉じ込めた。
もし、命を尊む心を探索者がもっていたのなら、その時は彼らの優しさに免じて逃してやっても良いだろう。
シュブ=ニグラスは暫し探索者の様子を伺うことにした。
  
変身する動物の能力値はルルブに準じてください。
技能値はKP裁量で補正をかけてください。
ちなみに探索者の嫌いな動物に変身します。事前に聞いておいてください。
  
目覚めた部屋で行動すると、二酸化炭素の窒息ロールが入ります。
  
導入
とある日の朝、あなたはテレビや新聞、ネットなどで動物の殺処分についてのニュースを見る。
年間5万をも超える動物たちが処分されているという内容だった。
このニュースを見たあなたは、心を痛めたり痛めなかったりと様々な感情を抱くだろう。
その日の夜、街を歩いていると暗闇の中から一匹の猫が現れる。
黒色の毛とてもしなやかで、月に照らされ美しく、そしてどこか不気味に輝いていた。
「なぁん」と低く鳴くと辺りに甘い香りが漂い始め、次第にあなたの体の自由を奪ったのであった。
倒れ込んだあなたの顔を、月と同じ金色の瞳をもった黒い猫が見下ろしていた。
その猫の瞳から目を離すことなく、あなたの意識は闇へと溶けた。
<目星> その猫の体は所々が透けていた
  
目覚め
目を覚ますと、そこは四方を金属製の壁で囲んだ部屋だった。
北、南、西、東には金属で出来た扉があり、北側には長方形の窓もある。
そして中央には紫色の液体が半分ほど入った瓶が転がっている。
周りの状況を理解したところで、あなたは自身の体が重く、もしくは軽くなっていることに気がつくだろう。どこか息苦しさも感じている。
体を確認してみると、それは「人間の体」ではなかった。
あなたの体は、あなたが大嫌いなあの生き物へと変貌してしまっていた。<Sanc 1d3/1d5>
※RPを開始してください
他に探索者がいれば、共に行動をとることが可能
  
紫色の液体が入った瓶
その液体は泡立っており、粘り気と濁りがある。
瓶の下には紙が置いてある。
瓶に<目星> 蓋にはAと書かれている。
瓶に聞き耳 腐臭がする。思わず顔をしかめてしまうだろう。
  

「一瞬で楽になれる薬」の一文と骸骨のマークが書かれていた。
裏 「片方だけなら不完全。じゃあ二つ合わされば……?」と書かれている。
  
部屋に<目星>
四隅に何かを噴出するためのノズルがつけられているのを見つける。
そしてそのノズルからは今も何かがゆるやかに噴出され続けているようだ。
<化学、薬学> ノズルからでている気体は二酸化炭素だった。
  
<アイデア>
このまま部屋を二酸化炭素で満たしてしまったら呼吸ができなくなり、窒息してしまうだろう。死につながると悟ったあなたはさっと血の気が引いた。
  
壁に<目星>
大きな爪痕や窪みなどが多く残っている。しかし壁はとても丈夫だ。
  
北側の窓
小さな長方形の窓。その窓からは作業着をきた二足歩行の生き物が歩いている。
※相手に声は聞こえない
※鳥などの生物なら窓を覗くことができる
  
北側の扉
金属製の扉
扉には紙が貼ってあり「ここはドリームボックス。元の世界への出口はこの扉。鍵は開いている。いつでも脱出が可能。」と書かれている。
  
ドリームボックスという言葉に対して<知識>
動物の殺処分をするための空間をドリームボックスということをあなたは知っていた。
  
南の扉
紙が貼られている。
読む 「trash box」
裏 「彼らは命を尊むことが出来なかった。命の罪は命で償わなければいけない。」
<聞き耳> 扉の隙間から悪臭が漂っている
  
開けてみると、部屋に充満していたのであろう想像を絶する臭いがあなたの顔を撫でていく。肉が腐った臭いが嫌でもあなたの肺を満たしていく。
嗅覚から得た強烈な刺激に目が回りそうになるが、あなたはその部屋にあるものに目が離せなくなる。
そこにあったものは、おびただしい数の死体。
動物の死体が折り重なり、山のようにそびえ立っていた。
ぐしゃりと腐った頭部が抗うことなく地面へと落下し、床へ叩きつけられた。
飛び散った肉片や脳漿が床を汚した。<Sanc1/1d3>
※動物の種類は様々
  
死体の山
<医学> 動物の肉体は腐っている。扱われ方はとても雑で死んでから、もうずっと放置されていると感じるだろう。白目をむいていたり、口元から垂らして絶命しているものもあった。
  
壁 <目星>
「彼らにお似合い。」と赤い文字で壁に記されていた。
  
西の部屋
紙がはられている。
「安寧」
<聞き耳> 風が吹く音が聞こえる。
  
開けてみると、澄み切った空気がぶわりと流れ込んでくる。
視線の先には青色の空と青々と茂った草。
どの植物も生命力に溢れているだろう。
中央には力強く生きる大樹がある。
  
大樹
つやつやと輝く葉を沢山つけた大樹。
周りは柔らかな土で覆われている。
その傍らには細長いコップのようなものが1つと黒猫がうずくまっていた。
  
<聞き耳> 風になびく音の中で、声が聞こえた。
「哀れな我が子に、安らかな眠りと安寧を。」
と言っている女性の声が聞こえた気がした。
その声は普通の人間ではないような、どこか神々しさを孕んでいた。<Sanc0/1>
  
黒猫
<医学> 眠っているようにも見えたが、完全に絶命していることがわかる。
外傷はなく、腐っている様子もない。
とても綺麗な状態だ。
  
<アイデア>夜、街で出会った猫だとわかる。
  
土 <目星> 
土の色が1ヶ所おかしいことに気がつく。
掘ると、中からは青色の粘着性のある液体が半分ほど入っている濁った瓶を見つける。
その瓶は泡立っており、土で汚れている紙には「一瞬で楽になれる薬」と書かれていた。ちなみにご丁寧に骸骨のマークも隣に描かれている。
  
瓶 <目星>
蓋の部分にBとかかれていた
  
コップ
花などを活けることができそうだ。
大きさからみて一輪しか挿せそうにない。
  
瓶 <聞き耳>
腐臭がする。思わず顔をしかめてしまうだろう。
  
東の部屋
紙が貼ってある。
見る 「思」と書いてある。
  
開けると、インクの香りがふわりと鼻先をかすめる。
どうやら書庫のようだ。
大きな本棚が右と左にある。
テーブルの上には花瓶に活けられた植物が二輪。
どちらも違う植物だ。
  
<目星> 右
モノクロの写真を見つける。
そこには原っぱと大樹。
その根本は何かを埋めたのか盛り上がっており、そばには植物が添えられている。
写真はモノクロの上、画質が荒いため植物の種類の断定は難しい。
裏 「私の愛しい我が子。」と書かれている
  
<図書館> 右
花の図鑑をみつける。
テーブルにある植物の種類がわかる。
一つはイチョウ。
もう一つはフキノトウ。
  
<図書館> 左
花言葉の本を見つける。
イチョウの花言葉は「鎮魂」
フキノトウの花言葉は「処罰は行わなければならない」
  
<目星> 左
メモを見つける。が、とても字が汚い。
母国語-30
『A+B=人間のマーク』
『Aのみ、Bのみ=人間と動物がまざったマーク』
が書かれている
  

エンディング分岐

条件 薬Aまたは薬Bのみを飲み、脱出。
※猫を弔うことをしても、しなくても、片方しか薬を飲んでいなければこのエンディング
あなたは粘性の毒々しい薬を飲み、脱出をした
眩しい光に包まれ、その暖かさに身を委ねる。
目を覚ますと、そこは見慣れたあなたの家。
夢だったのか?と疑問に思っていると、あなたは体に違和感を感じる。
それは(1d6できめる)の違和感だった。
1頭部 2胴体 3右腕 4右足 5左腕 6左足
恐る恐るそちらをみやると、そこには普通の人間にあるはずの部位がなく、先程まであなたが成り代わっていた、大嫌いな生き物の部位へと変わっていたのであった。
Sanc1/1d5
Badend1 後遺症 半分動物状態
App減少 -1d3
  
条件 どちらの薬も飲まずに脱出
※猫を弔うことをしても、しなくても、どちらの薬も飲んでいなければこのエンディング
あなたは扉をくぐり、現実世界へと向かって歩いていく。
眩しい光に包まれ、その暖かさに身を委ねる
目を覚ますと、そこは見慣れたあなたの家
あれは夢だったのかとほっと胸を撫で下ろし、自分の体をみた
するとそこにあったのは、自分の体ではなく、先程まだ成り代わっていたあなたの大嫌いな生き物の体がそこにはあった。
理解が追い付かない。まだ夢を見ているのか。
頬に汗が伝う。しかし、これは夢ではない。
あなたは一生、この姿のまま生きていかなければいけないのだ。
Badend2 人間の体はロスト 後遺症 動物に変身
  
条件 薬ABを飲んだが、猫を弔うことをせず脱出
あなたは薬を口に含み、そして飲み込んだ。
吐き気を催すような酷い味を噛み締め、気がつくと姿は普段の自分に戻っていた
逃げるようにあなたはこの不気味な空間から脱出したのであった。
あなたは夢を見る。
それは、金属の壁でおおわれた空間に押し込められ、怯えた表情をしている動物達の夢だ。自身もまた、その動物の一人である。
その空間は徐々にガスで満たされてゆき、貴方も動物達は苦しそうにもがく。鳴き叫ぶが、その声も次第にか細くなっていくのであった。あなたは死を悟るだろう。
今日もどこかで、小さな命が奪われている。
Badend3 後遺症 眠る度に自分を含めた動物達が殺処分される夢をみる。<sanc1/1d3>
  
条件 猫の墓にフキノトウを供えた、薬ABどちらも飲んで脱出した
あなたが扉を開けようとしたとき、あなたは背後から、寒気と見てはいけない者の存在を感じることだろう。
だが、あなたは振り返ってしまう。見てはいけないのに、振り返ってはいけないのにあなたの体は自然に後ろを振り返ってしまう。
そこには黒い雲のような塊が広がり泡立っている。そこからは黒い触手が伸び、口からは粘液を垂らしている。黒い蹄がついた短い足からは山羊を連想させたことだろう。<Sanc1d10/1d100>
Badend4 シュブ=ニグラスとの接触。処罰は行わなければならない。
  
条件 HPがゼロになった(窒息死など)
呼吸ができない。酸素が運ばれず朦朧とする意識。
空気を求めて手を伸ばすが、その手は力なく地へと崩れ落ちるのであった。
Badend5 死亡 ロスト
  
条件 薬ABを飲み、猫を弔いイチョウを供えた
薬を口に含み飲み干す。口内には不快感が残り、吐き気が催されるような酷い味を噛み締め、気が付くと体は元の姿へと変わっていた。
扉をくぐると、眩しい光に包まれその暖かさに身を委ねる。
母親の胎内にいるような、心地よい暖かさに目を瞑っていると声が聞こえてくる。
※大樹のところで女性の声を聞いていれば同じ声だとわかる
「あなたは命を尊むことができる人間なのね。愛しい我が子を弔ってくれてありがとう。」
と語りかけられる。
声を聞き届けるとあなたの意識は闇へと落ちていくのであった。
再び目を覚ませばそこは見慣れた自室だ。
体は元通りで、やけにリアルな夢だった。と感じることだろう。
あなたは無事、もとの日常へと帰ることができたのだった。
Best end1
変身した動物の言語 +30
San回復 1d10
  
あとがき
一縷の命(いちるのいのち)をプレイ、閲覧して頂きありがとうございます。
今回の黒幕はシュブ=ニグラスです。
シュブ=ニグラスが今回我が子のように愛したのは人間の子供ではなく動物たちでした。
Trash boxの動物の死体はもと人間たちです。
薬ABは両方飲めば良いため、混ぜて飲んでも片方ずつ飲んでも構いません。
混ぜたら……漆黒のドロドロしたいかにも飲んではいけないような液体になるかもしれません。
テストプレイの結果はベストエンドでした。
変身した動物はまさかのゴキb…(ry
私は虫でも構わないと思いますが、生物によっては探索が難航します。
それを踏まえた上でKP裁量にお任せ致します。
完全な動物状態でクリアしてしまった後は、人間の肉体としての探索者はロストですが動物としては生きているので他の卓のKPさんが許すのであれば連れていっても良いと思います。
ですがPC同士の意思疏通は難しそうですね。
見た目は動物ですが中身は探索者のままです。
Badend分岐が多いですが、難易度は高くなく、短時間で回せるシナリオですので初心者の方でも回せると思います。
何か質問等がありましたら是非聞いてください。
ここまで見ていただき、有り難う御座いました。

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